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内部被曝通信 福島・浜通りから〜家族内での検出される値の差
■ 坪倉正治:南相馬市立総合病院
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■from MRIC
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南相馬市立総合病院では、内部被ばく検査結果説明のための専用外来があります。私
も担当させていただいておりますが、年末から年明け頃にかけて、よくあった質問を
紹介します。
「一家で私と妻と子供たちが検査を受けた。家族の皆同じように避難して、同じよう
に生活していたのに検査結果が異なるのはなぜか?」というものです。
ご存知のようにセシウムは徐々に排泄されていきます。尿や便から排泄され、通常の
大人なら約3〜4カ月で半分になります(生物学的半減期といいます)。
しかしながらこの半減期が、年齢によって大きく異なります。より若い人の方が排泄
速度は早いのです。成人で約3〜4カ月と申し上げましたが、6歳児で約1カ月、1歳児
なら約10日で半分になります。
また、性別によっても半減期が異なり、男性より女性の方が半減期は短いことがわ
かっています。
そうすると、最初におなじ程度被ばくしてしまった場合でも、時間経過後計測すると、
年齢と性別によって計測される数値が異なります。例えば、一家の皆さんを同時にW
BCで検査をすると、一家で最も高齢の男性だけ検出する(おじいちゃんだけ検出し
てしまう)ことを非常によく経験しました。他のご家族は検出されません。自分だけ
被ばくした理由は何かを知るために外来を受診されることもよくあります。
これは、その方だけ内部被ばくをしてしまっていたということを示している訳ではあ
りません。大なり小なりみな内部被ばくしてしまっていたが、若い方や女性はより半
減期が短いため、より短期間に検出されない程度にまで減少していたということを示
しているだけです。
通常の家族間では高齢であるほど、男性の方が高い値が検出されます。家族間に大き
な差があるときを除き、このような家族間の差は不自然なことではありません。しか
しながらその逆の場合は注意が必要です。例えば、旦那さんが検出限界以下であるの
に、旦那さんより若い奥さんが検出されてしまうような場合です。この場合は、事故
直後により多く被ばくしてしまったか、その後の生活での慢性被ばくがより多い可能
性があります。外来でそのようなご家族さんがいらっしゃる場合には、事故直後の生
活に差がなかったか、その後の生活で被ばくが気にかかるような場面が無いかじっく
り聞いて相談しています。日常生活での余分な内部被ばくが無いか、そしてその原因
が仕事や食事と考えるなら、どのようにすればその影響を軽減できるのかを話しなが
ら、今後の生活について相談しています。
検査によるセシウムの検出率が下がって来ていることは良いことですが、慢性期の被
ばくがゼロだということを示している訳ではありません。今後の継続的な検査が重要
なことに変わりはありません。
写真はWBCによる継続検査が必要な理由です。また解説します。
*文中の写真はこちらのサイトよりご覧ください。
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https://aspara.asahi.com/blog/hamadori/entry/NrFJ0o4Ufi
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