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斜面の安全評価対象 全13原発「完了」ゼロ[産経新聞]
2012.3.14 07:47
全国の原発のうち周辺に斜面のある13原発すべてで、斜面の安全評価が完了していないことが13日、経済産業省原子力安全・保安院や電力事業者への取材で分かった。保安院は平成18年に事業者に評価を指示しており、評価に5年以上かかっていることになる。
東日本大震災では、東京電力福島第1原発の敷地内の斜面で崖崩れが起きて送電用鉄塔が倒壊、外部から受電ができない事態になった。他原発でも崖崩れが起きる可能性は否定できず、専門家は「早急に対応を進めるべきだ」と指摘している。
保安院などによると、斜面が近くにあり安全評価が必要なのは、全国18原発のうち13原発。このうち5原発は事業者が今も安全評価の途中で、7原発は事業者による安全評価は終えたが保安院が審査中。安全評価がすべて完了している原発はゼロだった。
日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)は、保安院に安全評価を提出し、平成22年に「評価は妥当」とされたが、東日本大震災の影響で新たな地震の連動を考慮する必要が生じ、現在、再評価を行っている。
福島第1原発も安全評価が終わらないまま東日本大震災で被災。本来は評価対象外の場所だったが、崖崩れが発生し、5、6号機に外部から電気を送る鉄塔が倒壊した。5、6号機はディーゼル発電機が水没を免れたため原子炉の冷却は維持できたものの、1〜4号機のような深刻な事態に至った可能性もあった。
安全評価が行われていない状況について、「保安院が他の評価項目を審査するのを待っていた」(各事業者)、「新潟県中越沖地震(19年)の対応で手が回らなかった」(保安院)とするが、保安院の指示から5年が経過し、津波と同様に「地震随伴事象」とされる崖崩れの評価は、事実上「後回し」にされてきた。
東日本大震災を受けて保安院は現在、複数の活断層の連動の再検討を事業者に求めている。
今後、想定される地震の最大の揺れ(基準地震動)が変わる可能性もあり、安全評価を再びやり直す必要が生じれば、斜面の安全性確認はさらに遅れる恐れも出てくる。
日本原子力学会の沢田隆副会長(原子力安全工学)は「津波評価の見直しができず事故を迎えた福島第1原発の二の舞いになりかねない。弱点になりそうな斜面は早急に対策を進める必要がある」と指摘している。
◇
【用語解説】斜面の安全評価
地震による崖崩れで原子炉建屋などが損傷する可能性があるため、原発施設から50メートル以内か、斜面の高さの1.4倍以内の距離に施設がある斜面について、安全評価が義務づけられている。平成18年の耐震指針改定を受け再評価が指示された。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120314/dst12031407490002-n1.htm
【原発再稼働】福島の教訓生かせず 斜面の全13原発、安全確認できず[産経新聞]
2012.3.14 08:52
安全評価の必要性がある斜面を敷地に持つ全13原発で、安全確認ができていない事態は、電力事業者や原子力安全・保安院が、東京電力福島第1原発事故で得た教訓を生かしていないことを浮き彫りにした形だ。
福島第1原発の事故は「想定外」の津波が原因になったとされる。原発の耐震安全性の基準となる耐震設計審査指針では、津波は、崖崩れとともに地震に伴って発生する「随伴事象」という扱いで、具体的な対策はほとんど求められていなかった。
平成18年の耐震指針改定に伴う保安院の指示を受け各事業者は中間報告を提出しているが、主要設備の評価が中心。津波や崖崩れの評価については審査する側の保安院も「最終報告で反映すること」とするだけで、報告期限も決めていない。
東京工業大の二ノ方寿教授(原子炉工学)は「崖崩れは、津波と同様に重視されてこなかったのは事実。しかし、こうした問題も『想定外』とせずに対応する必要があるというのが事故の教訓のはず。5年たっても評価が終わっていないのでは、後回しにしたと言われても仕方がない」としている。(原子力取材班)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120314/dst12031408520006-n1.htm
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