http://www.asyura2.com/12/genpatu23/msg/105.html
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第2弾「原発について徹底討論」東工大澤田氏&京大小出氏・たねまきJ4/18(内容書き出し)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1785.html
2012-04-19(11:37) みんな楽しくHappyがいい♪
・原発再稼働の是非について
・ストレステストの評価
・宇宙の始まりは放射能の海だった
・自然エネルギーもどんどん増やす
・原子力に替わるエネルギー
・福島原発事故から学ぶことは?
・女川・福島第二は事故にならなかった
・警戒区域解除の帰宅
・放射線量、危険なレベルの考え方
・「住めない地域がある」という言葉は被災者を傷つけるか
今夜は前回の放送で好評を博した、
「原発推進派」の東京工業大学助教の澤田哲生さんと
「反原発派」の京都大学助教の小出裕章さんによる討論の第2弾を放送します。
シリーズ 知られざる内幕
原発について徹底討論 2012年4月18日
20120418 [1/2]たね蒔き「原発再稼動すべきか?反原発派vs推進派の討論」
http://www.youtube.com/watch?v=s8ZI2r622VI&feature=player_embedded
20120418 [2/2]たね蒔き「原発再稼動すべきか?反原発派vs推進派の討論」
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=XBaHDEFH6JM
水野:
原発について全く違う考え方をしているお二人の学者に討論をしていただくという企画第二弾です。
澤田さんは今イタリアだそうで、今昼間ですか?
澤田:ちょうど1時ですね。まだこれからお昼を食べようかなという感じのところですね。
原発再稼働の是非について
水野:
今日はイタリアから、また東京の近藤さんという事でものすごい中継で送りしたいと思います。
まず、今のニュースの一番の焦点かと思います、
原発の再稼働に付いてこの是非をどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか
一言ずつ伺いたいのですが、小出さんはいかがですか?
小出:いけません。
水野:再稼働はやってはいけない。理由は何でしょう?
小出:
原子力などに手を染めたのが間違いなのであって、
もうすぐ日本では原子力発電がすべて止まる日を迎えます。
それを本当に大切なものとして、原子力に頼らない世界に踏み出す、一番いい機会だと思います。
水野:それでは澤田さんはこの再稼働についてはどのようにお考えですか?
澤田:そうですね、もちろん私は再稼働はすべきだと、機会言っております。
水野:それはどうしてでしょうか?
澤田:
そうですね、いくつか理由があるんですけれども、
まずは特に今問題になっている大飯の発電所ですね、
こちらに関してはすでにいろんな緊急措置もしておりますし、
いわゆるストレステストの結果も出ていますよね。
水野:1次ですよね?
ストレステストの評価
澤田:
1次評価ですね、これは去年の4月6日に菅総理が言いだした話ですけれども、
1次評価っていうのは点検に入った原発の再稼働をするかどうか、政治的な判断をするための一つの材料として、
関係業者にテスト結果を出すという事にしていたと思いますので、
その結果を決められた手続きに従って、評価して、しかるべき結果であるという判断が出来るならば、
再稼働に結び付けていくべきだとそういうふうに考えています。
水野:それはつまり、安全だから再稼働しても大丈夫だという意味で捉えたらいいんですか?
澤田:
詳しく言いますと、皆さんご存じだと思いますけれども、
1次評価っていうのは総合的な安全の評価じゃないんですね。
ただし、緊急的な措置をいろいろとしておりますので、
その事によって、たとえば津波あるいは地震、その他の事象が起こった時に、
どれ位の耐性上の余裕の幅が広がったかという、こういう評価が出ている筈なんですよね。
ですから、以前よりもさらに余裕が大きくなったという結果が出ていますので、
その事自体は、ま、なんて言うんですかね、正当の評価されるべきです。
水野:小出さんはこの澤田さんの「再稼働あるべきだというこの論拠」についてどのようにお考えになりますか?
