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17年前に亡くなったドイツの児童文学者ミヒャエル・エンデの短編連作「鏡のなかの鏡」(丘沢静也訳、岩波書店)は、読む者を不可思議な迷宮界へと誘い込む▼その中のひとつが、<黒い空のした、ひとの住めない国>の物語だ。そこは爆弾の炸裂(さくれつ)した漏斗(じょうご)形の穴、化石となった森、干上がった河床、延々と続く自動車の墓場がある砂漠のような国だ。真ん中には無人の都市がある▼この核戦争後を思わせる街に1人で立つ子どもの前に、「終わり(エンデ)」と名乗る魔術師が現れる。「いったいどこに住んでるの?」と尋ねるエンデに、子どもは「もうだれもどこにも住めないんだ」と答える。そして、2人は新しい世界を探しに地平線に向かって歩いて行く―▼さまざまな解釈が可能だろう。ただ、過酷な原発事故と、その収束への途上にある私たちには、この物語は鏡に映し出された未来の肖像画にも見えないか。万が一、福島第1原発で起こったことが、別の原発でも起きたら…▼<くり返すことができる/後悔をくり返すことができる/だがくり返すことはできない/人の命をくり返すことはできない>。谷川俊太郎さんの詩「くり返す」の一節だ▼もう原発事故を<くり返す>わけにはいかない。きょう、「こどもの日」。国内の原発がすべて停止する。立ち止まり、深呼吸をし、どこへ向かって歩むのか、思いをはせたい。2012・5・5
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/369990.html
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