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http://gmtaka.wordpress.com/ さんのブログを読んでたら、
日本学術会議 東日本大震災復興支援委員会 放射能対策分科会「放射能対策の新たな一歩を踏み出すために ―事実の科学的探索に基づく行動を―」
と題した提言を行っていることに気がツきましたので紹介します。
委員名とか、詳細は引用元をご覧下さい
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ttp://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-t-shien4.pdf より部分転載
提言
放射能対策の新たな一歩を踏み出すために ―事実の科学的探索に基づく行動を―
平成24年(2012年)4月9日 日本学術会議
東日本大震災復興支援委員会 放射能対策分科会
この提言は、日本学術会議東日本大震災復興支援委員会放射能対策分科会の審議結果を 取りまとめ公表するものである。
1 作成の背景
要旨
2011 年3月 11 日に発生した東日本大震災は、人類の記録上4番目の大きな地震、その 30 分から6時間後にわたる7波の津波、津波等によって全電源が喪失して引き起こされた 東京電力福島第一原子力発電所事故による複合災害であり、甚大な被害をもたらした。
津波災害から生じた人的、物的被害は甚大であり、被災者・被災地域から住居とともに 職場をも奪った。被災者は、深い心の傷と仮設住宅等での不自由な生活にもかかわらず、 恒久的に安全な社会を実現するための復旧・復興活動に立ち上がっている。復興されるま ちは、多面的な意味で「災害に強いまち」でなければならない。また、被災地域を支える 産業が着実に根付き、その産業のもとで雇用が確保されなくては、暮らし続けることはで きない。さらに、原子力発電所事故については、最終処理の完了まで1世代以上にもわた る時間を要する恐れがある。多数の人々が長期間の避難を余儀なくされるなかで、放射線 被ばくの恐れのある人々の長期的な健康管理体制の構築や、放射性物質が沈着した地域に おける除染対策が急務となっている。
こうした復興の諸課題に対して、被災者にとって切実に必要な知見が、科学の諸分野の 営為を結集しつつ具体的に提供されることが求められており、それが日本学術会議の任務 である。第 21 期日本学術会議は、3月 11 日の大震災発生直後から、東日本大震災対策委 員会を設けて7次にわたり緊急提言を発出するなどの取り組みを展開してきた。2011 年 10 月の第 22 期日本学術会議の発足にあたり、東日本大震災対策委員会を継承して東日本大震 災復興支援委員会を設置した。11 月 16 日には本委員会の下に、災害に強いまちづくり分 科会、産業振興・就業支援分科会、放射能対策分科会を設けた。
本分科会は、放射能汚染の現状と今後の推移を把握・分析し、健康被害を防止するため になすべきことを効果的に伝えることを喫緊の課題とした。
2 現状と問題点
東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質による汚染の現状と今後の推移に ついて推定するためには、事故からの経緯を総括し、原子力発電所からの放射性物質放出 時期と放出総量の推定から、放射性物質の環境中での分配や移行、被災した方たちの被ば く経路の時系列・地理的位置ごとの網羅的把握と、それに伴う被ばく時間と被ばく量の推 定、そしてその結果として危惧される健康影響の評価までを、体系的に実施することが必 要である。しかし、この作業のために必要な情報は、一元的に管理・提示されているわけ ではなかった。それぞれの行政、研究機関、研究者が、それぞれ精緻ではあるものの、分 断的にデータや情報を管理し、横断的に共有が難しい形で公表していることが明らかとな った。
そこで、本分科会では、限られた期間に可能な範囲でこれらの分断されている情報を収 集し、情報源がどこにどのような形式で保有されているかの全体像を示すとともに、それ
iii
らの情報を連結して最終的な健康被害を予測することにより、東電福島第一原発の近隣住 民および国民の不安に応えることを目指した。現在の十分とはいえないデータや情報に基 づいた試算からも、今後適切な累積被ばく線量についての管理を行ない、健康状態を正確 に把握することの重要性が示唆された。さらにこれらの検討の過程で、被ばくの影響の最 小化、および被ばくによる健康への影響予測の精緻化が緊急に必要であることも示された。
3 提言の内容
本提言において、複数の被ばく経路別に推定した被ばく量と健康影響に基づき、健康影 響を最小化するために、さらに今後、放射線被ばくによる健康影響評価を改善するために、 以下の6つの提言を行う。 提言1:
