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たねまきJ「大飯再稼働問題・大阪府市8条件・小出先生の新刊」小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)4/11
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1750.html
2012-04-12 みんな楽しくHappyがいい♪
●大飯原発3号機4号機の再稼働に向けての政府の動きについて
・2015年度にフィルターの付いたベントの設備を設置
・燃料棒が損傷した場合発生する水素を処理する装置を2013年度につくる
●大阪府市の大飯原発の再稼働について、8つの条件
・安全性を確認できる完全なストレステストとは?
・使用済み核燃料を最終的にどうするかという事は見通せる?
●「騙されたあなたにも責任がある」表題に込められた思い
2012年4月11日水曜日
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ [MBS1179.com]
20120411 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=gwDGu9RT-NM
<参考>
大飯3、4号機 免震施設1年前倒し 関電社長、工程表を提出
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012040902000063.html
東京新聞 2012年4月9日 夕刊
関西電力の八木誠社長は9日、枝野幸男経済産業相と経産省で会い、
関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の中長期的な安全対策をまとめた工程表を提出した。
事故時に前線基地となる免震施設の建設を一年前倒しするなど政府の意向を踏まえた内容となったが、
これで再稼働となった場合、現実の対策はないままの稼働となる。
政府は六日にまとめた判断基準で、
格納容器の圧力を下げるベント(排気)時に放射性物質を取り除くフィルターの設置など
時間がかかる対策は、再稼働前に実施されていなくても、期限を示した具体的な計画があればよいとした。
大飯原発の場合、緊急安全対策の実施や安全評価(ストレステスト)の一次評価で、
東京電力福島第一原発事故のような地震や津波に襲われても耐えられる、と政府は判断している。
関電は、当初は2016年度に整備を予定していた放射性物質対策を施した免震施設の完成時期について、
1年前倒しして15年度とする方針を表明。
時期は未定としていたベントフィルターの設置は15年度とした。
専用の建屋に設置する恒久的な非常用発電機も15年度に整備するとした。
会談で、枝野氏からさらに早い実施ができないか問われた八木社長は
「現時点でできるだけ前倒ししている。引き続き前倒しを検討したい」と述べた。
完了までの間は「(前線基地は)既存の対策室などで対応は可能で、
格納容器も容量が大きく、ほかに除熱機能も多様化させている」と安全性を強調した。
野田佳彦首相と関係三閣僚は今夕、提出された工程表の内容が妥当かどうか協議する。
(その後「おおむね妥当」と判断した)
安全性が保て、関西の電力需給も厳しいと判断すれば、今週中にも地元に再稼働への協力を要請する方針。
しかし、再稼働をめぐっては、近隣の滋賀県などから慎重な声が上がっており、
免震施設やベントフィルターなど事故に備えた設備がないまま、再稼働することについて、
地元自治体から反発が上がる恐れがある。
大阪府・市、原発再稼働で8条件
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012041090121502.html
中日新聞 2012年4月10日 12時15分
大阪府と大阪市でつくる府市統合本部のエネルギー戦略会議は10日、
大阪市内で会合を開き、関西電力の大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働などに際し、
原発から100キロ圏内の自治体との安全協定締結など8条件を固め公表した。
「独立性の高い原子力規制庁の設立」「使用済み核燃料の最終処理体制の確立」なども盛り込み、
大飯3、4号機の再稼働に向け、安全性を事実上確認した政府側には高いハードル。
今後の政府の判断にも影響を与えそうだ。
大阪府市統合本部エネルギー戦略会議が提示した原発再稼働の8条件は次の通り。
一、国家行政組織法3条による独立性の高い原子力規制庁の設立
一、新体制のもとで安全基準を根本から作り直す
一、新しい安全基準に基づいた完全な安全評価(ストレステスト)の実施
一、事故を前提とした防災計画と危機管理体制の構築
一、原発から100キロ圏内の住民同意を得て、自治体と安全協定を締結する
一、使用済み核燃料の最終処理体制の確立
一、電力需給の徹底検証
一、損害賠償など原発事故で起きる倒産リスクの最小化
(共同)
水野:
まず、大飯原発3号機4号機の再稼働に向けての政府の動き。
大変急なように見えますが、
政府がですね、暫定的な安全基準に「おおむね適合してい」ると判断をしまして、
安全性を確認したとの事なんですね。
それで、関西電力の安全対策のうち、
これから時間をかけてやる中長期的な対策については、工程表が提出されました。
その中身について具体的に伺いたいとおもいます。
まずたとえば、「2015年度にフィルターの付いたベントの設備を設置する」というふうにあるんですよ。
これはいかがですか?
