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原発再開問題はもっとまじめに 政界も産業界も「欲しい」だけでは子供
http://takedanet.com/2012/04/post_db2a.html
平成24年4月6日 武田邦彦(中部大学)
福島原発が爆発した後、ほどなくして「電力はどうするの?」という話になり、「原発は危険かどうかは別にして、電気が欲しいから運転しなければならない」というかなり乱暴な議論が出てきました。2011年の5月ぐらいの時期で、菅首相の時代です。
これまでの審査を通ってきた福島原発が爆発したのですから、安全審査に問題があったことは間違いなく、従って、「人も方法も同じ」では再開はできません。そこで「ストレステスト」というヨーロッパを中心として行われている方法をつかって政府は乗り切ろうとしました。
でも、もともと今回の事故は、地震と津波で破壊されており、ヨーロッパやアメリカのほとんどの原発のように地震も津波もないところで作られたストレステストでは全く役に立たないことは当然です。
何か政治的な問題が起きたとき、日本の政府や役人は国民が英語が弱いのを利用して、わかりにくい英語を使うのが普通です。たとえばインフォームド・コンセント、メタボリック・シンドロームなどはそうで、「親身の相談」とか「ダイエット」と言えばそれですむのですが、このような小細工をしてくることが最近の傾向でもあります。
ストレステストというと何か特別なことをするように思いますが、「このぐらいの地震が来たらどうなるか?」というのを個別に検討するというだけですから、今までと変わりません。またストレステストという概念はもともと金融の健全化を調べるために出てきたもので、これはすでにアメリカとヨーロッパの金融危機を防ぐことができなかったのですから、あまり感心したものではないのです。
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ストレステストが通らないとなると、政府は「暫定的な新基準」というのを持ち出しましたが、原子力安全委員長は「我々は原発の安全を審査するのではない」という発言をして、さらに信頼を失いました。安全委員会の設立の時の規則の表現のことを言っているのですが、国民が安全委員会に期待していることはまさに「原発の安全性の是非」なのですから、これは実に奇妙な発言なのです。これで国民は「推進側の経産省組織」しか安全を守ることができないと言うことになりました。
このようなごたごたを続けている中、今度の原発事故の最も重要な問題は、1)これまで「固有安全性がある」としてきたのに、それが無かったが、それに対してどうするのか? 2)これまで「多重防御」をしていると言ってきたのに、それがウソだったことがわかったのだが、それをどうするか? 3)事故時の対応策(危機管理:大型客船の救命ボート)がないことがわかったが、それをどうするのか? などが再開にあたって直接的に明らかにしなければならないものです。
さらに、1)廃棄物貯蔵所も作れない状態で、今後も原発を続けるのか、2)地震や津波、テロなどの危険性の見方が間違っていたのではないか、などの根本問題もあります。せめて、再開するなら廃棄物貯蔵所を作ることを国会で合意をする必要があります。核廃棄物貯蔵所は「危険だから先送り」ということでは、これも事故の遠因となります。さらに、仮に将来、原発を作るとしたら東京の電気は多摩川、荒川などの河畔に作り、東京に廃棄物貯蔵所を置くこと、名古屋は木曽川、大阪京都は琵琶湖などと決めておく必要があります。
「日本のシステムとしてお金は東京が吸い上げ、危険なものは吸い上げたお金を地方に出して、地方に危険を背負わせる」という基本的な政策を変えて、「日本人は皆同じ国民(それこそ思いやり)」(絆=家畜の自由を奪うことという意味だから使いたくない)であることを確認しないと、また同じことが起こるでしょう。
危険もいやだ、ゴミを片付けるのもいやだ、ただできだけ欲しいというのだったら、政府も経済界も子供同様ですから、もっとしっかりした魂を持ってください。本日、これからガリレオ放談「原発緊急報告」を収録に行きます。そこでこの問題を詳しく解説します。
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