政府・自治体は、既に放射線被ばくを受けた人、特に子どもや胎児の健康を守るために 被ばく線量の推定と住民健診・検診を継続して実施するべきである。またその実施のため に、甲状腺超音波検査や血液検査のできる体制を構築し、さらに万一、健康異常を発見し た際には、住民が速やかに適切な治療を受けられるよう、地域での医療体制を整えるべき である。
提言2:
政府・自治体は、住民帰還・除染作業などで今後起こりうるさらなる被ばくによって、 累積被ばく量が健康に影響を与える可能性のある水準とならないように、住民帰還後にわ たる除染目標の設定、除染作業の管理など適切な施策を実施するべきである。
提言3:
我が国の学術界は、発がん率、がん死亡率に関して放射線量に対する線量反応曲線を推 定するための適切な疫学的研究を計画し、政府・自治体の協力の下実施し、その他基礎研 究との統合的理解を図るとともに、その結果を速やかに住民の健康管理に反映させるべき である。
提言4:
東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射能汚染の実態と健康被害をより正確に 把握し、適切な除染と健康被害防止策を講じるために、我が国の政府と学術界が、放射能 健康影響評価の全貌を把握する領域横断的研究体制を協働して構築することを求める。
提言5:
政府は、事故を俯瞰するのに必要なデータ、健康影響の推定精度に大きな影響を与える データの迅速かつ着実な収集の仕組み、ならびに多くの研究者が利用・分析可能な標準化 された様式でデータを提供する公的な仕組みを確立するべきである。
iv
提言6:
放射線量に関わる測定やモデルに基づく推定に関わる機関・研究者は、放射線健康影響 評価の基礎数値となる様々な測定結果・推定結果には、不確かさ情報を付随させて公表す ることが求められる。また、不確かさ情報に基づいて、測定結果や推定結果の精度管理あ るいは改善を計画し実施する必要がある。
v
1 はじめに
2011 年3月 11 日の 14 時 46 分に、東北地方太平洋沖でモーメントマグニチュード 9.0 という人類の記録上4番目の大きな地震が発生した。その 30 分から6時間後にわたり7波 の津波が押し寄せ、東北関東地方の沿岸部、特に岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉 県に大きな被害を与えた。
東京電力福島第一原子力発電所(以後、東電福島第一原発)の発電プラントは、1号機 から6号機まであり、運転開始は 1971 年から 1979 年にわたる。発電量は1号機が 46 万 kW、2~5号機が 78.4 万 kW、6号機が 110 万 kW である。東電福島第一原発でも、津波の 最初の大きな波は 15 時 27 分頃、そして第2波は 15 時 35 分に到達した。津波の高さは最 大 15m にも達した。
津波に伴う東電福島第一原発事故の結果、大気ならびに太平洋中に甚大な量の放射性物 質が放出され、広大な国土と海洋が汚染されるとともに、近隣住民を中心に数多くの国民 が放射線被ばく†1の危険に曝される事態となった。3月 12 日に、東電福島第一原発から半 径 20km 圏内の住民に避難指示が出された後、自主避難も含めると 10 万人に及ぶ住民が、 日常生活を突然中断して、自宅や職場、そして場合によっては家族からも離れて、避難生 活を余儀なくされることとなった。それに加え、事故直後から現在もなお続いているかも しれない放射線被ばくによる健康影響におびえ、自らの将来だけでなく子孫の将来にまで 不安を抱える人々も多い。
本分科会は、原発事故に伴う放射性物質による汚染の現状と今後の推移についての推定 を経て、放射性物質への被ばくによる住民の健康影響を評価し、その影響をできるだけ減 らすための手段について提言することを喫緊の課題とした。
そのためには、事故からの経緯を総括し、東電福島第一原発からの放射性物質放出時期 と放出総量の推定から、放射性物質の環境中での分配や移行、被災した方たちの被ばく経 路の時系列・地理的位置ごとの網羅的把握と、それに伴う被ばく時間と被ばく量の推定、 そしてその結果として危惧される健康影響の評価までを、体系的に実施することが必要で あると考えた。しかし、この作業のために必要な情報は、一元的に管理・提示されている わけではなかった。それぞれの行政、研究機関、研究者が、それぞれに精緻ではあるもの の、分断的にデータや情報を管理し、横断的に共有が難しい形で公表していることが、本 分科会の作業の中で明らかとなった。
そこで本分科会では、限られた期間に可能な範囲でこれらの分断されている情報を収集 し、情報源がどこにどのような形式で保有されているかの全体像を示すとともに、それら の情報を連結して最終的な健康被害を予測することにより、東電福島第一原発の近隣住民 および国民の不安に応えることを目指した。さらにこれらの検討の結果に基づき、本分科 会は、被ばくの影響の最小化、および被ばくによる健康への影響予測の精緻化に向けた提 言を行った。
以下省略、引用元をご覧下さい
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