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日本の電気代はなぜ高い? 鉄鋼業と電力業(武田邦彦)
2012年04月26日 武田邦彦 http://takedanet.com/2012/04/post_7c27.html
日本の電気代はアメリカの2倍です。長い間、日本の国民は高い電気代に泣かされてきました。中小企業は安い電気を使う海外との競争に疲れ、日本の家庭ではすっかり「節電」が定着しています。
道徳としての節電が良いか悪いかは別にして、電力会社にお金を出すために高い電気代を設定し、国民が我慢するという構図を、原発事故を境に止めたいものです。
日本の電気代が高いはずはありません。具体的に、燃料費、発電所建設費、送電距離、送電変電効率、電力品質などを比較しても良いのですが、このように細かく計算するとほとんど必ず電力会社の計算値に多くの人がだまされます。
それより、「日本の鉄鋼は品質価格ともに世界一なのに、なぜ電気は劣等生なの?」という質問の方が的を得ています。
鉄と電気は最終製品こそ似ても似つかないものですが、生産方法はまるで同じです。石炭を焚いて、鉄鋼では溶鉱炉を、電気では発電機を動かし、それで鉄と電気という製品を作るわけです。
新日鉄やJFEという巨大な鉄鋼会社と、東電・関電という電力会社の規模はいずれも巨大ですし、やっていることは同じで、日本の鉄鋼は国際価格で、しかも品質は第一です。
おまけに電力には日本特有の有利なことがあります。日本は人工稠密で国土が良い状態で管理されているので、送電距離が短く、国民が電気の送電に協力しているので、電柱などを敷設する問題も少ないという特徴があります。
それに三菱重工の高効率発電機、パナソニックが開発した高性能ガイシ、それにSF6の高圧スイッチ、ケイ素鋼で作られた変電装置など日本の電力技術は世界最高峰でもあります。
ダメなのは、地域独占、政商と化した電力のビジネスモデルにあります。まさにかつての日本の農業をダメにしたコメ政策を思い出します。まずは、発送電分離でもなんでも良いので、電力の独占から競争環境にすることでしょう。
電力会社にお勤めの皆さん。多くの方は若い頃、もうけより日本の電気のことを考えて就職されたと思います。2011年の原発事故は東電ばかりではなく、すべての電力会社の責任でもありますから、ここで初心に返り、外国に負けないコストで電気を作るべく頑張ってもらいたいと思います。
石炭、天然ガスで十分に現在の電気代の半分になります。事業の独占とはそれぐらい恐ろしいものなのです(西ドイツと東ドイツが統合したとき、西ドイツの人は東ドイツの工業製品が20年以上も遅れていたのにびっくりしました。同じ民族でも競争のないときにはそうなります)。
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