小出:
ベントというのは、格納容器の中の空気やガスを外部に放出するために作られたものです。
で、もともとはその格納容器というのは、放射性物質を閉じ込めるための最後の防壁ですので、
中から外へ物を出すなんていう事は想定もされていないのです
ただし、昨年福島第一発電所の事故で起きたように、原子炉が溶けたりしてしまいますと、
膨大な蒸気や放射性物質が格納容器の中に充満してくるのです。
そのまま放置しておきますと、
放射能を閉じ込める最後の防壁である格納容器自身が破裂してしまう恐れがあるということで、
そんな時にはもう仕方がないので、バルブを開いてですね、中のガスを逃がそうという、
そういうために考えられたものがベントというものなのですね。
ただし、今聞いていただいた想定だとすれば、
ベントを開けば格納容器の中に溜まっていた放射性物質をそのまま出してしまう事になるので、
ですから、本来ベントというものをもし使うのであれば、
フィルターは当然付けておかなければいかなかったのです。
しかし、福島第一原子力発電所を含めて、日本の原子力発電所、
沸騰水型と呼ばれている方の原子力発電所では、
ベントは付けたのですけれどもフィルターは付けていないのですが、
水野:なんでそんな基本的なことしないんですか?
小出:つまり、「どうせそんな事は起きっこないよ」と思っていたのだと思います。
水野:あー・・・
小出:
ですから、実に馬鹿げたベントしかついていなかったのです。
一方大飯原子力発電所の方は、加圧水型原子力発電所という型のもので、
福島のものとは・・・違うんです。
水野:タイプが違うんですよね。
小出:
はい。
で、格納容器が福島のものと比べて圧倒的に大きいので、
格納容器の中の内圧が上がるなんていう事は、もう考える必要もないという事で、
ベントすら付けていなかったという、ことなのです。
ですから、それにベントを付けるということであれば、
もちろんフィルターを、もうつけざるを得ないわけですが、
かなり大きな工事になりますし、
ベントを開いて中の蒸気あるいは放射性物質を外部に急速に逃がそうとするとですね、
そのフィルターもかなり大きな、そしてそれなりの性能を持ったものを取り付けなければいけませんので、
大工事ですし、簡単にいは出来ません。
水野:だからですか、3年も先の事なんです。
小出:
そうです。
ですから、ま、それまでに事故が起きたらどうするのかという事になってしまいます。
水野:
でもベントが付いていたら、爆発がしないっていう訳ではないという事を福島の事故で分かりましたよね。
小出:
もちろんです。
ベントを付けたからといって、本当に安全になるかどうかというのはまた別の話なのであって、
たとえば加圧水型という原子力発電所では、米国のスリーマイル島原子力発電所というものが、ありました。
そこでも、思いもよらない形で事故が起こりまして、
格納容器の中に水素が充満して、それが爆発した事がありました。
ただ、スリーマイル発電所は近くにハリスバーグ空港という空港があって、
飛行機が落ちてくるかもしれない可能性を考えて、格納容器が頑丈に造られていました。
そのため、かろうじて格納容器が壊れなかったということがあったのですが、
ま、大飯の場合だって、どんな事が起こるかは結局のところは分からないわけですから、
フィルター付きのベントを付けるという事はひとつのやりようだとは思いますけれども、
だからと言ってそれで安全になることとは違うとおもいます。
水野:
もうひとつ、燃料棒が損傷した場合、
これ、メルトダウンしたらっていう事ですね?
小出:そうです
水野:
した場合、「発生する水素を処理する装置を2013年度につくる」んだそうです。
っていう事はメルトダウンしても水素爆発をさせないということですよね?
