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川内原発再稼働 新規制基準で初 「臨界」、14日にも発電 http://www.msn.com/ja-jp/news/other/%E5%B7%9D%E5%86%85%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%86%8D%E7%A8%BC%E5%83%8D-%E6%96%B0%E8%A6%8F%E5%88%B6%E5%9F%BA%E6%BA%96%E3%81%A7%E5%88%9D-%E3%80%8C%E8%87%A8%E7%95%8C%E3%80%8D%E3%80%81%EF%BC%91%EF%BC%94%E6%97%A5%E3%81%AB%E3%82%82%E7%99%BA%E9%9B%BB/ar-BBlF4rV#page=2 九州電力は11日、川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉を起動し、再稼働させた。同日深夜、核分裂反応が安定的に持続する「臨界」に達した。平成23年3月の東京電力福島第1原発事故後、新規制基準に基づく原発の再稼働は全国で初めて。25年9月に関西電力大飯原発(福井県)が停止して以来、日本は1年11カ月ぶりに「原発ゼロ」の状況が解消した。 ◇ この日午前10時半、中央制御室で運転操作員がレバーを押すと、核分裂を抑制する制御棒の位置を示すランプが上昇し、制御棒が徐々に引き抜かれていく様子が示された。 1号機には157体の燃料棒が装荷されており、48本ある制御棒のうち、32本を引き抜いて原子炉を起動した。今後は、発電機につながるタービンの調整などを経て、14日にも発電と送電を始める。 その後、出力を徐々に上げて原子炉をフル稼働する「定格熱出力一定運転」に移行。1カ月ほど安定して運転を続けながら9月上旬にも営業運転へ復帰する。川内2号機も10月中旬の再稼働を目指している。 国内の原発は東日本大震災以降、段階的に運転を停止していた。川内1号機は23年5月に定期検査のため停止して以来、約4年3カ月ぶりの運転となった。 川内原発は25年7月、原子力規制委員会が作成した新規制基準の適合性審査を申請。審査で大きなハードルとなっていた基準地震動(想定される最大の揺れ)や基準津波(想定される津波の高さ)の設定をいち早くクリアし、他の原発に先んじて審査を集中する「優先原発」に選ばれていた。 鹿児島県の伊藤祐一郎知事はこの日、近隣住民を対象に、年内にも川内原発で重大事故を想定した避難訓練を実施する方針を表明した。 川内原発再稼働 安全実証の牽引役に http://www.msn.com/ja-jp/news/other/%E5%B7%9D%E5%86%85%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%86%8D%E7%A8%BC%E5%83%8D-%E5%AE%89%E5%85%A8%E5%AE%9F%E8%A8%BC%E3%81%AE%E7%89%BD%E5%BC%95%E5%BD%B9%E3%81%AB/ar-BBlEWID#page=2 未曽有の東京電力福島第1原発事故から約4年5カ月、日本が原発へ本格的に回帰した。全国の原発に先駆けて再稼働した川内原発は、原発の安全性を示す牽引(けんいん)役となることが期待される。他の事業者も含めて必要なのは、事故が起こることを前提に、あらゆる事態を想定して不断の努力を怠らないことだ。 川内原発では、周辺火山の噴火による危険性について反原発派が執拗(しつよう)に主張してきた。しかし、川内原発に影響があるようなカルデラ大噴火が起こった場合、九州の南半分が壊滅する。周囲が焼け野原になっても、原発だけは無事を確保できなければ稼働を認めないという主張は、現実離れしていないだろうか。 それは東日本大震災からの教訓でもある。事故当時の福島第1原発の吉田昌郎所長(故人)が政府の聞き取りに語った「吉田調書」によれば、吉田氏は「本当は原発の安全性だけでない。東日本大震災で2万人近くが死んだ。これは誰が殺したんですか。あの人たちが死なないような対策をなぜそのときに打たなかったんだ」と力説している。 この言葉に原発稼働の責任を回避する意図はない。原発へ直結するリスクと同様に、災害における備えへの疑問を投げかけたものである。原発の新規制基準ではあらゆる自然災害に加え、航空機の意図的落下などテロへの対策も求め、考えられるべきことを徹底的に突き詰めた。 それでもリスクはある。科学技術が発達した現代社会で、ゼロリスクで生活できると考える人はいないだろう。だが、原発の議論になると、ゼロリスクは当然との誤った主張がある。「絶対安全」はないことを前提に、原発事故や自然災害などを含めた総合的なリスク評価が必要ではないだろうか。(天野健作) 2015.8.12 05:02 【主張】 川内原発復活 稼働増やし国力再生を 首相は規制委の改革を急げ http://www.sankei.com/column/news/150812/clm1508120002-n1.html 2年近くもの「原発ゼロ」にようやく終止符が打たれた。 