小出:
すみませんが私は澤田さんに全く同意できないのです。
もともと原子力の安全性というのは、さまざまな想定した事柄に対して、
技術的に考えながらこれが安全だ、やっぱり駄目だからもう少し何とかしようと言ってやってきたんですね。
国も様々な安全基準を作ってやってきたわけですけれども、
それが覆ってしまったという事が、
残念ながら福島第一原子力発電所の事故で示されているのです。
ストレステストというのも従来の考え方でやっている訳で、
少し厳しく考えたらどうなのか、という事だけなのです。
要するに想定された事柄に対して、どこまで安全か、どこまで耐えられるかということなのであって、
そのような考え方が間違えてしまっていたという事こそ学ばなければならないのです。
ですからもっと、これから原子力をやるというのであれば、
根本的なところに立ち返らなければいけない筈なのですが、
何でもかんでもとにかく運転再開をやりたいという政治判断で、今回の選択が取られようとしています。
水野:リスナーから澤田さんに質問です。
澤田さんがそこまで原発を推進するべきだとおっしゃる本当の理由をお願いしたいんです。
日本は資源がないから原発がいるんでしょうか?
まさか国防のために核抑止力ということでいるんでしょうか?
原発がなくても電気は足りるんじゃないですか?
というふうに、本当の理由はどこですか?とうかがっていらっしゃいます。
宇宙の始まりは放射能の海だった
澤田:
核抑止力の問題とかはちょっと関係ないとかですね、
その辺の話しもすればいろいろと長い話になるんですけれども、
私はですね、原子力エネルギーというのは特別なエネルギー源では、ある意味ないと考えているんですね。
水野:特別なエネルギー源ではない。
澤田:
はい。
放射能を恐れる、怖がるっていう話もありますけれども、
要するに宇宙には放射線が満ちていると、
宇宙の始まりっていうのはまさに放射線の海だった訳ですよね。
ま、その中から物質というものが出てきて、
一つのその、宇宙の、メカニズムというものと言いましょうか、働きの結果、
ま、ウランとプルトニウムという物質が出来たのですね。
それがまあ、たまたま、人類の、この地球の上でウランが発見されて、
それをまあ、1940年代に核分裂という現象が発見されてそれを、ま、利用している訳ですよね。
戦争利用と平和利用とがあるわけですけれども、
上手く使えば平和のエネルギー源として使えると、
で、このエネルギー源というものはですね、自然の成り立ちそのものだと考えていますので、
そういう観点でうまく使ってやればいいというふうに私は考えています。
水野:は・・・あの、このお考えに小出さんはいかがですか?
小出:
残念ながらこれも澤田さんと私は正反対なのです。
今澤田さんがおっしゃったように、宇宙には放射線が充満していますし、
地球というこの星が出来た時には様々な放射性物質がありました。
ただその時には、生き物は生きられなかったのです。
地球が火の玉からだんだん冷えていって、海が出来て、大気が出来て、
宇宙からの放射線が遮られるようになって、
地球上に膨大にあった放射性物質がどんどん寿命を持っていたために減っていってくれて、
ようやく命がこの地球上に根付けるようになったのです。
ですから放射線というものはもともと危険なものなのであって、
それを人為的に生み出すというような事は、
本来ならばやるべきではないと私は思います。
水野:澤田さんはいかがですか?今の小出さんの話に対して。
澤田:
そうですね、ま、なんていいましょうか、この話をするとなかなか、こう、堂々巡りになると思うんですけれども、
私はまあ、繰り返しになりますけれども、核分裂エネルギーですね、これが特に問題視されている。
あるいはそれ、それに伴う、核原子核というものが変化する事によって、放射線のようなものが出てくる訳ですよね。
だからそれが私は自然そのものだと、思っているってか、認識している訳ですね。
水野:
ご本に澤田さんが書いていらっしゃいますけれども、
「原発か自然エネルギーか?」っていう議論はちょっとおかしいと。
「原発も自然である」という、そういうお考えだという事ですか?
