http://www.asyura2.com/12/genpatu22/msg/693.html
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南相馬の黒い物質についてスレッド上で検討していた経過中に、表記題名の資料紹介があった。
http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/~okamura/saitama-u/work/gamma.pdf
この資料が紹介された詳細な経過については以下のスレッドを参照いただきたいが、要点としては、ガンマ線スペクトロメーターの取り扱い上におけるコンプトン散乱、後方散乱についての説明資料としてご案内をいただいた。
http://www.asyura2.com/12/genpatu21/msg/703.html
しかし、私がこの資料を読んで、最も着目した「別の」事柄について、ご報告することに十分意義があると思われたので以下に引用する。
<引用開始>
1.2 放射性物質取り扱い上の注意
放射線には、宇宙線、X線やγ線、核壊変・核反応・粒子加速器で生じる原子核の構成粒子など、様々な種類およびエネルギーのものがあり、それぞれの物質との相互作用の形態・強さは千差万別である。一般に、放射線は万全の注意を払って取り扱わないと、放射線障害を引き起こす危険性が有るのは言うまでもないが、何が安全で何が危険なのか、判断し、対処できる正しい知識を身につけて欲しい。・・・
放射線障害を避ける為の三原則
遮蔽 放射線源と自分の間に遮蔽物を置いて放射線を吸収させる。(被曝量は遮蔽物の指数関数で減衰する)。
遠距離 放射線源からの距離を出来るだけ遠ざける。(被曝量は距離の二乗に反比例する)。
短時間 放射線源を取り扱う時間を出来るだけ短くする。(被曝量は時間に比例する)。
放射線源の密封状態を破ってはならない
この実験で扱う放射線源は密封線源として分類されているものであり、比較的安全に扱う事ができる。後で述べるBq(ベクレル Becqueler)という単位を使うと、3.7MBq以下の弱い密封線源は法的規制の対象外となっている。本実験で扱う線源の強さは(’98年9月15日の時点で)1MBq(投稿者注 =100万ベクレル)であるから、注意して扱えば全く危険は無い。
一方、密封状態を破ると非密封線源となり、危険な事態となる。例えば放射性物質が飛散して肺から吸い込まれた場合、遮蔽は不可能であり、排泄されるまでの長い時間、近接する生体組織が放射線に曝されることになる(体内被曝)。
万一、線源を破損した(または、その恐れがある)場合は、勝手に事故処理をせずに教官に連絡すること。その際も、放射性汚染の拡大を防ぐ為、破損した線源に触れていない者が連絡に行く事。
実験室内での飲食禁止、手洗いの励行
飲食禁止はこの実験に限ったことでは無いが、放射線を取り扱う場合は特に、知らないうちに飛散したかもしれない放射性物質を体内に摂取するのを防ぐ為、飲食は厳禁である。放射線を別にしても、鉛ブロックを扱うので、実験後は手洗が勧められる。
<引用終了>
この資料を作成された岡村教官は、ただ、資料の提供を受けた関係で存じ上げただけで、まったく面識もない。しかし、教え子の安全を守ろうとする文面から、誠実な方であったのだろうと感じられる。岡村先生は、大阪大学の核物理学研究所で原子核物理学実験の教授をされていたが、一昨年の1月3日にお亡くなりになったとのこと。
http://planck.exblog.jp/13426429/
今、南相馬では、100万ベクレル/kgの「非密封線源」が路上に堆積しており、それが、現地の子どもたちの生活環境となっている。このような事態を、岡村先生は、天上からどのような思いで見ておられるだろうか。
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