九州電力・川内原子力発電所1号機(加圧水型・出力89万キロワット)の再稼働である。11日午前から炉心の制御棒を引き抜く、原子炉の起動操作が行われた。 東日本大震災を受けて導入された新規制基準の下での、初の原発再稼働であり、1号機にとっては4年を超える長い停止期間を経ての起動である。 竜巻による飛来物対策のほか、機器冷却用の海水ポンプを津波から守る防護壁設置などを行い、原子力規制委員会によって基準を満たしていることが認められた。 ≪前進だが足取りは重い≫ 地元の薩摩川内市や鹿児島県の同意も得た再稼働だ。関係者の取り組みに深く敬意を表したい。 14日には1号機からの電気が送電線に流れるようになり、徐々に出力を上げて9月からフル出力の営業運転に移行する見通しだ。 国内の原発は、暫定的に動かされた関西電力の大飯3、4号機が停止した平成25年9月以降、ゼロ状態だった。 電力不足への不安がつきまとう猛暑のさなかにおける、待望のベース電源の主役の復活だ。 確かな前進ではあるが、これは国内にある全43基中の1基にすぎない。九電が規制委に新基準への適合性審査を申請したのは、25年7月のことだ。 審査は当初、半年ほどとみられたが、最短の川内原発でさえ2年以上を要した。九電が提出した申請書は4万ページ近くに達した。規制委は常識的な時間軸を確立し、効率性を高める必要がある。 「3・11」後の早い段階で、各原発に重大事故への補強策が施されたことを踏まえ、運転を続けながら、さらなる安全対策と適合性審査を並行させるべきだった。 そうすれば、火力発電の燃料輸入の肥大も、電気料金の上昇もなく、電力会社は余裕を持って対策工事に専念できたはずである。この間の10兆円を超える国富流出は回避できていただろう。 川内原発1号機の復活が、他原発再稼働への弾みとなることを期待したいが、後続は寂しい。 同2号機の再稼働が10月中旬に期待されるものの、3番手の四国電力・伊方3号機(愛媛県)の復帰は年を越えそうだ。 関西電力・高浜3、4号機(福井県)は、再稼働への条件がほぼ整っているが、地裁から運転差し止めの仮処分を受けているので見通しが立ち難い。 原子力発電の本格復活への足取りの重さは、日本経済にとって深刻だ。経済産業省の「エネルギー白書」は原発ゼロなどによる電気代の上昇が家計や企業経営を圧迫していると指摘した。 安倍晋三首相は、原発再稼働の遅れが成長戦略の障害となっていることを強く認識すべきだ。 ≪原子力の意義は多様だ≫ 川内原発再稼働への反対意見は根強く、巨大噴火の可能性を問題にするものもある。だが、現実味のない「ゼロリスク」前提の反対論では議論が成立しない。情報不足で不安を抱く人々に対しては、国が前面に出て理解を促すよう注力することが望まれる。 高い目標値を掲げた二酸化炭素削減の国際約束を守る上でも、安全性を高めた原発の活用が欠かせないことは自明であろう。 資源のない日本にとってエネルギー安全保障の生命線である核燃料サイクルを円滑に回すためにも原発再稼働の加速が必要だ。 震災後に迷走した原子力政策は重要な国内問題だが、同時に、日米原子力協定や海外諸国への安全技術の提供などを通じて、国際社会と不可分の関係にあることを忘れてはならない。これは、安倍首相が国民に語りかけなければならない重要な部分である。 エネルギーは国の基盤だ。首相が原子力利用の必要性を明確に示さなければ物事は進まない。 規制委の改革も待ったなしである。法律でも設置から3年以内の見直しが定められている。9月がその期限だ。安倍首相には理にかなった規制行政を目指し、改革の号令をかけてもらいたい。 規制委は、独立性の高い国家行政組織法の「3条委員会」だが、事業者の意見に耳を貸さず押し切ってきた感がある。これには法的問題を指摘する声もあり、今のままでは訴訟も起き得よう。不毛な事態の回避にも規制委の見直しは欠かせない。 2015.8.12 09:15 【川内原発再稼働】 経済・世論、バランス腐心 原発停止中の自治体は交付金減額 http://www.sankei.com/politics/news/150812/plt1508120012-n1.html 九州電力川内原発1号機の再稼働を受け、記者会見する宮沢洋一経済産業相=11日、東京・霞が関の経産省 (西村利也撮影) http://www.sankei.com/politics/photos/150812/plt1508120012-p1.html 九州電力川内(せんだい)原子力発電所1号機の再稼働は、安全保障関連法案で内閣支持率が下落している安倍晋三政権にとっては厳しいタイミングでの実施となった。ただ、経済再生には電力の安定供給は不可欠で、首相は地元や世論の理解を丁寧に求めながら、安全対策の一層の強化も目指す考えだ。 菅義偉(すがよしひで)官房長官は11日の記者会見で「政権としてはエネルギー基本計画で、原子力規制委員会によって世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認められた場合は原発の再稼働を進めると閣議決定している」と強調。その上で「原発はいかなる事情よりも安全性を最優先する。九電が安全確保を最優先に対応してきたということで、今回の再稼働になった」とも指摘し、事業者である九電の自主的な判断を尊重する立場を繰り返した。 