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毎日新聞 4月22日(日)13時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120422-00000011-mai-soci
東京電力福島第1原発事故に伴う警戒区域が1日に解除された福島県川内村で22日、村長選が投開票される。日中は自由に出入りできるようになって3週間たつが、村民約3000人のうち帰村したのは約500人だけ。選挙戦は帰村の是非が争点となったが現状では、医療機関や買い物などのライフラインに事欠き「生活が成り立たない」と二の足を踏む住民が少なくない。
村で建設会社を営んでいた吉田和浩さん(48)に帰村をためらわせるのは苦い記憶だ。「今、息を引き取ったよ」。昨年11月、避難先の郡山市の総合病院。胃がんで危篤に陥った父(当時74歳)の病室に向かうエレベーターの前で、付き添いの母(72)から携帯電話に連絡が入った。あと数分早ければ……。
父の死と前後して、母が狭心症と診断された。病院までどれだけかかるか。震災前は車で20〜30分だった隣の大熊町の県立病院は、警戒区域なので立ち入れない。今もし村に戻れば、最も近い小野町の総合病院まで約1時間。古里に「戻りたい」と訴える母と、吉田さんら息子3人で今年1月、家族会議を開いたが「お母さんが戻るのは難しい」と結論を出した。
一家の自宅は、ミズバショウが見ごろを迎えた村東部の貝ノ坂地区にある。山間部の8世帯が暮らす小さな集落で茶色い土の棚田が周囲に広がる。原発事故の影響で田植えはできない。原発から20キロの警戒区域だったが4月1日の再編で、日中は立ち入り自由な居住制限区域に再編された。
その自宅に吉田さんは時々戻り、畜産農家だった父が残した羊やヤギ28頭の世話をする。だが、村長候補のマイクが響くことはない。
「村は雇用や医療などあらゆる世代のニーズに応えなければいけない。村長選は新しい村を作るチャンスだ」と吉田さんは話す。
水道・ガス設備業を営む猪狩春子さん(75)は村に戻って事業を再開した。同じく戻った住民から「便器が割れた」「蛇口が壊れた」などの注文も入る。しかし「本当に事故や放射能の危険はないのか」と不安もよぎる。
村長選は、1月に「戻ることができる人から戻ろう」と呼びかけた現職、「帰村は早すぎる」と主張する新人、帰村に反対して「村の移転」を掲げる新人の3人が争った。多くの村民が身を寄せる郡山市などの仮設住宅や、帰村した人の自宅前に立ち止まって訴えた。猪狩さんの選択基準は、村民の健康管理にどう取り組むかだ。「選挙を契機に安心して暮らせる村作りが進んでほしい」と話した。【深津誠】
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最終更新:4月22日(日)13時55分
毎日新聞
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