小出:
えー、彼らはメルトダウンという言葉を使わずに、わざわざ「燃料の損傷」という言葉を使ったわけですね。
つまり、全体が溶け落ちるなんていう事は考えなくてもいいと、
一部分の燃料棒だけが壊れた時を想定して、水素の再結合をさせようという、
本当にメルトダウンを想定してしまうなら、再結合なんてやっても間に合いません。
水野:あ・・そうなんですか、はい。
小出:はい。
水野:
メルトダウンしても放射性物質を閉じ込める方法が出来たのかと思って、
そんなもの出来ない訳ですね。
小出:できません。
水野:
今度は大阪の動きについて伺いたいと思います。
大阪府と市のエネルギー戦略会議が、大飯原発の再稼働について、8つの条件というのを作りましたよね。
で、その中にこういうものがあるんですね。
「新しい体制のもとで新たな安全基準に基づいた完全なストレステストを実施する」と
これ、安全性を確認できる完全なストレステストっていうのは
どうなんでしょう?できるもんですか?
小出:ありません。
要するにストレステストというものも、ま、
想定した事故に対して原子炉という機械がどこまで耐える事が出来るかという事を
たんにコンピューターで計算するというだけのものなのであって、
想定しない事象に関しては全く無力な訳ですし、
想定した事柄に関しても、なおかつ、特定の限度まで持てばいいだろうというところで、
線を引かなければいけませんので、
いずれにしても完全な原子力なんていうものはあり得ないと思わなければいけません。
水野:
またですね、こうした項目もあります。
「使用済み核燃料の最終処理体制を確立して、その実現が見通せる」
使用済み核燃料を最終的にどうするかという事が見通せるっていう話ですね。
これはいかがですか?
小出:
もし大阪市が本当にその条件を満たそうと思うのであれば、
原子力というのは絶対にその条件を満たすことができません。
使用済み燃料の最終処分などという事は、
何時になったらメドが立てるのか全く分からないまま今日まで来てしまいました。
ですから原子力という技術はトイレのないマンションと言われたように、ずっと今日まできたわけで、
そんなものが簡単に解決できる道理もないのですから、
それが出来なければやってはいけないというなら、原子力から撤退するという事です。
水野:
なるほど、
実際上実現不可能なハードルを橋下さん達は掲げたということで・・・すね。
ただ、
小出:
徹底的に戦う気ならば、わたしはありがたいとおもうけれども、
どこかで妥協するのが政治なんだろうなと、いささか冷たい感想を持ちながら今日は新聞を読みました。
水野:
そうですか、
近藤さん、ここのところが、どうですかね?ここからね。
近藤:
あの8条件なんて、国も関電も無視すればいいと。
次の総選挙で国民が判断したらいいんだっていう趣旨の発言もあったと思うんですよね。
そういう問題じゃないでしょう?
つまり総選挙で判断するっていうより、もっと今、とにかく差し迫った判断なんじゃないですか?
だから何を目的に8条件というのがあるのか?って言う・・・選挙のためにあるわけじゃないと思うんで、
よくわからんのですがね、そこんところが。
水野:
これがどのように活用されるかですね。
それからですね、近藤さん、
じつは、小出先生が新しいご本をお出しになりました。
そのタイトルがですね、わたしには非常にガツンとくるタイトルでして、
「騙されたあなたにも責任がある」
近藤:
うん・・・それはそうですよね、
ぼくらもほんとうにそういう・・・思いで・・・
今までも結構騙されていますけれどね、いろんな事で。
水野:
3.11以降もどんなふうに騙されているかっていう事がご本の中には詰まっていましたが、
小出先生、この「騙されたあなたにも責任がある」という言葉にはどんな思いをこめられましたか?
小出:
原子力をずっと日本は進めてきてしまって、今回の福島の事故という事をおこしてしまったのですね。
その責任はもちろん原子力の旗を振ってきた、
日本の国、電力会社、原子力産業に重たい責任があると思いますし、
私のように原子力の旗は振って来ませんでしたけれども、
それでも原子力の場にいた人間には特別な責任があるとわたしは自分で思います。
ただし、ここまで原子力を許してきてしまった普通の人達は無罪なのだろうか?と思うと、
やっぱり私にはそうは思えないのです。
巨大な力が原子力を進めようとして、絶対安全だと宣伝し続けてきた。
まあ、失礼ながらマスコミも含めて、そうしてきたわけで、多くの人がそういう宣伝を信じた。
仕方ないという思いはありますけれども、
それでも「騙されたから仕方がないんだ」と言ってしまえば
また騙されることになりますので、
しっかりと責任をお一人お一人が考えて欲しいという願いです。
水野:どうもありがとうございました。
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