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簡単で深刻: 1年にレントゲン400回・・・よく納得できますね
http://takedanet.com/2012/04/1400_9d3c.html
平成24年4月8日 武田邦彦(中部大学)
音声
2012.04.08 武田邦彦 1年にレントゲン400回・よく納得できますね
http://www.youtube.com/watch?v=RyFzrCeXWzw
瓦礫の議論も同じですし、福島の子供たちに「1年20ミリまでOK」と文科省が言ったときに日本の大人はほぼ納得しました。心配したのはお母さんぐらいで、心配するお母さんを「ヒステリー」と読んだ「大丈夫おじさん」も多かったようです。
普通の人は1年20ミリと言われても、すぐにどのぐらいかわからないものです。最近、スピーディが千葉の線量から福島原発では1日に10兆ベクレルの放射性物質が漏洩しているという予想があったことが公開され、びっくりしたのですが、そのときにある人が私に「10兆でも、10億と言われても、わからないので、どっちもびっくりする」と言われました。
2ミリでも20ミリでも、また10兆でも10億でもこれまで放射線を扱っていなかった人が正確に理解することができないのは当然です。だから専門家は数字だけを言うのではなく、「茨城から千葉までの地域は強制移住に相当する汚染だという意味です。1平方メートルあたり4万ベクレル以上では除染が必要ですが、10兆ベクレルというのはおおよそその2倍です。」とその意味を付け加えておかなければなりません。
ところで、1年20ミリの場合は、私なら「1年20ミリというのは、現在、1回の胸のレントゲンが約0.05ミリですから、1年に胸のレントゲンを400回も撮ることに相当します。また、胸のレントゲンの時には胸だけX線が当たるようにして、腹部は保護しますから、実質的には400回以上になります。また女児はおなかに卵子を持っていて、それは一生変わらないので、より厳しいといえます」と言ったでしょう。
もし文科省が正直に誠実にこのように言ったら、1年20ミリを支持する国民はそれほど多かったとは思いません。また「20ミリなど大丈夫だ。母親はヒステリーだ」という大丈夫おじさんは登場したでしょうか?
今では「国が国民の健康を守るはずもない」と考えている人が多いのですが、本来は国は国民の健康や安全を守るのがその第一の仕事です。
【納得性の問題】
私が今度の原発の事故での被曝問題、それは今でも続いているのですが、あまりにこれまで言ってきたことと違うので、科学的には正しいか間違っているかは別にして、多くの人に納得性が無いと思うのです。それをなぜあれほど早く大人、特に男性の大人が納得してしまったのか、今度何かの機会があったら聞きたいと思います。
つまり、1年に400回のレントゲンを「大丈夫だ」という人はなかなかいないと思います。もしかすると1年100ミリでも大丈夫という医師のように、学問的には大丈夫としても(私はそうは思っていませんが)、一気に1年に2000回のレントゲンでも大丈夫といわれても、毎日6回ずつこどもにレントゲンを撮らせる親がいるでしょうか?
病院で医師がレントゲンを撮るときに、患者をセットすると別の部屋に行って、被爆を避けながらスイッチを押しています。そのぐらい気をつけているのを日常的に見ているのですから、1年400回の旨のレントゲンをすんなりと受け入れてしまった日本の父親がどうしても理解できないのです。
私にはむしろ1年に400回の胸のレントゲンというのにびっくりして、心配になる母親の方が日本のお母さんらしく、それでこそ日本の乳児死亡率が世界一低いということになっている理由と思います。もっとも、「減税すると言っては増税」というような正反対のことも受け入れそうな国民ですから、そのぐらいは納得するのかも知れません。
10年ぐらい前「安全・安心」という言葉が流行し、この研究に多くの補助金が出た頃、知識人の多くが「安全か科学的なものだが、人間は心の動物だから安心が大切だ」といって多くの研究費を取っていきました。その人たちは今度の1年400回のレントゲンをどのように聞いたのでしょうか?
こんな状態で「瓦礫を引き受けないのは人の心を知らない」とか「絆の歌」などよく言ったり、やったりできると感心してしまいます。少しは心が痛まないのでしょうか?
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