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【放射性がれき焼却】 税金払って被曝させられる国民
http://tanakaryusaku.jp/2012/03/0003889
2012年3月15日 田中龍作ジャーナル
晴海ふ頭から直線距離にして1キロ足らずの東京都中央区の「中央清掃工場」。プラスチックが焼ける独特の臭いが鼻をつく入口付近で、『放射能汚染がれきの焼却に反対』の横断幕を掲げているのは、『ストップ首都圏放射能汚染がれき首都圏ネットワーク』のメンバーだ。
被災地瓦礫の焼却が全国各地で波紋を呼ぶなか、東京都はいち早く「瓦礫の受け入れ」を表明した。拙宅から煙突が見える中央清掃工場で焼却している、というので気になり工場に電話して事情を聞いた。以下のような回答があった――
搬入されるのは、宮城県女川町の瓦礫。日量48トンを今月3日から15日まで13日間かけて焼却する。がれきは焼却までに3段階で放射能測定する。現地での選別作業、コンテナ積込み時、積み込んだ後、コンテナ周辺の空間線量。女川の現場では71ベクレル/sだった。
中央区では1月21日に区報で告知し、2月8日に月島区民センターで説明会を開いた。出席者はわずか33人。説明会で住民が反対したからと言って政策が覆るわけではない。あくまでも行政が決めたことを下達するのが説明会である。
清掃工場の男性職員は、自分も被曝の危機に晒されるからだろうか。よく話してくれた。71ベクレル/sもの放射能を帯びた瓦礫は、燃やされ灰となっても放射能は一向に減らないのである。
14日、都庁で記者会見を開いた「ストップ放射能汚染がれき首都圏ネットワーク」によれば、瓦礫受け入れは住民の健康にとって重大な問題なのだが、昨年11月に東京都、23区長会、宮城県、女川町の行政だけで決定したという。
市民感情として納得できないのは瓦礫処理にまつわる金の流れである。金の出元は我々の血税だからだ。
「ストップ放射能汚染がれき首都圏ネットワーク」の調べによると、震災瓦礫の撤去費用は鹿島建設などゼネコンが昨年末までに3,700億円で受注した。鹿島は女川原発の建設にも関わっていた。津波を利用してのマッチポンプともいえる。
『週刊金曜日』(2月24日付け)によれば、石原慎太郎都知事の元秘書が鹿島建設の役員に“天下っている”という。東京都が瓦礫の受け入れに熱心な理由が垣間見える。
焼却にかかる費用について都は70億円の予算を組んでいる(2011年5月時点)。費用は女川町に請求し、女川町は国に請求する。
都は女川町の他にも岩手県宮古市の瓦礫を処理することを決めている。処理事業者は東電の子会社である「東京臨海リサイクルパワー」だ。
鹿島建設や東電の子会社が潤う金の出所は税金だ。納税者である都民は金を払ったあげくに被曝させられる。
「初め、がれき受け入れをしてもいいんじゃないか、なんて冷たいんだろうと思っていた。しかしマスコミや東電、政府の責任の取り方を見て受け入れ反対になった。国民はもっと自分の声にして言うべきだ」。会見に立ったメンバーの川崎市の女性は、不信感を募らせた。
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