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3月13日【内容起こし】小出裕章氏:野田首相の瓦礫処理要請、文科省の「チェルノブイリと比べて8分の1」の意味と小出氏の比較@たね蒔きジャーナル
http://bochibochi-ikoka.doorblog.jp/archives/3325555.html
20120313 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
http://www.youtube.com/watch?v=nC8cOpz-up0&feature=player_embedded
【以下、お時間の無い方のために内容を起こしています。ご参考まで】
(水野氏)まずですね、瓦礫処理についての野田総理の発言がございました。「瓦礫の処理を全国の自治体に受け入れてくれ」という要請、そして加えて、「瓦礫を再利用することを奨めてほしい」ということが野田さんの考えのようです。先ほどもお伝えしましたけれども、横浜市の山下公園は関東大震災の瓦礫で作られているという例を挙げて、「今回も再利用を」というふうに野田総理は発言してるんですが、小出さんはこれ、どうお考えですか?
(小出氏)・・・困った人だと思います。
(水野氏)はぁ・・・。
(小出氏)関東大震災の時には、もちろん日本人が放射性物質などを大量に作るというそういう時代ではありませんでした。今は、もう原子力発電所をやって放射性物質を大量に作って、広島原爆がばら撒いた放射性物質の何百発分というものを既に環境にばら撒いてしまったのです。それで瓦礫が汚染してるわけで、それで公園を作るなんてことはできるはずもないのです。どうしてそういうことに気が付かないのかなと思います。
(水野氏)公園だけではありませんで、再利用の例として総理が挙げているのは、
「津波から人々を守る防潮林、(津波から守るための林ですね、)或いは避難するための高台の整備に使って、後世に残していきたい」
とおっしゃっているんですが、この再利用の仕方についてはいかがですか?
(小出氏)首相官邸を作ってほしいです。
(水野氏)あ、それは良いアイデアですね。首相官邸を作るっていうのは確かに、そうやって後世に残すというやり方もありますよね。
(小出氏)はい。
(水野氏)これ、住民を守る防潮林や高台って、ほんとに住民のところ全国至る所に、これまた海の近いところに作るってことになってしまいますよね。
(小出氏)そうですね。首相官邸であるとか、議員宿舎であるとか、東京電力の建物であるとか、そういうところからまずはやってほしいです。
(水野氏)なるほど。そしてですね、企業サイドでももう既に瓦礫処理が進んでいるケースもあるんだそうで、中にはですね、汚泥をセメントの原料にするというものも進んでるんだそうです。これについては、やはりいろいろな課題といいますか問題点ありますよね?
(小出氏)もちろんです。焼却にしてもなんにしても、処理をしたところには高濃度の放射性物質の塊が残りますので、それをどうするかがこれからの一番の問題になるだろうと思います。私自身は、焼却灰はもともとコンクリートの母材にされてきたものですから、コンクリートにするということ自身は反対ではありません。
ただし、それは東京電力の所有物なわけですから、汚染というものは。東京電力が自分で使えばいいのであって、これから福島第一原子力発電所の事故を収束させるために膨大なコンクリートが必要になります。そのためにこそまずは使うべきだと思います。
(平野氏)先生、例えば神奈川県の横須賀なんかは、黒岩知事が横須賀市に出向いて「産業廃棄物のかなり深い場所に廃棄すれば安心だ」みたいなことを言ってるんですけれども、どんなに深くてもどんなにコンクリートが厚くても、これは必ずしも安心できるものにはならないですよね?
(小出氏)はい。放射性物質というのは、これまでも産業廃棄物とは混ぜてはいけないという、そういう範疇で管理をされてきたものなわけで、今回事故が起きたからといって、いきなりそういうやり方に変えてしまうというのは、私は誤りだと思います。
できる限り放射性物質として取り扱うというやり方がいいと思いますし、他のゴミと混ぜるのではなくて、それだけをコンパクトに集中的に管理するというやり方が従来のやり方でしたし、これからもそうすべきだと思います。
http://livedoor.blogimg.jp/tokiko1003/imgs/2/9/290d01ba.jpg
図録東日本大震災被災地のがれき量より
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4363e.html
(水野氏)はい。次にですね、これは文部科学省が新しい発表をしたんですが、私は意味が分からないので是非教えていただきたいんです。
福島第一原発の事故で生じたセシウム137が様々な土地を汚しましたよね。そうした土壌への蓄積の分布について、チェルノブイリのケースと比較をしたんだそうです。そうしましたら、『福島の事故の影響の範囲は、チェルノブイリの8分の1だった』というんですね。
これについて神戸のリスナーが
「チェルノブイリの8分の1ということで、安心していいニュースだとは思うんですが、素直に信じられなくなっています」
っておっしゃっています。
『チェルノブイリの8分の1』っていうのはどういう意味なんでしょう?
