http://www.asyura2.com/12/genpatu21/msg/840.html
Tweet |
[写真] 日記をめくり、女川原発での避難生活を振り返る木村尚さん=宮城県女川町(写真:産経新聞)
産経新聞 3月14日(水)15時38分配信
【大阪の記者が見た震災1年】
1年前のあの日、巨大津波が襲った2つの原発は明暗が分かれた。
未曽有の事故となり、周辺住民に今も避難生活を強いる東京電力福島第1原子力発電所より、東日本大震災の震源に近かった東北電力女川原発。しかし原子炉は安全に停止し、周辺住民の避難所にもなったという。
女川原発が避難所になったことは聞いていたが、昨年は取材できなかった。原発の中で、被災者はどんな避難生活を送ったのか。
1年ぶりに訪れた宮城県女川町。倒壊した家屋や大量のがれきはなくなり、コンクリートの基礎部分だけの更地が広がっていたが、津波で横倒しになったビルはそのまま。町を襲った津波の威力を今に伝える。
女川町で、津波の犠牲となったのは約800人。人口の1割を超える。町内23カ所の避難所に一時は約6千人が身を寄せ、原発敷地内の体育館や事務棟でも最大約360人が2カ月余り寝泊まりした。
前例のない、原発内での避難生活。避難した人に聞くと、制約が多く、決められた区域外への移動や施設内での火気使用を制限されるなど不便も多かった。近くの避難所に入れなかったり、ライフラインや道路の寸断で、選択肢がなかった人も少なくないという。しかし、被災者の原発と従業員に対する思いは、福島とは少し違う。食事の提供までしてくれた原発従業員の献身的な対応に、多くの被災者が「ありがたかった」と述べた。
「『原発なんかによく避難できたな』と周りから言われたが、食事も出してくれたし、水も電気も来ていた。助かった…」。女川原発から約1キロ、塚浜地区の区長だった木村尚さん(58)は避難生活をつづった日記をめくり、記憶をよみがえらせた。
女川原発を襲った津波の高さは、福島とほぼ同じ約13メートル。しかし、設計時の津波想定の違いによる立地の差が明暗を分けた。福島第1原発の津波想定は最高約5・7メートル、女川原発は約9・1メートルだった。その結果、福島では今も約6万3千人が県外に避難する。
木村さんに原発事故への不安がないわけではない。しかし複雑な表情で「代替エネルギーがなければ、すぐに(原発を)廃止するわけにもいかない」とも話す。木村さんは漁師。「海が仕事場だから、ここを離れるわけにはいかねえ」こともあるのだろう。
約50世帯あった塚浜地区は津波で壊滅状態となり、住民は町内外に散り散りになってしまった。木村さんも昨年11月から仮設住宅暮らし。「漁師が陸に上がっても生活できない」と愚痴もこぼれるが、今は特産のホヤの養殖再開に向けて準備を進めている。
収穫には少なくとも3年かかる。それでも、日焼けした顔に、わずかに笑顔が戻った。「南三陸のホヤは新鮮でうまいんだ。必ず、食べにおいでよ」
ホヤが育つころ、町はどう変わっているだろうか。今は何事もなかったかのように穏やかな女川の海を見つめながら、その歩みを伝えていこうと強く思った。(吉田智香)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120314-00000120-san-soci
【関連記事】
宮城・女川に届く物資 壁に「ガンバロー!」
http://rd.yahoo.co.jp/media/news/rd_tool/san/articles/soci/SIG=11vfma77k/*http%3A//www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/health/496764/
【東日本大震災1年】子へ孫へ 継がれゆく鎮魂の思い
http://rd.yahoo.co.jp/media/news/rd_tool/san/articles/soci/SIG=120u27bbv/*http%3A//www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/disaster/549213/
もうすぐセンバツ「がんばっぺ!聖光」「輝け!東北球児」
http://rd.yahoo.co.jp/media/news/rd_tool/san/articles/soci/SIG=11uh82nni/*http%3A//www.iza.ne.jp/news/newsarticle/sports/other/549171/
現地に行くのが一番の支援 サンドウィッチマンと乙武さん対談
http://rd.yahoo.co.jp/media/news/rd_tool/san/articles/soci/SIG=120u6dmdi/*http%3A//www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/549092/
被災者と全国を「つなぐ」 仮設住宅でかけられた言葉
http://rd.yahoo.co.jp/media/news/rd_tool/san/articles/soci/SIG=11u5d1bh9/*http%3A//www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/other/549083/
「人のために…」こぼれる涙
http://rd.yahoo.co.jp/media/news/rd_tool/san/articles/soci/SIG=11pttp3v9/*http%3A//www.sankei.co.jp/netview/yahoo/kdk/120312.html
最終更新:3月14日(水)16時1分
産経新聞
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素21掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。