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『脱原発をめざす首長会議』が誕生した
2012年4月28日 16:41
『脱原発をめざす首長会議』設立総会。上原公子・元国立市長が事務局長に選出された。=28日、城南信金本店・品川区。写真:筆者撮影=
ひとたび事故が起きれば真っ先に被害を受けながら、権限らしきものはなく国の意向に逆らえないのが、原発を抱える地方自治体だ。ならば結束して政府に「原子力安全行政」「エネルギー政策の転換」を求めようと、全国の市町村長の有志たちがきょう、『脱原発をめざす首長会議』を設立した。
福島県南相馬市の桜井市長はじめ35人の市町村長(元職4人含む)が呼びかけ、全国35都道府県の69人が会員となった。ただ、原発立地自治体から参加したのは、東海村の村上達也村長だけだ。国からの補助金、電力会社からの寄付金に雁字搦め(がんじがらめ)にされている実態を反映している。
設立総会は脱原発宣言をした城南信用金庫本店(品川区)で開かれた。城南信金は電力会社に依存しがちな金融機関にあって、いち早く方向転換した。原発からの脱却を目指す人達が都市銀行から預金を移し替えている。
脱原発を掲げて選挙に当選した東京・世田谷区の保坂展人区長は次のように挨拶した――
「福島の事故では南相馬市に事故後情報が全くこなくて、櫻井市長が助けを求めた。それが示すように、いざという時の防災上の措置がまったく出来ておらず、今もその対策は出来ていない。にもかかわらず電力会社のいう数字に基づいての再稼働はおかしい」
「世田谷では、PPSはもちろんソーラー発電も進めている。また、今後は福島での自然エネルギーの電気の消費地としても、繋がっていきたい。自然エネルギーをすすめる、脱原発をすすめることが大事だ」。
佐藤栄佐久・前福島県知事。知事時代、原発の危険性を訴えプルサーマル計画に反対してきた。そのため政府の目障りとなり、収賄事件で逮捕、起訴されたとの見方がある。=写真:筆者撮影=
小泉政権下、郵政民営化やプルサーマル計画に反対していた佐藤栄佐久・前福島県知事は、収賄事件で逮捕、起訴され有罪判決を受けたが、その根拠はいまだにあいまいだ。『脱原発をめざす首長会議』の顧問に就任した佐藤前知事は次のように警告を発した―
「“必要だから安全だ”というのが日本の論理だった。大飯の動きを見てもこれが変わっていない」。
エネルギーのパラダイムシフトを図る『脱原発をめざす首長会議』は、以下の活動方針を決めた―
・新しい原発はつくらない
・出来るだけ早期に原発をゼロにする
(1)原発の実態を把握する(原価、核燃料サイクル、最終処分場)
(2)原発ゼロに至るまでのプログラムを明確にする
(3)地域での再生可能なエネルギーを推進する具体政策を作る
(4)世界との連携による情報を共有する
(5)子どもの避難や、安全な食品の提供などの支援をする
≪文・諏訪 京/田中龍作≫
◇
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