自然エネルギーもどんどん増やす
澤田:
ええ、私は自然エネルギーも、そっちへ話が移ればですね、どんどん増やすべきだ思っているんですよ。
ところが、やっぱり自然エネルギーだけですべてを賄えるか?っていうと、
おそらくその、遠い将来っていうか、近い将来かもしれないですね、
30年後ぐらいにもしかしたらそういう世界が来るかもしれないですけれども、
今から見て10年ごとかそれくらいのレンジでですね、原発が担っていた2割3割の特に電気ですね、
これを自然エネルギーで代替するのは私は間に合わないと、難しいんじゃないかと思うんですね。
私は、自然エネルギーも増やせばいいですし、原子力発電所もうまく使っていく
そういう選択肢を取るべきじゃないかと、いつも言っております。
水野:小出さんいかがですか?
小出:
w面白いというか・・・これも私は澤田さんと反対です。
わたしは、自然エネルギー自身にもリスクが伴うので、
自然エネルギーをやみくもに増やすべきではないと思っています。
そして今現在で言えば、原子力は即刻廃絶したとしても、
10年、20年、30年という長さで言えば、化石燃料で十分やれると思っています。
ただ、その10年20年30年を化石燃料で頼っていると、
また、やはり化石燃料による環境への破壊が進みますので、
出来るだけ早く自然エネルギーに移行するべきだと、私は思います。
原子力に替わるエネルギー
水野:
高校2年生の男の子から
「将来社会科の先生になるのが夢です」という男性で初めてメールをしてくれたんですが、
お二人に質問で、
原発を無くすとどのようなエネルギーでこれからの日本はやっていくんですか?
っていう事で言うと、小出先生は今のお答えになりますよね。
小出:
はい、今現在日本の電気というものは、
火力水力原子力というもので賄っているわけですが、
原子力を今即刻全部やめたとしても、日本の電気が不足する事はないのです。
火力と水力で十分にやれるだけのものがあります。
ただしこれからも、どんどん、どんどんエネルギーを沢山使いたい、電気を沢山使いたいと言えば、いつか破綻します。
ですからなるべくエネルギーを使わないで済む社会をつくらなければいけませんし、
化石燃料になるべく依存しないように自然エネルギーに移行していくという事を、一刻も早く取り組むべきだと思います。
水野:澤田さんのお答えはどうなりますか?
澤田:そうですね、自然エネルギーをどうやって運用していくか、いずれにしても時間がかかると思うんですね。
水野:つまり、あの、今すぐ原発をもし、止めてしまったならば、
澤田:その分は化石エネルギーにいくしかないですね
水野:それでやっていけるんですか?
澤田:
今、実際殆ど日本の原子力発電所は止まっていて、泊の1基しか動いていませんので、
日本の電気、要するに原発が止まっている分の代替は化石火力にいっているわけですよね。
これに問題があってですね、
一つはその、日本はその化石燃料っていうのは日本で産出できないので、外国から買っている訳ですよね。
そうすると大体ですね、原発を止めた分で、化石燃料を調達するお金が、
年間2兆円から3兆円かかるといわれています。
そのお金が流出していくという事ですね、ひとつは。
それから化石燃料も世界のマーケットで市場がありますので、
インドとか中国はよく言われるように、いろんなエネルギー、化石燃料もそうですし、買い占めているのですよね。
で、化石燃料の世界市場というのはひっ迫しています。
日本は比較的お金持ちですから、多少高くても買えると、
化石燃料の市場が日本から出ていくと、
要するに高いお金を出さないと買えなくなるような弱い、経済的に弱い国が出てきてしまう訳ですよね。
それで困っている部分もありますので、
ま、日本は出来るだけ原発を動かしてですね、
そういう世界の市場に迷惑をかけないようにするべきじゃないかと私は思っております。
水野:近藤さ〜ん、今までお聞きになっていていかがですか?
