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2012年4月21日 07時07分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012042190070733.html
原発の再稼働をめぐり、政府が設置の先送りを認めてしまったベントフィルター。格納容器の圧力を下げるために汚染された蒸気を外部放出する必要に迫られたとき、周辺住民への放射能汚染を最小限にとどめるための重要な装備だ。実は二十年ほど前にも導入に向けた機運が高まったが、安全神話がまかり通る中、いつしかしぼんでいった。(福田真悟)
設置への機運が高まったきっかけは、一九八六年に旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故。放射性物質を閉じこめる格納容器がなかったこともあり、世界各地を汚染した最悪レベルの事故だ。
事故を受け、欧州ではベントフィルターの設置が急速に進み、特にフランスは事故の三年後には各原発への設置を完了した。
こうした動きに触発され、遅ればせながら日本でも原発を所管する通商産業省(現経済産業省)が重大事故を想定した事故対策チームを発足させ、原子力安全委員会が中心となって研究を急いだ。
注目された対策の一つがベントフィルターだった。放射性物質の放出を最小限に抑え、安全に格納容器の圧力が下げられれば、注水が容易になり事故の拡大も防げる−。対策チーム内で導入に向けた機運が高まった。
ただ、研究を進めると、米英両国は費用対効果を重視し、格納容器の容量が大きい加圧水型(PWR)の原発ではベント用配管は付けなくてもいい対応になっているなど、国によって対応が異なることが判明。配管を取り付けるには格納容器に穴を開ける必要があり、容器の密閉性との兼ね合いも議論になった。
結局、九二年に安全委がまとめた報告書では、ベントフィルターを「有効な対策になり得る」としながら、PWRへの設置は「総合的に検討するべきだ」と中間的な見解を記すにとどまった。
報告書を基に通産省が電力各社に対策づくりを求めたところ、九四年に各社から出てきた計画からはベントフィルターの話は消え、通産省と安全委も各社の計画を了承した。
これで導入話は立ち消えになったが、ベントを迫られた東京電力福島第一原発事故で再び脚光を浴びた。
二十年前の議論に参加した宮崎慶次大阪大名誉教授(原子炉工学)は「当時は費用対効果も踏まえ、PWRは注水手段を多様化すれば足りるとの意見でまとまった。対策のさらなる多様化という意味で(ベントフィルターは)いいと思う」と話した。
経産省原子力安全・保安院幹部は「われわれがぼけっとしていたということ。本当に申し訳ない」。しきりに悔やむが、フィルター設置の先送りを認めたのも、また保安院だ。
(東京新聞)
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