(小出氏)私が読んだ記事によると、チェルノブイリから飛んで行った放射性物質が原子力発電所の敷地から何qまで、1平方qあたり4万ベクレルである、或いは15万ベクレルであるという、そういう基準となった汚染の距離がチェルノブイリに比べると8分の1であったとか、そういうことをどうも言ったようなのですね。
(水野氏)そうですね、基準は1480キロベクレルのようですね。1平方mあたり。
(小出氏)はい。15万ベクレルですかね。
(水野氏)15万ベクレルですか。これを高濃度の地域というふうに考えて、これがどこまで広がってるかというのを調べたところ、チェルノブイリは1番遠いところが250qまで行っていた。しかし福島は、32.5qでしかないという意味でしょうね。
私「何が8分の1やろう?」ってずっと思ってて、
「あ、そうか。250q÷8が32.5qの福島になる!」
単に『距離がチェルノブイリの8分の1しか飛んでませんよ』という意味なんですかね?
(小出氏)そうです、のようですね。ただし全く意味のないことを言ってると私は思います。
(水野氏)そうなんですか?
(小出氏)原子力発電所から環境に出てきた放射性物質は、その時の気象条件で流れるのですね。細い帯状になって流れる場合もあるし、そうではなくてじわじわじわっと周辺に均等に汚染を広げてしまうような場合もあるわけですし、問題は距離ではないのですね。まずは面積で言わなければいけない・・・
(水野氏)あ、そっか!面積については比較できてないんですって。
(小出氏)なんでできてないのか、私はわかりませんが<苦笑>
(水野氏)なぜか「できてない」らしいですね。
(平野氏)先生、これは事故当初アメリカ本土まで、濃度は低かったかもわかりませんけど、放射性物質が観測されたということがありましたから、その250qというのは全然意味が無くて、しかもこれ、低濃度でまた蓄積によってまたホットスポットみたいな形になりますし、今頃こういうことを発表するということは、事故を矮小化しようという国の意図が濃厚に伺われるような気がするんですけど。
(小出氏)そうですね、なんでこんな無意味なことを今頃言うのかなと私は思いました。
(水野氏)これ・・・どれだけの放射性物質が出たのか、それによって困ってる地域はどれだけなのか、まずは面積で考えなきゃいけないんでしょうけど、面積の時にね、海に出たものも多いですよね。それは関係ないんですか?
(小出氏)そうです。ものすごい関係があるのです。日本の場合には、ほとんど周りが海なわけですし、特に福島第一原子力発電所は東側が全部海だったわけですね。日本の卓越風は西風が吹いてるわけですから、多分陸に落ちた以上のものが海へ落ちてるはずだと私は思います。ですから、海一帯にどれだけばら撒いてしまったか、海をどれだけ汚染したかということもきちっとホントは言わなければいけないのですが、そういうことに関しては日本の政府はなるべく言いたくないという、そういう姿勢のように見えます。
(水野氏)だから陸地のそれも線でしか比較してない数字であるというふうに私たちは判った上で、これを聞かなきゃいけないんですね?
そんなことまで私らね、わかりませんねん!小出さんの説明聞くから、「あ、そうか」と判りますが。
文部省はこれについてどう結論付けているかというと、
『影響の範囲は、福島の場合チェルノブイリの8分の1、或いはチェルノブイリに比べ一桁程度小さい水準だ』
という言葉も出してるんですね。
これをどう考えたらいいんですか?
(小出氏)まぁ、私はこれまでも何度か聞いていただいたと思いますけれども、「原子力発電所が絶対事故は起こさない」と電力会社も国も言い続けてきてこの事故を起こしているのですね。
大変悲惨な被害が今生じてるわけで、私はそれを生じさせた責任が一体誰にあるのかということを、まずはきちっと調べて処罰してほしいと思ってるのですが、文部科学省という国の機関も、かなり重要な責任があったと私は思いますし、まずは自分たちの責任というものを明らかにすべきだと思うのですが、未だに何の責任も取らないまま、相変わらず「この程度の事故で収まったからいいんだ」と、そのようなことを言い続けているようなのですね。
(水野氏)小出さんから見ると、チェルノブイリとこの福島の原発の事故の影響の範囲っていうんですかね、どう比べてどれくらいだと思われますか?
