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【こちら特報部】「野田政権 再稼働に加え原発輸出にも前のめり」 2012/4/15(東京新聞)
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11223886719.html
2012/4/15 東京新聞 こちら特報部 :平和ボケの産物の大友涼介です。
野田政権は、原発の再稼働だけでなく、海外輸出も前のめりだ。核保有国で核拡散防止条約(NPT)に未加盟のインドとも原発輸出に向けた原子力協定(※注1)の締結を急ごうとしている。現地では、福島第一原発事故後、反対運動も激しくなっている。専門家らは「問題の多いインドとの協定は結ぶべきではない」と指摘する。(上田千秋記者)
■NPT未加盟 インドにまで
インド南部タミルナド州沿岸部に位置するクダンクラム原発。ロシアの支援を受けて二〇〇一年に着工した。本来なら昨年十二月、二基あるうち一基の本格運転が始まっているはずだった。
「福島の事故で住民の意識が根本から変わり、昨年七月の試運転後に反対運動がいっそう激しくなった。政府は早ければ五月にも稼働に踏み切るといわれているが、現在は操業できないままでりう」。現地を訪れた岐阜女子大南アジア研究センターの福永正明センター長補佐(南アジア社会・経済)は説明する。
福永氏が原発近くの村を訪れた時は、日除けのための屋根を付けた広場に二百人ほどの住民が集まっていた。運動の中心になっている市民団体のメンバーが、入れ替わり訪れる住民に原発の仕組みや危険性について丁寧に説明。チェルノブイリや福島の写真、食物連鎖によって放射性物質が体内に取り込まれる流れが分かるチャートなども掲示されていた。
情報がほとんど公開されないなど問題は多々ある。住民が反対する一番の理由は地震や津波による事故の危険性だ。〇四年のスマトラ沖地震。原発こそ無事だったものの、周辺は津波で軒並み甚大な被害を受けた。村全体が崩壊し、別の場所へ集団移転を余儀なくされた人たちもいる。
■福島の映像で一変
福永氏は「これまで反対運動はあっても、ニューデリーから来た役人が『安全だ』と語るのを何となく信じていた。それがテレビで福島の映像を見て、自分の家の近くにあるものは何なのか、事故が起きればどんな事態を招くのかを正確に理解した」と話す。
原発周辺の住民には、日本と同じように”アメ”が用意された。優先的に雇用する、水道を敷設して安く提供する、福祉施設を建設する・・・。だが、住民の反対運動は熱を帯びる一方で、数千人規模のハンストが行われたり、定期的に開かれるデモには数万人が参加するという。今年三月には、禁止区域でデモ行進したなどとして、五百人以上が逮捕された。
「何度も質問されたのは、『福島の人たちはどうやって暮らしているのか』『これからどうなるのか』ということ。思いやりの気持ちに加えて、いつ自分の身に降りかかってもおかしくないと分かったんだろう」
■経済優先の欧米 次々原子力協定
世界二位の十二億人余の人口を抱えるインドはここ数年、8%前後の経済成長率を記録。今世紀半ばには国民総生産(GNP)で日本を抜き、米国、中国と並ぶ経済大国になるとの見方もある。ただ、石油資源などに乏しいためエネルギー事情は極めて悪い。国民の四割は電気のない生活を強いられているとされ、都市部でも頻繁に停電が起こる。
政府にとって、電力の安定供給は最重要課題だ。現在二十基の原発を抱えているが、三十年頃までにさらに二十五から三十基を新設し、現在は3%にとどまっている電力全体の中でのシェアを9%にまで増やす計画を持っている。そのためには外国企業の技術力が不可欠で、すでに米国やフランス、ロシアなどと原子力協定を結んでいる。
■自民は距離置いた
日本が協定の交渉を始めたのは一〇年六月。自民党政権時代は、NPT未加盟であることなどから距離を置いてきたが、民主党政権になって、原発を含むインフラ輸出を官民一体の成長戦略と捉えて動き出した。昨年末にインドを訪問した野田佳彦首相は、シン首相と会談し、原子力協定締結交渉を早急に進めることで合意した。
外務省の担当者は「NPTに加盟していないから協定を結べないというルールはない。逆に平和利用を進めさせることで、インドを一定の枠組みの中に置くことができる」とメリットを強調する。だが、NGO「ピースボート」の川崎哲共同代表は「平和利用を前提としたNPTへの加盟を拒否している以上、軍事転用する可能性は残る。特例を認めると、他の国に対して何も言えなくなってしまう」と問題点を指摘する。
特例とは何か。日本を含む四十六カ国でつくる「原子力供給国グループ(NSG)」は当初、NPT未加盟であることなどを理由に、インドへの核関連資材の輸出を禁じていた。ところが〇八年、米国のブッシュ政権が経済戦略を優先し、インドと協定を結んだことを受け、禁輸措置を解除して特例扱いすることを認めた。しかも、国際原子力機関(IAEA)の査察を受けるのは商業用原発のみで、軍事・研究施設はチェックが入らないという矛盾した甘さだった。
インドを特別扱いした影響はすでに表れている。インドに隣接し、同じく核を保有しながらNPT未加盟のパキスタンが、中国の技術支援を受けて原発建設を目指している。「『(中国が)NSGに加盟する前に建設された原発に増設するだけだから問題ない』というのが中国側の理屈」(福永氏)。欧米諸国と次々に協定を結ぶインドへのパキスタンの対抗意識もあるとみられる。
■軍拡競争が加速も
川崎氏は「国際社会がインドの行動を黙認した結果、こうした事態を招いた。南アジアは世界で最も核の危険性が大きい地域。日本が協定を結べば、軍拡競争を加速させ、周辺国を含めて危険に晒すことになる」と訴える。
福永氏によると、バングラデシュもロシアの支援を受けて原発を建設することを決め、スリランカでも中国の支援で同様の動きがあるという。
「今後は中南米やアフリカ諸国にもこうした流れが広がっていくだろう。原発が建設されればされるほど、軍事転用やテロの可能性も増える。どこかで歯止めをかけないといけない」とし、日本の責任に言及する。
「自国で危険だと分かったのに他の国でつくるのは構わないという論理は通らない。原発を廃炉にする技術や再生可能エネルギーなど、他に輸出するものはいくらでもある。それが唯一の戦争被爆国であり、福島第一原発事故を経験した国の責任ではないか」
※注1 原子力協定 原発関連の資機材、技術の輸出入に関して取り決める政府間の協定。平和利用に限定することや第三国への移転規制も盛り込まれる。日本は福島第一原発事故前の段階で、カナダや米国、英国など七カ国に加え、欧州原子力共同体(ユートラム)と締結済みだった。昨年12月にヨルダンとベトナムなど4カ国との締結が国会で承認され、今年三月にはトルコとの間で締結に合意。南アフリカやブラジルなどとも締結に向けた交渉を進めている。インド以外の相手国はすべてNPTに加盟している。
※デスクメモ
ダブルスタンダード。これが、野田政権のモットーなのだろう。矛盾を糊塗するため、ご都合主義の「理由」を持ち出す。曰く「安全対策は計画さえ示せば再稼働は可能」、曰く「世界最高水準の安全な原発を輸出できる」かの国でさえ、「ミサイル失敗」を素直に認めたというのに。(国デスク)
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