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国際的にも厳しいはずが…食品中の放射性物質、国と民間「二重基準」広がる
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120506/trd12050601210003-n1.htm
2012.5.6 01:18 産経新聞
食品中の放射性物質についての新基準値が施行されてから1カ月あまり。しかし、一部のスーパーや自治体などは「少しでもゼロに近く」という消費者のニーズに応じ、新基準値より厳しい数値を独自運用している。農林水産省は、国の基準を守るよう求める通知を出しているが、国の基準を満たしても取引を断られる生産者は“二重の基準”に苦しめられている。
■「極めて安全」
「いろいろな基準があると、消費者はどの水準が安全なのか分からなくなる。問題がない農水産物を生産者が出荷できないということにもなりかねない」
4月20日、スーパーや食品メーカー、外食産業など270団体に対し、食品検査を行う場合は新基準値に基づき判断するよう要望する通知を出した農水省の担当者は現状に懸念を示す。
通知の背景にあるのは、新基準値が国際的に見て極めて厳しいという点だ。
食品の国際規格を決めるコーデックス委員会やEU、米国の放射性セシウムの基準値は一般食品で1キロ当たり1000ベクレル台となっている。
実は年間被曝(ひばく)の許容上限はコーデックス、EUとも日本と同じ1ミリシーベルト。それでも日本の基準値が厳しいのは、全食品で放射能汚染している割合を、日本は50%と設定しているのに対し、コーデックスとEUは10%としていることが大きい。
日本より数値が厳しい国もある。チェルノブイリ原発事故で深刻な被害にあったウクライナはパンとパン製品が同20ベクレル、野菜は同40ベクレル。ただ年間被曝許容上限は1ミリシーベルトで日本と同じだ。
厚労省の担当者は「日本で放射能汚染された食品の実際の割合は極めて低い。一方、ウクライナは流通事情が悪く、地元の汚染された食品を本当に食べざるを得なかった。そういう意味でも日本は極めて安全に設定されている」とする。
■ゆらぐ「信頼性」
政府が「安全」と訴える新基準値。しかし多くの団体は農水省の通知に反発、自主規制を継続している。
スーパーなどの業界団体「日本チェーンストア協会」は「消費者のニーズに基づいて各社でやっていくというのが協会のスタンス」(小笠原荘一常務理事)と加盟各社の判断に任せる方針を表明。自主検査でわずかでも放射性セシウムが検出されると商品の販売を見合わせている大手スーパー「イオン」も、「検査体制はお客さまの声に向き合いながら作り上げてきたもので、今後も継続していく」とした。
政府が恐れているのは、国が安全とする数値より、厳しい独自基準を民間運用することで、国の基準の信頼性が揺らぐことだ。しかし、ある業界関係者は「そもそも国の基準値は信用されていない」と話し、消費者の不信は根深いとする。
■「もっとPRを」
こうした混乱で現場の生産者が大きな被害を受けていることは間違いない。
「国の基準を下回っていても、購入してもらえず収入が途絶えた農家もいる。国よりさらに厳しい基準が設けられているというのは正直かなりつらい」。そう明かすのは各地で出荷停止の相次いでいる原木シイタケの生産農家。茨城県の漁業関係者も「独自基準を設けられると卸先がなくなる恐れもある。国は100ベクレルで十分安全だともっとPRしてほしい」と訴える。
全国消費者団体連絡会の阿南久事務局長は「新基準値は国際的に見ても厳しいが、まだその情報共有がなされていないのが混乱の原因」と指摘。「新基準値はどういう意味を持つのか、国は消費者、生産者、業界団体などとコミュニケーションを深めていく必要がある」としている。
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