http://www.asyura2.com/12/genpatu23/msg/572.html
Tweet |
【こちら特報部】「夏の電力需給 停電の不安煽る『政官電』」 2012/05/08(東京新聞)
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11245064192.html
2012/05/08(東京新聞) :平和ボケの産物の大友涼介です。
稼動中の原発がゼロになり、再稼働をめぐる攻防は佳境に入った。焦点は今夏の電力需給だ。大飯原発を抱える関西電力と経済産業省、野田政権のネットワークは「停電の恐れ」を煽る。しかし、その根拠について、経産省に近い研究者は客観性に乏しく、恫喝に等しいと看破した。電力不足ゆえの再稼働というより、再稼働したがゆえの電力不足という演出が透けて見える。(小倉貞俊・小坂井文彦記者)
■原発再稼働への「脅し」
「原発がなく、二〇一〇年のような猛暑なら、関西電力管内は電力が18・4%不足する」
野田首相と関係三閣僚らは先月十三日、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働方針を決めたが、その場で配られた資料には、こう記されていた。
この資料を作成した経産省資源エネルギー庁電力基盤整備課の担当者は「関西電力が計算した数字を精査したもので、変更はしていない」と、資料が事実上、関西電力の作成であることを認めた。
その不足分の値は少しずつ変わり、七日に開かれた国家戦略室の第四回需給検証委員会(※注)では14・9%にまで下がった。
※注 国家戦略室需給検証委員会 http://www.npu.go.jp/policy/policy09/archive08.html
冒頭の資料には、再稼働がなければ、関西電力の産業界は「労働の休日シフト」「自家発電設備の増強」「生産ライン停止」「減産」が必要とも記された。これに沿って、枝野経産相は三日、「実施計画を作る」と今夏の計画停電に言及した。
こうした一連の流れについて、経産省に近いエネルギー分野のベテラン研究者は匿名を条件に取材に応じ、「根拠のない脅しだ」と批判した。
電力需給で鍵を握るのは、大口需要家の動向だ。資料では、その中に含まれる医療機関や冷凍冷蔵倉庫、コンピューターのデータセンター(データ管理の施設)、半導体工場のクリーンルーム(製造施設)などが「節電困難」と区分された。だが、この研究者は逆に「最も節電効果が見込める分野」と反論する。
「これらの施設の多くは、温度と温度設定が過剰だ。つまり、温度を下げ過ぎて、湿度を上げるために逆に温度を上げるなどの無駄がある。制御システムの変更で簡単に10%は節電できる」
設備投資の費用も三、四年で回収できるとみなす。倉庫も「冷やし過ぎが多い」。病院は「平均でオフィスの一・五倍の電力を使うが、老朽化した空調設備が影響している。最新のものに換えたら三分の一に経るという試算がある」と話す。
「実は関西電力にも省エネ技術を販売する子会社がある。だが、本社は未だに原発を経営の中心に置いており、志のある技術者の声は原発推進派に押されてしまっている」
さらに「『乾いた雑巾を絞る』と表現し、限界まで省エネをしているというのは神話。一九九〇年代から日本の省エネの動きは停滞し、今ではエネルギー効率の悪い設備が多い」という。
「各企業は技術を持っているが、設備に仕上げているのは少数。政府の政策が欠けているからだ。省エネ技術を磨けば、国際的な競争力を持ち、いずれは原発に代わる輸出での目玉になる」
■大口すでに省エネ成功
実際、すでにクリーンルームでの節電を成功させた企業がある。自動車部品製造の「デンソー」(愛知県)だ。〇七年に外気温の変化に合わせて、ルーム内の室内温度を制御するシステムを開発。年間で、前年比38%(約三千三百万円)の削減を達成した。担当者は「新しいシステムだが、どこの企業でもできないことはない」と話す。
データセンターも、日本IBM(東京都)が省エネ対策をビジネス化している。〇九年に日本生命のセンターで空調電力の最適化に取り組み、年間使用電力を24%(約千八百万円)削減させた。一一年には朝日生命のセンターを対象に、二ヶ月間で約四割の電力削減を実現。IBMの広報担当は「温度や気流の分布を検証し、最適な環境をつくる仕組み。他の企業からも問い合わせがきている」と明かす。
また、東京では一一年度、ピーク時電力量を前年度比29%まで削減。空調設備や証明の省エネに力を入れたとしており、担当職員は「二十年前の数値の約半分にまで抑えられた。まだまだ努力できるところはあった」と胸を張る。
こうした大口需要家の節電成功例をみると、”電力不足キャンペーン”の疑わしさが増す。むしろ、そこからは政治家、官僚、電力会社の三者による、いわば「停電恫喝ネットワーク」の存在が見え隠れする。
四日に大阪市で開かれた大阪府市エネルギー戦略会議でも、関西電力が電力不足を示す数値ばかりを強調。委員から「脅しているだけだ」といった反発が噴出した。
前出の研究者も「受給検証委の不足分も克服できる。経産省は生産減など脅し文句ばかりを選ぶが、省内でも節電で乗り切れることはわかっている」と、再稼働に向けた電力不足を既定とする世論工作を批判した。
*** エネ基本問題委の議論
再稼働に向けて外堀を埋めるような動きのもう一つの例が、将来のエネルギー政策を決める経産省の総合資源エネルギー調査会基本問題委員会での議論の進め方だ。
同委は野田首相が国会で表明した「原発依存度を可能な限り引き下げる」ことを出発点に、望ましい電源の組み合わせなどを協議。委員二十五人の中には原発批判派もいるが、少数派として切り捨てられつつある。
というのも、先月十一日の会合で事務局の経産官僚が示したのは、三十年時点での原発依存度を「0%」「20%」{25%」「35%」「数値で示さない」とする五案。しかし、20%以上は原発の現状維持か増設抜きには達成できない。脱原発依存どころか、その方針を骨抜きにするという選択肢にほかならない。
「設定の仕方がおかしい。国民に間違った印象を与えかねない」。委員の一人である高橋洋富士通総研主任研究員はこう苦言を呈する。
実は五案のうち、支持する委員が六人と最も多いのが0%案だ。「原発をゼロにするという選択肢が一つしかないのに対し、維持・増設する選択肢の方が多いのは不可解だ。0%案にしても今すぐに実施するのか、二十年かけて減らすのかなどいろいろ考えるべき要素はある。事務局の手法は『原発推進ありき』と疑われても仕方がない」
同委は月内にも選択肢をまとめ、政府の「エネルギー・環境会議」に報告する方針だが、同じく委員を務める伴英幸原子力資料情報室共同代表はこう懸念する。
「そもそも委員会は環境会議の方針を受け、原子力の低減を追究する性格。そこで、増税という”逆行”はおかしい。委員に推進派が多いという当初の人選からみても、電力不足キャンペーン同様、再稼働ありきの構図があるのではないか」
※デスクメモ 恫喝の典型は民主党の仙石政調会長代行による「(再稼働抜きでは)集団自殺」発言だった。一理ある。けれど、その当事者は関西の住民ではなく、原子力ムラの面々ではないのか。他人の不幸は喜ばしくないので、ご提言申し上げる。廃炉にも脱原発にも皆さんの出番はる。今ならまだ間に合う。(牧デスク)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素23掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。