近藤:
とりあえず大飯原発を何故かくも急がなければいけないのか?っていうそこのところが、
う〜ん、ま、ようするによく言うけど、福島の事故そのものの検証も終わっていないわけで、
それで安全性に懸念がある以上、再稼働するという事になると、それをなんて言うんですか、
100倍も200倍も上回る必要性がいるんじゃないかと思うんですけど、
そういう点でどうなんですかね?
水野:澤田さんいかがですか?福島の事から学ぶことはないんですか?
福島原発事故から学ぶことは?
女川・福島第二は事故にならなかった
澤田:
まずですね、福島はもちろん重要なんですけれども、私が良く言っているのはですね、
津波が襲ったのは東日本一帯で、北から南まで相当長い海岸線に沿って起こっているわけですよね。
で、その女川発電所、これは安全に止まっているということなんですよね。
それは一重に言うと津波対策がしっかりしていたと、
それから福島に関しても第二、これは色々ありましたけれども、結局安全に止まっていると。
それから第一発電所もですね6号機、これはディーゼル発電機、空冷式のを使っていてですね、
それを、ま、ちょっと高いところに置いていたと、
それが助かったために5号機と6号機は定検中ではありましたけれども、4号機のような事にはなっていない訳ですね。
こういう、実際にストレステストを、ま、あの地域も受けている訳ですけれども、
子細に見るとそういう違いがあると、
それが今後どうするべきかという事の、一つの、そこにこう答えというのが透けて見えてくると思うんですよ。
そういう事も考える。
それから、その大飯が急いでいるとおっしゃいますけれども、
これは実際ストレステストは去年の夏ごろから面々と準備をやっていて、
10月ごろだと思うんですけれども、一つの回答と言いましょうか、答えを出して、それから評価をしているわけですね。
結構時間をかけていると思うんですけれども、
そのプロセスに関していろんな事を言われているのは、これは事実ですけれども、
だからそのやるべきことを十分に時間をかけてやっていると、そういうふうに私は思っていますけれど。
近藤:
あの、小出先生、
津波が原因じゃなくて地震だっていう説がありますよね、福島で。
小出:はい、あります
近藤:つまり、電気の機器が壊れたりじゃないか?っていう事でしょ?地震で。
小出:そうです。
近藤:そうすると、今の澤田さんの意見っていうのはあくまでも津波説ですよね。
小出:
はい、でも、ま、地震ではたいして壊れなかったと澤田さんはおっしゃっているわけですね。
女川も福島第二も。
水野:そこんところは実際はどうなんでしょうか?
澤田:それいいですか、
水野:ちょっと小出先生のお話しを今度聞かせて下さい。
小出:
女川も福島第二も少なくても福島第一のような事故にはならなかったのですね。
でも私は大変偶然だったと思っていまして、
女川の場合には外部の送電線から電力をもらう系統が1系統だけたまたま生き残っていたのです。
福島の場合には外部の送電線の鉄塔が全部倒れてしまって、
外部からの電気が得られなくなったという事があるのですけれども、
かなり偶然だったろうと思います。
で、今澤田さんがおっしゃった福島第一の5号機6号機に関しても、
空冷式の非常用発電機がたまたま生き延びたということだったのですけれども、
本当に偶然で、悲惨な事故になる場合もあるし、ならない場合もあったという事だと私は思います。
で、そういう事をなるべくこれから起きないようにしようと言ってストレステストというものをやったわけですけれども、
それも考えられるような事に関してやっているだけのことであって、
偶然が支配するような事に関してはほとんど無力だと思いますし、
ストレステストを合格したからと言って、安全になるわけではないのです。
その事をみなさんちゃんと理解したうえで、
「危険を含めてなおかつこんなものをやる必要があるのかどうなのか」という事を考えて欲しいと思います。
ーCM−
警戒区域解除の帰宅
水野:
お二人に聞いていただきたいリスナーからのメールがあります。
この方は「南相馬市の警戒区域を解除された地域にボランティア活動にいく事に付いてちょっと相談したいんです」と
今までも何回か災害ボランティアをしていて、
今回警戒区域が解除された事で、
帰宅される住民のみなさんのところでボランティアを求めているようですから、行こうと思うんですが、
小出さんは、「警戒区域の帰宅というのは出来るだけ避けるべきだ」というご意見なのでしょうか?