一方、宮沢洋一経済産業相は記者会見で、原発立地自治体に交付する電源立地地域対策交付金の減額を表明した。原発停止中は稼働率を一律81%と見なしてきた現行制度を7割程度に改めて交付金を減らす見通しで、減額された原発立地自治体から再稼働を求める声が強まる見込みだ。 政府が電力会社や原発立地自治体の“自主性”を強調するのは、直接的な政権批判を回避するねらいもある。原発再稼働について、報道各社の世論調査で常に約6割が反対を表明している。首相としては秋の臨時国会で経済再生や格差問題に取り組み、支持率の回復を狙う。足元では、原油価格の下落や輸出拡大で貿易赤字が縮小し、平成27年上期(1〜6月)の経常収支は震災前の水準を上回る8兆1835億円の黒字となっており、再び「経済の安倍」を打ち出すための追い風にしたい考えだ。 原発再稼働、合格後もハードル 訴訟や地元の同意… http://www.msn.com/ja-jp/news/other/%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%86%8D%E7%A8%BC%E5%83%8D%E3%80%81%E5%90%88%E6%A0%BC%E5%BE%8C%E3%82%82%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AB-%E8%A8%B4%E8%A8%9F%E3%82%84%E5%9C%B0%E5%85%83%E3%81%AE%E5%90%8C%E6%84%8F%E2%80%A6/ar-BBlF1JO 原発再稼働、合格後もハードル 訴訟や地元の同意…: 審査申請済みの15原発 © 産経新聞 提供 審査申請済みの15原発 http://www.msn.com/ja-jp/news/other/%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%86%8D%E7%A8%BC%E5%83%8D%E3%80%81%E5%90%88%E6%A0%BC%E5%BE%8C%E3%82%82%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AB-%E8%A8%B4%E8%A8%9F%E3%82%84%E5%9C%B0%E5%85%83%E3%81%AE%E5%90%8C%E6%84%8F%E2%80%A6/ar-BBlF1JO?fullscreen=true#image=1 川内原発1号機の再稼働で審査や検査の「ひな型」が決まり、事業者は次の原発の再稼働へ弾みが付くことを期待する。しかし審査はなかなか進まない。審査に合格した原発でも超えねばならないハードルがいくつもあり、年内に後続の原発が出るかは微妙な情勢だ。 審査を申請したのは計15原発25基。川内以外に審査に合格したのは、関西電力高浜3、4号機(福井県)、四国電力伊方3号機(愛媛県)の3基のみだ。 高浜では今年4月、福井地裁が運転差し止めを命じる仮処分を決定。関電は再稼働に向けた使用前検査を申請したが、仮処分の決定を覆せない限り先は見通せない。伊方は地元の同意が当面の課題となっている。四電は原発から半径20キロ圏の全戸別訪問を実施。説明会などで理解を求めているが、4カ月程度の使用前検査も控えており再稼働は年明けになる見込みだ。 合格した3原発は全て加圧水型軽水炉(PWR)で、事故を起こした福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)で合格した原発はなく、審査の遅れが目立つ。 規制委は今月6日、BWRの中で、東電柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の審査を優先的に進めることを決めた。BWRのモデルとすることで効率化を図るが、ハードルとなっている地震対策がまだ決着していない。(原子力取材班) 川内原発再稼働 「安全神話」と決別…福島原発事故後4年半、真剣勝負の審査 http://www.msn.com/ja-jp/news/other/%E5%B7%9D%E5%86%85%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%86%8D%E7%A8%BC%E5%83%8D-%E3%80%8C%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A5%9E%E8%A9%B1%E3%80%8D%E3%81%A8%E6%B1%BA%E5%88%A5%E2%80%A6%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E5%8E%9F%E7%99%BA%E4%BA%8B%E6%95%85%E5%BE%8C%EF%BC%94%E5%B9%B4%E5%8D%8A%E3%80%81%E7%9C%9F%E5%89%A3%E5%8B%9D%E8%B2%A0%E3%81%AE%E5%AF%A9%E6%9F%BB/ar-BBlF70l © 産経新聞 提供 川内原発1、2号機の安全対策 