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図1=航空機モニタリングで測定された放射性セシウムの沈着量と地形の関係
フクシマ原発事故・終わりなき人体汚染
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?n=127265
2012/05/08 18:30 オリーブの声
昨日、除染について汚染地帯で徒労感が出ていると報じた。新聞によっては、モモの木の除染80%とか、側溝や雨どいの汚泥除去で75%除去の成功事例が躍るが実質的な除染達成率は▲20%程度に止まる。既に表土5センチを剥いだだけでは低減効果が減少していることのほか、道路や屋根などは本格的な取替えをしなければ大きく改善することが困難な状況となっている。
理由に、放射性セシウムがコンクリートや屋根材と化学的に結合してしまっていることが挙げられる。もうひとつは面に降下した放射性物質からの放射線であるため、面を除染しなければ大きな除染効果を得ることは物理学的に難しいということである。
更に別の角度から除染が困難視される理由として中通りの以下のような地形問題がある。
福島第一原発から放出された大量の放射性物質は、阿武隈高原を越えたが、奥羽山脈を大きく越えることはなく、これが日本海側の汚染が低い原因となっている。一方、奥羽山脈沿いに当時の北風に乗って中通りを下降した放射能プルームが現在の汚染地帯を創ったと云える。
ここで重要な視点は、既に浜通りや阿武隈高原に降下した大量の放射性物質が向こう数十年間は減退しない事実である。従って以前述べたように長期間にわたり、山林(全体の7割)から放射性物質を含んだ土壌が、とりわけ阿武隈高原と奥羽山脈に挟まれた低地である中通りに流入して来ることは間違いない。
加えて、再浮遊による沈着も長期間継続すると想定される。
平成24年1月以降の福島市での定時降下物測定(放射性セシウム134+137の合計)によると、1月1282Bq/m2、2月1779Bq/m2、3月1137Bq/m2、4月824Bq/m2であり、年間での地表面沈着量は容易に1万ベクレル/m2を超える。以前算定したように、この降下量はIAEAによる再浮遊係数であるm-1を上回っており、本紙は山林からの再浮遊分の寄与と見ている。
すなわち仮に除染したとしても、数ヶ月もすれば、私立幼稚園「こどものいえ・そらまめ」のように再び放射線量が上昇してしまうことになる。その背景には、中通りが低地であること、後背にリザーバーとなる阿武隈高原(山林)があるという厳然とした事実がある。
そこから長期間にわたり、市街地に雨水の流れによって放射性物質(セシウム、ストロンチウム、プルトニウムなど)が土壌とともに流入すること、かつ、粉塵となって降下することが確実視される。
理由は、上記の航空機モニタリングを見れば、誰でも分かる。これらから当地に居住し続ける場合、汚染された食品と空気から摂取する放射性物質量は平均的に20ベクレル/日・人と算定される。成人では、時定数144を用いて約1年後に体内平衡量2880ベクレルとなる。体重を60Kgと置くと、48ベクレル/Kgの体内放射性物質量になる。
子ども(9歳)の場合、時定数53を用いて約1年後に1060Bqの体内平衡蓄積量となる。
体重を30Kgと置くと、35ベクレル/Kgとなる。
合わせて地表面からの外部放射線を長期間幼児や思春期のこどもたちが浴び続けることになる。
慢性低線量被曝の健康影響は、チェルノブイリ核惨事で証明されている。
本紙は警告したい。
セシウム汚染地域に住み続ける女性は、将来母親となる「若年層女性人口集団」であり、生態学的にも、臨床学的にも、人類が始めて遭遇する健康問題を抱える集団と認識される。
特に思春期とティーンエージャーは要注意である。
以上
オリーブ拝
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