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国会答弁が迷走している枝の経産大臣の尻を叩くかのように、野田首相が国の安全基準を示した。これにより来週にも「運転再開」へ向け枝野氏が福井県へ要請に赴くという。この国の官僚や政治家は誰のためにあるのか。彼らの見識を疑うとともに、強引に再稼働へ舵を切った野田氏の首相としての適格性を疑わざるを得ない。
まだ福一原発の放射能漏れ事故の検証どころか、溶解した核燃料の所在場所すら分からない状況だ。東電はもとより政府関係者はまだ誰一人として逮捕どころか処罰すら受けていない。放射能漏れ事故を起こした責任の所在とあり方を巡る議論すらどうなっているのか見えていない。
原子力安全委員会の委員長もそのままだし保安院の人たちが更迭されかどうかすら寡聞にして知らない。すべてがこのような無責任の体たらくで、福一原発では迷走に迷走を重ねた対応に終始し、ついに水素爆発(本当に水素爆発だったのか否かの検証すら済んでいない)という事態を引き起こした現状を改善し事態を収束させたと政府は発表しているが多くの国民は政府を信用していない。
放射能ダダ漏れの事態は少しも改善されていないし、4号機の燃料プールの状況も危険なままだという。今も福一では最低限の対応処置として「冷却水の注入」と「汚染された水の浄化」を行っているだけだ。それでも初期的なローテクな事故が起こっている。たとえば汚染水を運ぶビニールパイプの継ぎ目から汚染水が漏れたり、水素爆発防止の原子炉内部へ窒素注入が止まったりと、壊れかけのライト兄弟の作った飛行機のような代物にガムテープをベタベタと貼って応急処置しているような状況に過ぎない。
確かに政府が再稼働を目指す大飯原発3,4号機はさすがに1991年1993年建設と比較的新しいが、それでも既に20年前後も経過した代物だ。1,2号機は1970年当初に建設されているから建設当時に設定された耐用年数40年を越えている。大飯原発では核燃料効率を高めるために1基の原子炉に2基の発電機を設置している。
つまりそれだけ細管と原子炉から取り出した沸騰水の配管が複雑になっている。地震による破断の危険度が大きい設計になっているのは想像に難くない。そして最も危惧するのは原子炉そのものが「免震構造」で造られているモノがあるのかという疑問だ。阪神淡路大震災があったのは1995年で17年前のことだ。つまりそれ以前に造られた建造物は地震対策の新基準が適応される前のものだということだ。
たとえ新基準による免震構造による原発施設が建設されていたとしても、福一原発事故の原因究明が済むまで再稼働すべきではない。そうすると廃炉の処理が永遠に済まなければ永遠に再稼働できないではないか、という反論に対しては「その通りだ」と答えるしかない。推定原因で突っ走られるほど原発事故は「甘いもの」ではないと福一放射能漏れ事故で学ばない者は「学習効果」のない愚か者だというしかない。
世界に対して深刻な放射能被害を与えた日本に反省がないとしたら、ヒバクシャの悲惨さを世界に訴えていた日本の恥ではないだろうか。ヒバクシャはヒロシマ、ナガサキだけのことではない。現実にフクシマでは高濃度放射線により人の住めない地域が存在しているのだ。それを忘れて大飯原発再稼働とは、この国の科学する人たちは官僚や政府要人にどのような教育をして来たのだろうか。
大飯原発再稼働阻止により関電が電力不足に陥るとしても、それは枝葉末節のことでしかない。幾らでも対応可能なことだが、放射能漏れ事故を起こせば関西地区全域が放射能汚染され、この国は取り返しのつかない深刻な事態に陥るだろう。どちらが大事で、どちらを選ぶべきかは明らかではないだろうか。それすら識別できないとしたら、野田氏は人間以下の豚でしかないことになる。
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