http://www.msn.com/ja-jp/news/other/%E5%B7%9D%E5%86%85%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%86%8D%E7%A8%BC%E5%83%8D-%E3%80%8C%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A5%9E%E8%A9%B1%E3%80%8D%E3%81%A8%E6%B1%BA%E5%88%A5%E2%80%A6%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E5%8E%9F%E7%99%BA%E4%BA%8B%E6%95%85%E5%BE%8C%EF%BC%94%E5%B9%B4%E5%8D%8A%E3%80%81%E7%9C%9F%E5%89%A3%E5%8B%9D%E8%B2%A0%E3%81%AE%E5%AF%A9%E6%9F%BB/ar-BBlF70l?fullscreen=true#image=1 東京電力福島第1原発事故後の4年5カ月。原発をめぐって、日本は何を変え、何をしてきたのか。安全対策を徹底的に見直したのは無論、事故前に利益共同体となっていた“原子力ムラ”を解体したことが意義深い。ただ再稼働に対する国民の理解が得られているとは言い難く、原発への反対意見も根強い。(原子力取材班) 原発事故前と大きく変わったのは、平成24年9月、経済産業省から原子力安全・保安院を分離・解体し、政府からも事業者からも独立させた「原子力規制委員会」を発足させたことだ。 「規制のレベルが革命的に変わった。真の安全というものを追求する態度は少しずつできてきている」。規制委の田中俊一委員長は5日の会見で、規制機関に対する国民の信頼回復が道半ばであることを認めて、そう答えた。 原発事故は、国会の事故調査委員会が「天災ではなく人災だ」と指摘したように、規制機関が「電力会社のとりこになっていた」(事故調報告書)ことが一因にあった。 規制委がさっそく取り組んだのは、新たな規制基準の策定だ。田中委員長が「世界で最も厳しいレベルの基準だ」と強調するほど、新規制基準では、地震や津波など自然災害の想定を大幅に強化し、これまで想定すらしなかった過酷事故対策も新たに設けた。 新規制基準に基づく審査では、「厳しすぎる」と事業者が嘆く中、当初の見積もりである「少なくとも半年」から大幅な時間が経過している。 川内原発でさえ、申請から全審査終了まで1年10カ月。使用前検査を経て最終的に再稼働を果たすまでに2年1カ月もかかった。 審査の遅れは、規制委側の効率性の問題が指摘されるものの、審査官と事業者の“真剣勝負”が繰り広げられている結果でもある。 原発の安全を図る上で重要な決定は25年に規制委が策定した「安全目標」だ。米スリーマイル島原発事故(1979年)のように炉心が損傷する程度の事故を「1万年に1回」▽放射性物質の放出を抑えられるとしても格納容器の機能が喪失した程度の事故を「10万年に1回」▽放射性物質の放出が抑えられない過酷事故を「100万年に1回」−とする目標を掲げた。 事故の頻度を数値で示したこと自体が画期的だった。「原発には事故のリスクがある」と国が認めたものであり、事故は一切起こらないとする「安全神話」との決別だったからだ。 こうした安全目標はカナダ、フィンランドなど諸外国にもある。規制委の更田(ふけた)豊志委員長代理は「工学的に達成可能な数値」と話しており、原発規制はようやく世界水準に追い付いた。 2015.8.11 22:30 【川内原発再稼働】 電気料金値下げに光明 再稼働の成否で地域経済の格差拡大も http://www.sankei.com/life/news/150811/lif1508110055-n1.html ようやく川内原発1号機が再稼働した九州電力。火力の燃料費負担が減り収益が上向けば、電気料金値下げの可能性が高まるため地元経済には朗報だ。ただ、全国をみると、安全審査が申請された15原発25基のうち合格を果たしたのは、ほかに3原発4基のみ。再稼働が遅れる地域は電気料金がさらに上がる恐れがあり、地域経済の回復にも大きな差が生じかねない。 「企業努力でコストを抑えてきたが限界だ。原発が動くなら、電気料金を東日本大震災前の水準に戻してほしい」。8月上旬、福岡県須恵町の鋳造業、楠原製作所の工場内。楠原公規社長は、熱気に汗をぬぐいながらこうつぶやいた。 目の前では、真っ赤な炎を上げる電気炉2基に鉄片が次々と落とし込まれていく。ドロドロに溶けた鉄は鋳型に流し込まれ冷やされて、マンホールや機械の部品などに成型されていく。 鋳造業は金属を溶かすのに大量の電気を使うため電気料金値上げは痛い。九電が企業向けを平均11・94%値上げしたのは平成25年4月。楠原製作所の年間の電気料金は震災前の22年の3164万円から26年は3776万円へと約2割上がった。電力使用量の伸び率5%を大きく上回っている。 楠原社長は「電力使用を抑える努力をしてきた」と語る。造型工程へ空気を送るコンプレッサーは、生産ペースに応じて送風量を自動制御する省エネ型に買い替えた。「これでもギリギの黒字。うちの製品の値上げを、取引先にさらにお願いしなければならない状況だ」と顔をしかめた。 電気料金値上げは九州経済全体に悪影響を与えた。