ただ、僕は「帰りたい人がいたらそれを助けてあげるのもいいかな」と思っているんです。
このあたりどうでしょう?っておっしゃっているんです。
まず小出さんからお願いします。
小出:
皆さんどなたもそうだと思いますけれども、
ご自分が住んできた家、町、地域というのがあるんですね。
で・・・・・そこに戻りたいと思うのは・・みんな同じだと思います。
ですから・・・今現在南相馬にしても、川俣町にしても、放射能で汚れてはいるんですけれども、
そこでずーーーっと生活してきた方がたが「そこに戻りたい」という思いは、
もちろんそうだろうと私は思うし、・・・・・・それを尊重したいと思います。
ただしそこは放射能で汚れているのです。
そして日本というこの国は、普通の人々は
1年間に1ミリシーベルト以上の被ばくをしてはいけないし、させないという事を法律にしてきた国だったのです。
でも、それをもし守ろうとするなら、やっぱり帰ってはいけないのです。
特に私は、こども達には帰って欲しくないと思います。
そこに長い事住んでいて、思い入れの強いお年寄りとかですね、どうしても帰りたいと思うのは
そうだろうなと思うけれども、
子どもたちをそこにまた帰すという事に関しては私は反対です。
そしてボランティアにいって下さるという方の気持ちはありがたいと思いますけれども、
その方々も、もちろんそこに行けば被ばくをしてしまう訳ですし、
私のように被ばくをするという事を職業にしている人間と違うのですから、
もしボランティアに行く、そういうところに行くというのであれば、
ちゃんとした被ばくの管理というものがなされない限りはいくべきではないと思います。
水野:澤田さんはこうした福島第一原発の周辺地域の放射線についてはどんなふうにお考えですか?
澤田:
そうですね、
今の話、ボランティアにいらっしゃるという事でいろいろと気になると思うんですよね。
これ一つ私の体験で申しますとね、
福島原発事故が起こってから南相馬、それから飯館村方向ですね、
ここにこの1年で10回以上行きました。
それは会議があったり、ボランティアをしたりしているんですけど、
ボランティアは除染のボランティアを、南相馬のですね、最も飯館村に近い峠、八木沢峠というのがあるんですが、
そちらの農家ですね、ここで、何度か行ってやっております。
それで、そこの農家はまだずーっと事故後そこに住んでおられてるんですよね、
これはわずかなんですけれども警戒地域よりも場所が、計画的避難の外側にあるというところでして、
まあ、その線量の事はなかなか一言では言えないんですけれども、
つまりその、まだら模様になって、
線量が高いところ低いところっていうのがまだら模様になっていますので一概に言えないんですけれども、
ただ、えっと、その今申し上げた私が実際に、えー、除染のボランティアに行ったところは、
ま、そのすぐ近くの人は避難している訳なんですけれども、
そことそんなに線量が違うわけじゃないんですよね、
ただその何10キロ、30キロですか?線引きで、えー、要するにそういう指定がなされていなかったという事なんです。
水野:
あの、たしかね、私も澤田さんのご本を読ませていただいた中にね、
「福島第一原発の周辺にはもう住めないんだと、
そこには放射能の墓場をつくるしかないんだというような言葉というのは、
今避難されている方々を傷つけてしまうんだと」いうふうにお書きだと思うんですよね。
澤田:
そこにあると思いますし、やはりそのかなり長い時期にわたってですね、
やはりその人が住むには適しない程汚染が進んでいるところがあるのも事実なんですね。
ただ、おそらく先程のリスナーの方がおっしゃった地域っていうのは、
そこまでその汚染のレベル、ミリシーベルトレベルは高くない所の筈なんですね。
放射線量、危険なレベルの考え方
水野:
でも、「そこまで高くない」っていうのが私ら素人にはよく分からんのですよ。
他のリスナーの方についてもですね、
どれだけだったら危ないんですか?教えて下さいよっていう方もいらっしゃって、
そのあたり澤田さんはどう考えていらっしゃるんですか?
