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揺らぐ「玄海原発1号機、圧力容器の健全性」
2012-03-18 02:03:16 :(神秘の杜)
原子炉の最重要部である「圧力容器」。
そこは原子炉運転時の「核燃料の収納部」である。
金属製の容器は、中性子照射を受けて経年劣化を引き起こして脆弱になる事が解っている。
その脆性化は試用期間が長いほど酷くなるのは当然で、日本の原発は運転開始から30年以上を経過した老朽設備が殆どだ。
特に、九州電力、玄海原発の1号機は脆性劣化が進み、温度変化に耐えられないと指摘されている。
容器の劣化は平均して分布しない。
弱い部分ほどダメージを受け易く脆弱になってゆく。
(専門的に言うと、応力は最も弱い部分に集中してそこから破壊が始まるのである)
だから電子顕微鏡で調べたから安全とはいえない。
即ち、最も弱くなっている部分(ストレスライザ)を電子顕微鏡で検査したのならいいが、
果たして、検査した部位が「もっとも弱くなっている部分」である筈が無い事に注目すべきだ。
容器そのものではなく、「同一材料の試験片」だから絶対にストレスライザにあたる部分ではない訳だ。
多分、それは検証不能だろうと私は思う。
その観点から考えると、玄海原発1号機の圧力容器の健全性に関する記述を保安院が変更した理由が何に起因するのか明らかにされねばならない。
そこを不透明なままストレステストOKでは危険で再稼動などとんでもないと言わざるを得ない。
ニュースはこちら ↓
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毎日JPより転載:
玄海原発1号機(手前右)
=佐賀県玄海町で、本社ヘリから矢頭智剛撮影
毎日jP:
経済産業省原子力安全・保安院は6日に開いた原発の老朽化に関する専門家の意見聴取会で、前回示した九州電力玄海原発1号機(佐賀県玄海町)の原子炉圧力容器を健全とする記述を資料から削除した。
保安院は「前回の見解を取り消したわけではない」としているが、委員からは圧力容器が脆くなっている可能性を示すデータの評価方法などに異論が出ている。
保安院は先月22日の聴取会で、それまでの議論を整理し、「電子顕微鏡で圧力容器の試験片を観察した結果、健全性は確保されている」などと見解をまとめた。
だが、6日に示した資料では「確認したデータなどから健全性は確保されていると評価して良いか」という表現にとどめた。
石垣宏毅・高経年化対策室長は
「前回の見解を撤回するわけではない。
まだ議論が終わっていないという意見もあるだろうから慎重に書いた。
月内に審査案をまとめる」と説明した。
圧力容器は中性子を浴びてもろくなるため、容器と同じ材質の試験片を数年〜十数年ごとに調べている。
1号機では劣化に伴って上昇する材料の温度が
93年に56度だったが、
09年には予想を超える98度
まで上がっていた。
九電は聴取会で温度変化は予測の範囲内と説明。
だが、委員を務める井野博満・東京大名誉教授は、容器の溶接の有無を無視したデータの評価方法や評価基準自体の信頼性を疑問としている。
【関東晋慈】
玄海原発:圧力容器の「健全」記述を保安院が削除
毎日新聞 2012年3月6日 20時40分
(最終更新 3月7日 0時45分)
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井野博満・東京大名誉教授による脆性劣化に関する記述はコチラを参照ください。
↓
ザ・特集:ストレステストの問題点 原子力安全・保安院意見聴取会メンバー、井野博満・東大名誉教授に聞く
元記事リンク:http://ameblo.jp/mo-014925/entry-11195955268.html
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