帝国データバンク福岡支店情報部の三好暁久氏は「多くの電気を使う製造業や小売業などの収益を圧迫している」と話す。今年2月には、新幹線の部品などを鋳造していた相葉合金所(佐賀県唐津市)が自己破産を申し立てた。 九電は、さらに川内2号機と玄海3、4号機が再稼働すれば月あたり350億円の収益改善効果があるとみる。通期業績が黒字に転じれば料金値下げの余地が広がる。そうなれば消費や企業投資が刺激され、「域内の総生産も高まる」(九州経済調査協会調査研究部の岡野秀之次長) ただ全国の原発の安全審査は進んでおらず、再稼働しない地域には電気料金の値上げ圧力がかかる可能性がある。震災前の23年2月、原発依存度の高かった北海道電力の標準家庭向け料金は、大手10社中で最安だった。しかし、震災後の原発停止で2度の抜本値上げを迫られ、今や10社中2位の高さにまで上昇した。夏場に節電につとめるなどして成果を上げてきた企業も、自社の地域の電気料金が上がれば、一層の努力を求められることになる。 すでに「地域格差」を心配する声が出ている。埼玉県川口市の鋳造業、辻井製作所の辻井裕樹常務は「同等の技術と製品なら、電気料金が下がった地域の企業が競争に有利」と指摘する。同社は受注の減少にかかわらず、震災前より電気料金が月150万円上昇。原発再稼働による競争環境の改善を求めている。 28年4月の電力小売り全面自由化による料金の値下げ合戦に期待する声もある。ただ新規参入業者は大手を基準に料金を設定するため「料金水準全体を下げるには、まず大手が安い電力を売る必要がある」(業界関係者)という。今後の再稼働が順調に進むかが、地域経済浮沈のカギを握るのは間違いなさそうだ。 (山口暢彦) 川内再稼働、政界反応 「厳しい基準をクリア」「民意を踏みにじった」 産経新聞 8月12日(水)7時55分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150812-00000059-san-pol 九州電力川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県)が、11日に再稼働したことについて、与党は歓迎する一方、野党は安全性の懸念が払拭されていないなどとして反発した。 自民党の二階俊博総務会長は記者団に「世界でも最も厳しい基準をクリアして再稼働となった」と語った。ただ、政府に対し「心を引き締めて対策を考えてもらいたい」と注文も付けた。公明党の山口那津男代表は記者会見で「安定供給を確保するための再稼働は厳格な規制基準を満たす前提で理解を示している」と強調。「地元の意向を尊重し、地域防災、避難計画の改善強化に継続的に取り組みたい」と語った。 次世代の党の松沢成文幹事長も「規制基準に合格した原発の再稼働は歓迎する」との談話を発表した。 一方、民主党の枝野幸男幹事長は記者団に「政府がしっかり責任を取る姿勢が見えない中での再稼働は、到底納得できない。事業者任せ、自治体任せだ」と述べ、安倍晋三首相が、夏休み中であることも批判した。 民主党政権下の平成24年7月には、関西電力大飯原発(福井県)が一時再稼働した。「苦渋の決断」(枝野氏)だったとしているが、現在も再稼働自体は否定していない。 ただ、対策は不十分との立場で、7月には自治体の避難計画について国の責任を明確にする原子力災害対策特別措置法改正案を衆院に提出した。 維新の党の松野頼久代表は「結論ありきで原発再稼働に突き進むかのような政府の姿勢に危惧を覚える」との談話を発表した。維新も再稼働に一定の理解を示すが、厳格な条件を求めており、近く避難計画への国の関与などを盛り込んだ原発再稼働責任法案を国会に提出する考えだ。 共産党の志位和夫委員長は談話で「福島原発事故の原因究明さえ行われないまま国民多数の民意を踏みにじった。断固抗議し、直ちに停止措置をとることを強く要求する」と非難した。社民党の又市征治幹事長も「強い憤りを持って断固抗議する」と表明し、生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎代表は「再稼働を強行したことを非常に遺憾に思う」との談話を出した。 川内再稼働、国際公約達成へ CO2削減、原発不可欠 産経新聞 8月12日(水)7時55分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150812-00000060-san-bus_all 大手電力10社の石炭消費量の推移(写真:産経新聞) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150812-00000060-san-bus_all.view-000 ■増える「石炭」、政府が危機感 九州電力川内原発1号機が11日再稼働したが、国際公約となった温室効果ガス削減目標の達成には、一定の原発を維持することが不可欠だ。来年4月の電力小売りの全面自由化を控え、火力発電の中でもコストの低い石炭火力の計画が相次ぐ。だが、原発が発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しないのに対し、石炭は液化天然ガス(LNG)火力の2倍もCO2を排出する。