澤田:
先ほど小出さんがおっしゃった1ミリシーベルト。
これはまあ、法律的な一つの目標値。
つまりそれ以上出来るだけ浴びないようにしましょうという目標値としてあったわけですよね。
水野:はぁ・・・
澤田;
これは多分色々な情報があるので、整理するのは難しいのかもしれないのですけれど、
国際的な機関、IAEAとか、そういうところの勧告的なお勧めとして出ているのは、
事故が起こった後の回復期って言えばいいんですかね、その時の
その時期に於いてはたとえば5ミリシ−ベルトとかですね、20ミリシーベルト。
ま、「それだけ浴びても健康に大きな影響はない、でしょう」という勧告が出ている訳ですね。
だからそこ、そこはですね、
ですからいろんな情報が出ていて、結局その、
たとえば今のボランティアの人もそうですし、
そこに住んでいる人、あるいはこれから帰宅される人もそうなんですけれども、
あとはその情報を、そういう情報を、客観的な情報を、聞いてというか、
我々とかいろんな方が提供しなければいけないんですけれども、
そのうえで、言わばまァ、秤にかけて、
最後はご自身で決めるしかない所が今のところあると思いますけれどね。
水野:はぁ〜・・・
澤田:はい。
水野:私達が決めるんですか?
澤田:はい。
水野:はぁ〜・・・
澤田:
それはもちろんたとえば年間1ミリ超えるようで嫌だったら、小出先生さんがおっしゃるように、
別にその、なんて言うんですかね「戻らなければいい」という言い方も何か投げやりで嫌なんですけれども、
そういう選択肢もあるわけですよね。
それによるいろんな心の問題とかですね、経済的な問題、これはもちろんありますけれども、
そういう状況かと思います。
「住めない地域がある」という言葉は被災者を傷つけるか
水野:
小出さん、いま、どうお考えですかね、
その、うーん・・
「周辺はもう住めないんだという言葉が被災されている方を傷つける」という澤田さんの考え方でいらっしゃいますが、小出さんはどう考えられますか?
小出:
実際にはもう住めない場所はいっぱいあるのです。
で・・・今私たちが向き合っている放射能の問題で一番重要なのは、セシウム137という放射能なんですが、
それが半分に減るまで30年かかるのです。
30年経ったら、多分私はもう生きてはいないです。
ある地域に住んでいた人達、そこを故郷と感じているような人たちが、
30年間そこに戻れないのであれば故郷自身がもうありません。
ですから、そういう事で故郷を失うという事はもう、残念ながらあるのです。
ですからまずはそこのところをはっきりと国が言わなければいけないし、
そういう人たちに何か、帰れるかのような幻想を与えるような事はしてはいけない。
もっと、その、帰れないから、この次の人生を歩み出せるように、国がやらなければいけないと思います。
そしてこの日本という国は、
原子力発電所というのは絶対に事故なんて起こさないのだし、
1年間に1ミリシーベルト以上の被ばくはさせないと言っていた国なんです。
それが、事故が起きてしまったわけで、
今度は異常事態だから国際的なICRPなんかが言っているように、
異常事態の時な20ミリシーベルト、100ミリシーベルトまで我慢しろというような事を、
国家として言うという事は大変無責任だと私は思います。
ですから、国家としてこれまで、年間1ミリシーベルト以上の被ばくはさせないと言ってきたのであれば、
1ミリシーベルト以上の被ばくを強制せざるを得ない人たちが、もし逃げたいというなら、
それを助けるのが国家の責任だと思います。
水野:時間がきてしまいました、また改めてお二人には是非お話しをお伺いしたいと思います。
前回の放送はこちら↓
「にっぽんの原発どうする?東西の専門家が本音で生トーク」
東工大澤田氏&京大小出氏・たねまきJ3/7(内容書き出し)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1592.html
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