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今年のお茶は「安全」なのか?
http://ex-skf-jp.blogspot.jp/2012/04/blog-post_8944.html
Thursday, April 26, 2012 EX-SKF-JP
答は、「わかりません」。というのも、検査方法が変わってしまったので、比べようがないのです。
まず、新しい検査の方式を、埼玉県の狭山茶を例に取って見てみましょう。読売新聞2012年4月25日の記事によると、3段階にわたって詳細に検査する、とのこと:
栽培段階: 摘み取った生葉の検査。100ベクレルを超えれば加工段階には回さない。
加工段階: 全荒茶工場で1検体以上を抽出し、湯で煎じて飲用状態にして検査。抽出液が10ベクレルを超えれば工場がある市町村全体が出荷制限。
流通・販売段階: スーパーなどで抜き打ち検査、加工段階同様の抽出液の検査で10ベクレルを超えれば回収を求める。
注意してお読みください。つまり、去年の検査とは違って、お茶の葉自体を測るのは栽培段階の生葉のみ。後段階では、荒茶、製茶となった乾燥状態の葉を検査していた去年とは違い、お茶を淹れた抽出液のセシウム含有量を測るのです
数々の疑問が沸いてきます。
1. 生葉が荒茶、製茶になると、セシウムはどれだけ濃縮されるのか?
2. 荒茶、製茶自体に入っているセシウムと、抽出液に入っているセシウムの割合は?
埼玉県の狭山茶の昨年の検査は製茶のみでした。そこで、不ぞろいではあるものの、生葉、荒茶、製茶、抽出液すべての検査を去年行っていた、静岡県の例で考えて見ることにします。
まず、生葉が乾燥されて荒茶、製茶になると、セシウムはどれだけ濃縮されるのか。
二番茶の放射能測定結果(6月10日〜7月8日公表)に、生葉と荒茶の両方のデータが出ています。それを見ると、かなりばらつきがありますが、最低と最高を除外しても、生葉→荒茶でセシウムは2倍強から7倍強に濃縮されています。
狭山茶のセシウム濃縮の比率が静岡茶と同様だと仮定すると、生葉の段階でキロ100ベクレルあれば、それが荒茶、製茶になった時点でキロ200ベクレルから700ベクレルの放射性セシウムを含んでいる可能性があることになります。
次に、検査数は少ないのですが、製茶のベクレル数とその製茶を淹れた抽出液のベクレル数が出ている「自主検査に基づく追加調査(6月14日〜16日公表、6月28日〜29日公表、8月5日公表)」を見てみます。製茶の形態で、すべて今年3月までの暫定基準値キロ500ベクレルを超えていたお茶です:
製茶 飲用茶 (飲用茶/製茶)
614 5.8 (0.94%)
602 7.8 (1.30%)
604 7.8 (1.29%)
581 7.6 (1.31%)
654 7.3 (1.12%)
つまり、製茶の段階で旧暫定基準のキロ500ベクレルを超えるものでも、お茶として液体になると新基準キロ10ベクレルをらくらくクリアするのです。飲用茶/製茶の比率を見ると、製茶に含まれるセシウムのうち約1パーセントが湯に移行するようですので、飲用茶(抽出液)からキロ10ベクレル出たとすると製茶(おそらく荒茶も)にはキロ1000ベクレル以上入っている可能性があるわけです。生葉で100ベクレルははねる、と埼玉県は言っているので、荒茶、製茶の状態で1000ベクレルを超えるお茶はでないことと思いますが、1番茶と2番茶では濃縮度が違うのかも知れず、また、埼玉と静岡の土地の違いで濃縮度が違うのかも知れず、実際お茶になった時点でテストしないと分からないのですが、今年はテスト方式が異なる。
お茶に関しては、どうやら静岡知事の去年の言い分がそっくり通ったようですね。新基準と新基準のテスト方法は、お茶に関しては実質的基準緩和となりました。
お茶は淹れて飲むのだからかまわないじゃないか、とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。個人的には、キロ10ベクレルの抽出液が出るお茶の茶がら(99%のセシウムが残っている)を家庭ごみに捨てていいものか、迷うでしょう。また、淹れたからといってお茶の葉が完全に抽出液に入っていないか、といえばそんなことはなく、私が愛飲する粉茶は湯飲み茶碗の底に緑の粉茶が汚泥のように溜まります。また、日本製の茶の粉末エキスは健康サプリメントにも使われています。
新基準、新テスト方法をこれ幸いと、静岡、埼玉などは今年の検査では抽出液のベクレル数しか出すつもりは無いようです。もし自治体が「風評被害」とやらを防ぎたいのなら、消費者が昨年のデータと比較が出来るよう、荒茶、製茶のベクレル数も出すべきだと思います。静岡のように、知事が安全宣言を出して安全イベントをやった後で民間の業者の検査で暫定基準値超えが見つかるような失態は、昨年だけで十分ではないんでしょうか?
狭山茶の放射性物質、栽培から販売まで検査へ
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20120424-OYT1T01169.htm
昨年、埼玉県産の狭山茶の一部製茶から国の暫定規制値(1キロ・グラムあたり500ベクレル)を超す放射性セシウムが検出された問題で、県は24日、検査強化策を発表した。
昨年産は当初、茶商から提出されたサンプルを調べただけだったが、今年産は栽培、加工、流通・販売の各段階で綿密に検査し、抜き打ち検査も導入する。
県によると、今年産の検査は、栽培段階で県内352か所の茶園を対象に摘み取った生葉を調べた。国の一般食品の新規制値(同100ベクレル)を超えた場合は、加工工程には回さない。
加工段階では、県内全237の荒茶工場で1検体以上を抽出し、湯で煎じて飲用状態にして検査する。飲料水の新規制値(同10ベクレル)を超えると、工場がある市町村全体が政府から出荷制限を受ける。流通・販売段階では、スーパーなどで売られている製茶も抜き打ち検査し、同10ベクレル超の商品は回収を求めるという。
(2012年4月25日16時09分 読売新聞)
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