国際公約を果たすためには、原発再稼働の広がりが大前提となる。(大柳聡庸、田辺裕晶) ◇ 「電力事業で勝負するのならLNGでは価格競争に勝てない。きれいごとじゃないんだよ。どうしても石炭火力が必要なんだ」 新電力として大手電力の牙城を崩したい都市ガス大手の幹部は語気を強める。石炭にこだわるのは、LNGといった他の火力燃料に比べ、価格や安定調達に優れているからだ。 政府の試算では、1キロワット時当たりの発電コストはLNG火力が13・7円に対し、石炭火力は12・3円、原子力は10・1円。また、原油同様に中東依存度が高いLNGは紛争などの地政学的リスクにさらされており、輸送費も高くつく。オーストラリアなどから安定調達できる石炭のほうが使い勝手がいいのだ。 実際、石炭火力は原発停止後の電力不足を補う意味もあり、稼働が増えている。大手電力10社の平成26年度の石炭消費量は、22年度比で17%増の5957万トンだった。新設計画も相次ぐ。九州電力と東京ガス、出光興産の3社が、千葉県で大型の石炭火力発電所を建設することで合意。その他、全面自由化を控え、JFEスチールや東燃ゼネラル石油といった異業種も建設を検討している。 政府は42(2030)年度の温室効果ガス排出量を25年度比で26%削減する目標を掲げ、国際公約となった。目標では石炭火力の発電電力量を2810億キロワット時に抑える。だが、25年度の発電量は2850億キロワット時に達しており、新設どころか石炭火力の数を減らさなければ、目標は達成できない。 これを受け、電気事業連合会や新電力など業界は、42年度の温室効果ガス排出量を25年度比で35%削減する自主目標を策定した。 だが、環境省の有識者会合は、会社ごとの行動計画が示されず強制力もないため、自主計画を「実効性がない」と一蹴した。同省は電力業界が老朽設備の廃棄など具体的な削減計画を打ち出すまで、石炭火力の新設を認めない構えだ。 これに対し、大手電力幹部は「原発は国策にもかかわらず、国は前面に出て再稼働の遅れを打開しようとしていないのではないか」と、不満を漏らす。原発の再稼働が進まなければ、電力会社は料金を極力上げずに電力不足を補うため、コスト競争力に優れる石炭火力を増やさざるを得ないからだ。 そもそも電力業界の自主目標は、政府が示した42年時点で原発20〜22%、石炭火力26%などとする電源構成比率を前提とする。石炭火力を抑えても原発再稼働が遅れれば、CO2削減はおぼつかない。 温室効果ガス削減の国際公約を達成するためには、政府が最適な電源構成として示した原発比率を実現することが必要となる。 川内原発再稼働 地元安堵「日常戻った」 打撃受けた経済…「遅いくらい」 産経新聞 8月12日(水)7時55分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150812-00000061-san-soci 九州電力川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)が11日、再稼働した。日本は約1年11カ月ぶりに「原発ゼロ」が解消。地元からは「日常が戻った」と歓迎の声があがったが、東京電力福島第1原発事故を受けて避難生活を送る福島県内の被災者の間では「許せない」「原発は必要」などと評価が分かれた。川内原発のゲート前ではこの日早朝から、県警が厳戒態勢を敷く中、原発反対派が気勢を上げた。 ◇ 「ようやく日常が戻った」。薩摩川内市の中心部で民宿を営む永井康太郎さん(66)。再稼働の朝を安堵(あんど)の気持ちで迎えた。 13カ月ごとに行われる川内1、2号機の定期検査の際は、約1200人の原発関係者が市内のホテルや民宿を拠点に原発に通う。永井さんの民宿でも客の7割は原発関係者。検査時の稼働率は9割を超えていた。 しかし福島第1原発の事故後、川内原発の運転は停止し、経営は一気に傾いた。稼働率が1割に満たない日も珍しくなく、土地と車を売って何とか廃業を逃れた。 原発立地で活性化した街の経済は、ひとたび原発が停止すれば大きな打撃を受ける。市は運転停止後の平成24〜26年度、緊急経済対策として計約1億2千万円の予算を組んで商業振興を図ったが、街に活気が戻ったのは再稼働に向けた安全対策工事が始まってからだった。 永井さんは「街は原発中心の産業構造でやっていくと決めた。地域経済のことを考えれば再稼働の時期は遅いくらいだ」と訴えた。 一方、地元で雑貨店を経営する神崎侯至(こうし)さん(62)は「われわれは原発があることを受け入れて生活していくだけだ」と語った。 川内原発再稼働 福島の被災者複雑 「なぜ月命日に」「審査経たなら認める」 http://www.msn.com/ja-jp/news/other/%E5%B7%9D%E5%86%85%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%86%8D%E7%A8%BC%E5%83%8D-%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E3%81%AE%E8%A2%AB%E7%81%BD%E8%80%85%E8%A4%87%E9%9B%91-%E3%80%8C%E3%81%AA%E3%81%9C%E6%9C%88%E5%91%BD%E6%97%A5%E3%81%AB%E3%80%8D%E3%80%8C%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E7%B5%8C%E3%81%9F%E3%81%AA%E3%82%89%E8%AA%8D%E3%82%81%E3%82%8B%E3%80%8D/ar-BBlF9rF 川内原発1号機が再稼働した11日は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から4年5カ月の節目の日だ。