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猛毒ヒドラジン福島原発から漏出
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2012/4/16 日刊ゲンダイ ：「日々担々」資料ブログ
空中爆発し､海の藻くずとなった北朝鮮の弾道ミサイル｡大マスコミは｢燃料に猛毒物質ヒドラジンが使われている可能性がある｣｢漏れ出したら､黄海が汚染されて魚類が大量死する｣と大騒ぎしているが､ちょっと待ってほしい｡日本への影響もよく分からないミサイルからの流出より､真っ先に報じるべきことがある｡
実は､この｢ヒドラジン｣なる有毒物質､収束作業中の福島第1原発で大量に使われているのだ｡しかも､とっくに漏れ出しているのである｡
｢東京電力は､原子炉などの金属が注水作業によって腐食するのを防ぐため､ヒドラジンを防腐剤として大量に使用しています｡1月時点で73トン､ざっと500ミリリットルのペットボトル14万6000本分に上りますが､東電は北朝鮮のミサイルが発射される前日(12日)､ヒドラジンを含む水溶液が4号機の配管から漏出していたことを会見で明らかにしました｡20C.C.と量は少ないが､ミサイル騒動のドサクサ紛れだ､との声も上がっています｣(環境ジャーナリスト)
◆旧ソ連では91人死亡
このヒドラジン､どれほどヤバいかというと､1960年､旧ソ連のミサイル発射実験が失敗してヒドラジンの有毒ガスが発生｡少なくとも91人が死亡する大惨事となった｡発がん性物質でもあるヒドラジンは､日本でも水質汚濁防止法で規制がかけられている｡化学兵器に詳しい神奈川大学の常石敬一教授が言う｡
｢ヒドラジンは皮膚に触れると炎症を起こし､ガスを吸い込むと気道がただれる毒性の強い化学物質です｡もちろん､飲むなんて論外｡今回は流出量が少なかったため､福島原発から出る放射能の危険性とは比較になりませんが､それでも周辺地域や海域は注意が必要です｣
もっとも､漏れ出た量が本当に20C.C.なのかどうかも怪しい｡福島原発では頻繁に汚染水が海にダダ漏れしているが､その中にヒドラジンが含まれている可能性だって否定できない｡大マスコミはミサイルより､こっちの方こそ問題視すべきだ｡
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