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放射線被曝の簡単なリスク分析
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?n=127110
2012/05/02 18:50 オリーブの声
今回は、放射線被曝のリスクについて少し詳しく述べておきたい。
現在、日本政府が採用しているのはICRP(国際放射線防護委員会)であるが、その基になっているのは広島・長崎の原爆生存者の疫学研究である。理由は、原爆が投下されたのが1945年なのでその後長期間にわたり追跡調査した結果であるというのがその背景になっている。
放射能影響研究所が1950年に追跡を開始した寿命調査(LSS)集団を2003年まで追跡した結果、総固形がん死亡の過剰相対リスクは被曝放射線量に対して全線量域で直線の線量反応関係を示し、閾値は認められず、リスクが有意となる最低線量域は0−0.20Gyであったとしている。また、がん以外の疾患では、循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患でのリスクが増加したが、放射線との因果関係については更なる検討を要するとしている。
原爆被爆者の死亡率に関する研究、第14 報、1950−2003、がんおよび非がん 疾患の概要
http://bit.ly/AiRk1u
表1:10mSv全身被曝リスク(ゴフマンの場合)
http://www.olivenews.net/news_30/rimg/127110_ins1.jpg
ERRとは、相対リスク(ある健康影響について、性、年齢などを一致させた対照群と比較して被曝群のリスクが何倍になっているかを表すもので、相対リスクが1であれば、放射線被曝はリスクに影響を及ぼしていないということを意味する。)から1を引いたものである。つまり過剰分のリスクを示している。
この表にある「線形の場合」と「上に凸の場合」はまさに低線量被曝に関する論争の焦点となっていて、ICRPやBEIR-7では直線関係を、ゴフマン博士やブルラコーワ博士らは上に凸を主張している。
従って本紙は、後者を支持しているが、リスクモデルを算出する場合は併記するかたちをとっている。
表2は放影研のプレストンらによるリスクモデルである。
表2:10mSv全身被曝リスク(プレストン(2003) の場合)
http://www.olivenews.net/news_30/rimg/127110_ins2.jpg
ゴフマンとプレストンのリスクモデルを比較した場合、線形モデルでの算出に大きな差異が両者に無いことが分かる。ゴフマン博士の疫学が放影研モデルと異なるのは、単にリスク評価の基になる線量−反応関係が異なるだけであると理解できる。
ここで最も注視すべきことは、幼児や子どもそして思春期までのリスクがどちらにしても高いことにある。
現在、厚生労働省は幼児向け食品の規制値を下げたが、文部科学省は、子供向けの線量基準を20ミリから下げておらず、ICRPを含むこのリスクモデルに対する説明が必要である。
なおがん死数は、左にあるERRから算出されたものなので、単純にこのERRを比べれば、年齢毎のリスクが分かる。
このリスク評価は、広島・長崎の原爆生存者の疫学研究が基なので、自治体と議論する時にも使える。
本紙は、直線関係に内部被曝リスクはより高いと評価し、やはり低線量領域で、それが線量−反応関係を押し上げることから、上に凸となることを支持している。
以上
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