原発事故でいまだ10万人以上が避難生活を送る福島県内の被災者からは「再稼働は許せない」という怒りの声が上がる一方、「電気を使う以上、原発は必要」と理解を示す声も聞かれ、複雑な思いが交錯した。 福島第1原発から北西に約40キロ離れた飯舘村から避難し、4年3カ月にわたり福島市の仮設住宅で暮らす元大工の遠藤由勝(よしまさ)さん(71)は原発事故の収束作業が続く中での再稼働に怒りをあらわにする。「わたしたちのこの状況を見ていないのか。また事故が起きれば大変なことになる。絶対に許せない」 全町避難が続く浪江町の主婦、金井春子さん(66)は原発事故後、避難のため7カ所を転々とし、現在は福島市の仮設住宅で生活。自宅は第1原発から約5キロの場所といい、「なぜ震災の月命日に再稼働するのか腹立たしい。家族がばらばらにされた気持ちを分かってほしい」と訴えた。 一方、飯舘村の住民が暮らす仮設住宅で自治会長を務める木幡一郎さん(80)は「再稼働は仕方ない」と理解を示す。「自然エネルギーの活用を進めることは大事だが、すぐに原発の代わりにはならない。厳しい審査を経て安全対策を行った上での再稼働なら認めてもいいのではないか」と話した。 川内原発再稼働 福島知事「住民の安全最優先」 静岡知事「発電所ごとに判断」 http://www.msn.com/ja-jp/news/other/%E5%B7%9D%E5%86%85%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%86%8D%E7%A8%BC%E5%83%8D-%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%9F%A5%E4%BA%8B%E3%80%8C%E4%BD%8F%E6%B0%91%E3%81%AE%E5%AE%89%E5%85%A8%E6%9C%80%E5%84%AA%E5%85%88%E3%80%8D-%E9%9D%99%E5%B2%A1%E7%9F%A5%E4%BA%8B%E3%80%8C%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E3%81%94%E3%81%A8%E3%81%AB%E5%88%A4%E6%96%AD%E3%80%8D/ar-BBlEWIC © 産経新聞 提供 原発立地県の知事コメント http://www.msn.com/ja-jp/news/other/%E5%B7%9D%E5%86%85%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%86%8D%E7%A8%BC%E5%83%8D-%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%9F%A5%E4%BA%8B%E3%80%8C%E4%BD%8F%E6%B0%91%E3%81%AE%E5%AE%89%E5%85%A8%E6%9C%80%E5%84%AA%E5%85%88%E3%80%8D-%E9%9D%99%E5%B2%A1%E7%9F%A5%E4%BA%8B%E3%80%8C%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E3%81%94%E3%81%A8%E3%81%AB%E5%88%A4%E6%96%AD%E3%80%8D/ar-BBlEWIC?fullscreen=true#image=1 川内原発1号機が再稼働した11日、原発を抱える各県の知事からは、動向を注視しつつ、今後の安全対策に注文をつける声が多く上がった。 中部電力の浜岡原発が立地する静岡県。川勝平太知事は再稼働について「原発への依存率の高さなど九州電力の管轄地域の事情があった」と一定の理解を示す一方、「原発への安全性や再稼働の是非は発電所ごとに判断すべきだ」とした。 中国電力島根原発がある島根県の溝口善兵衛知事は「(再稼働は)最終的な検査を行うための原子炉起動との認識」と指摘した上で、「今後の原子力規制委員会や九電の対応を注視していく」。 現在、川内以外に新規制基準の審査に合格しているのは関西電力高浜3、4号機(福井)、四国電力伊方3号機(愛媛)の3基となっている。 福井県の西川一誠知事は「国や電力事業者は事故がないよう努力し、国民の信頼に応えるべきだ」とコメント。愛媛県の中村時広知事は「川内原発は新規制基準に基づいて初めて再稼働した。今後とも安全を最優先に取り組んでいただきたい」と注文をつけた。 一方、福島第1原発事故の影響を今も色濃く残す被災地などからは、批判の声も上がった。福島県の内堀雅雄知事は「原子力政策については福島第1原発事故の現状と反省を踏まえ、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に検討すべきだ」と強調。県としては、県内原発の全基廃炉を国や東電に求めていく姿勢を改めて示した。 東電の柏崎刈羽原発を抱える新潟県の泉田裕彦知事は「原発の安全性の確保には福島第1原発事故の検証と総括が不可欠。それがなければ同じことを繰り返す恐れがある」と今回の再稼働を暗に批判した。 川内原発再稼働 「亡国の政権」絶叫する反対派 http://www.msn.com/ja-jp/news/other/%E5%B7%9D%E5%86%85%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%86%8D%E7%A8%BC%E5%83%8D-%E3%80%8C%E4%BA%A1%E5%9B%BD%E3%81%AE%E6%94%BF%E6%A8%A9%E3%80%8D%E7%B5%B6%E5%8F%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E5%8F%8D%E5%AF%BE%E6%B4%BE/ar-BBlF9rJ#page=2 © 産経新聞 提供 川内原発のゲート前で「アベ政治を許さない」などと書かれたプラカードを掲げる人たち =11日午前、鹿児島県薩摩川内市(寺口純平撮影) http://www.msn.com/ja-jp/news/other/%E5%B7%9D%E5%86%85%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%86%8D%E7%A8%BC%E5%83%8D-%E3%80%8C%E4%BA%A1%E5%9B%BD%E3%81%AE%E6%94%BF%E6%A8%A9%E3%80%8D%E7%B5%B6%E5%8F%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E5%8F%8D%E5%AF%BE%E6%B4%BE/ar-BBlF9rJ?fullscreen=true#image=1 川内原発のゲート前では11日早朝から、原発反対派数百人が集会を開いた。菅直人元首相も駆け付け「再稼働に踏み切る安倍(晋三)政権は亡国の政権だ」とマイクを手に気勢を上げた。「安保法制反対!」「派遣労働をなくせ!」などと再稼働とは関係ない主張を叫ぶ人もおり、厳しい警備体制の中、周囲は緊迫した空気に包まれた。 強い日差しが照り付けるゲート前。原発再稼働に反対する市民らが午前6時ごろから、貸し切りのシャトルバスやレンタカーで続々と集結した。鹿児島県警もゲート前だけで数百人規模の警察官を配置し、付近で繰り返し検問を実施するなどした。 反対派はゲート前に座り込み、「福島のことを忘れたのか」「制御棒を抜くな」などと太鼓を打ち鳴らしながら絶叫。労働組合の旗を掲げた女性は「原発の再稼働も、労働問題を放置しているのも安倍政権の仕業だ」と派遣労働の根絶を訴えた。 団体の車がゲートの入り口を塞ぐように違法停車すると、警察側が「直ちに移動しなさい 川内警察署長」と書いた紙を掲げながら説得に当たる場面もあった。 午前10時ごろには、菅元首相が演説。「川内原発の再稼働をやっぱりやめようとなるなら大嫌いな安倍総理に拍手をしたいが、そうはならないだろう。許されない」と述べ、九電への批判もそこそこに政権批判を繰り返していた。 猛暑の夏ひとまず平穏 老朽火力・太陽光残る不安 2015年8月12日 記録的な猛暑の中、電力大手は比較的安定した電力供給を続けている。節電意識の定着や太陽光発電の普及が進んだためだ。 東京電力の場合、8月に供給力に対するピーク時の電力需要の割合を示す「最大電力使用率」が「やや厳しい」とされる90%以上95%未満となったのは4日間のみ。「厳しい」とされる95%を超えた日はない。関西電力も概ね90%未満が続いている。背景には再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)で太陽光発電の導入が急増したことがある。 だが、太陽光は天候に左右され、暖房需要が高まる冬場の夜間に対応できないなど課題がある。FITに基づく電力会社の買い取り費用は電気料金に上乗せされ、負担増につながっている。今の供給力は老朽火力のフル稼働にも支えられており、各社は低コストで安定した電力供給のため、原発再稼働を急ぐ考えだ。 「大きな一歩」経団連会長歓迎 経団連の榊原定征会長は2015年8月11日、九州電力川内原発1号機の再稼働について、「安全性の確認と地元の理解が得られ、大きな一歩が踏み出されたことを歓迎する。ここに至るまでの関係者のご尽力に心から敬意を表したい」とのコメントを発表した。 榊原定征会長は、「原子力はエネルギー安全保障、経済性のみならず、温暖化対策としても極めて重要なエネルギー」と指摘し、「他の原子力発電所についても、再稼働に向けて、関係者の努力が重ねられることを期待する」と、今後も再稼働が進むように求めた。
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