(小出氏)海も合わせていうならば、多分同等だと思います。
そして、問題は、私が心配してるのは被害なわけで、チェルノブイリ周辺の人口密度と福島周辺の人口密度を比べれば、福島の方が高いわけですから、結局被害としては福島の事故の方が大きくなるのではないかと私は危惧しています。
(水野氏)はい、どうもありがとうございました。
(小出氏)はい。ありがとうございました。
【以上】
【関連記事】
震災がれき:都道府県・政令市に今週、処理要請…閣僚会合
毎日新聞 2012年3月13日 11時24分(最終更新 3月13日 14時26分)
政府は13日、東日本大震災で発生した災害廃棄物(がれき)の処理を進めるため、初の関係閣僚会合を開催した。議長の野田佳彦首相は、被災地以外で処理する広域処理について、全都道府県と政令市に受け入れを文書で要請することや、がれきを再利用し、復興の象徴的な事業として津波の防潮林や避難のための高台を整備する方針を示した。
会合は藤村修官房長官、細野豪志環境相、平野達男復興相ら8閣僚で構成。野田首相は、横浜市の山下公園が関東大震災のがれきで造られていることを挙げ、「がれきを再利用し、将来の津波から住民を守る防潮林や避難のための高台を整備し、後世に残していきたい」と述べた。
広域処理の要請文書は、野田首相名で今週中に送る。また、既に受け入れを表明している自治体には、処理を依頼する具体的ながれきの種類や量を示した文書を送付する。
会合では、セメントや製紙など焼却設備を持つ企業に燃料としての利用を要請することも確認した。
岩手、宮城、福島の3県で発生したがれきは計2252万8000トンで、処分が済んでいるのは6.7%の150万8000トン。【藤野基文】
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120313k0000e010146000c.html
福島原発の放射性物質飛散範囲、チェルノブイリの約10分の1
ブルームバーグ 更新日時: 2012/03/13 17:27 JST
3月13日(ブルームバーグ): 東京電力・福島第一原子力発電所の放射性物質の放出と飛散範囲は史上最悪の原発事故チェルノブイリと比べ推計約10分の1と、文部科学省原子力災害対策支援本部が13日発表した。
文科省の発表によると、福島第一原発の放射性物質放出量はチェルノブイリ原発と比較し、放射性ヨウ素131でおおむね11分の1と14分の1。セシウム137は6分の1と8分の1程度だった。
1986年に起きたチェルノブイリ事故の3年8カ月後のデータと福島第一事故から8カ月後の昨年11月までのデータを比較した。チェルノブイリ原発から250キロメートル離れた地域でもセシウム137の沈着量が1平方メートル当たり148万ベクレルを超えたのに対し、同水準で最も遠かったのは福島第一原発から32.5キロメートル離れた場所だった。チェルノブイリ原発から1700キロメートル離れたノルウェーでも4万ベクレル超が確認された一方、福島第一原発から250キロメートル程度離れた場所から3万ベクレル超が確認されたのにとどまった。
文科省は福島第一原発事故の放射性物質飛散範囲について、チェルノブイリに比べ一桁程度小さいとの判断を示した。
プルトニウム239と240の合計値が福島第一原発から18キロメートル離れた場所で15ベクレルが確認された。チェルノブイリでは3700ベクレルを超えている地域が発電所から30キロメートルの境界でもあった。
昨年の入梅前の6月18日から梅雨明け後の8月2日に福島第一原発から約73キロメートルの農耕地、森林など15地点で実施された土壌調査では、耕された農地を除き、ほとんどで深さ5センチメートルまで放射性セシウムがあることを確認した。
昨年6月下旬から8月初旬まで福島県内の河川50、井戸51カ所で行われた水質調査では、セシウム134の濃度が最大1キログラム当たり0.85ベクレル、セシウム137で1.1ベクレルだった。いずれも摂取制限の暫定規制値200ベクレルを大きく下回った。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M0TDEX6JTSEB01.html
【文科省】平成24年3月13日
東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に伴い放出された放射性物質の分布状況等に関する調査研究結果について
P.20、21、22より
@ セシウム 137 の沈着状況の比較に関する考察
○チェルノブイリ原発事故では、図 15 (a)に見られるように、セシウム 137 の沈着量が1,480kBq/m2 を超える範囲(朱色の部分)が、チェルノブイリ原発から 30km 圏内の他、チェルノブイリ原発から 250km 程度離れた地域でも確認されている。
○他方で、本調査における当該範囲の放射能濃度は、福島第一原発周辺の 34 箇所で確認されており、福島第一原発から最も遠い箇所は、福島第一原発から 32.5km 程度離れた箇所(浪江町)であった。
○また、チェルノブイリ原発事故では図 15(b)に見られるように、セシウム 137 の沈着量が 40kBq/m2 を超える範囲(濃いオレンジ色の部分)がチェルノブイリ原発から1,700km程度離れたノルウェーでも確認されている。
○他方で、平成 23 年 11 月 5 日の放射能濃度に換算した東日本全域における航空機モニタリングの測定結果(図 16 参照)も加えて、当該範囲の放射能濃度の分布状況について評価したところ、40kBq/m2 より多少低い放射性セシウムの沈着量(30kBq/m2)を超える範囲(灰色の部分)は、福島第一原発から 250 km 程度の圏内にしか確認されていない。
○以上から、セシウム 137 の沈着状況についてチェルノブイリ原発事故と福島第一原発事故を比較したところ、発電所近傍におけるセシウム 137 の放射能濃度はチェルノブイリ原発事故と比べて小さいとは言い切れないものの、チェルノブイリ原発事故による環境中への放出及び影響範囲は、福島第一原発事故の影響範囲に比べて一桁程度大きい水準であることが確認された。
http://livedoor.blogimg.jp/tokiko1003/imgs/8/b/8b4d5409.jpg
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http://livedoor.blogimg.jp/tokiko1003/imgs/8/2/82dfa38e.jpg
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/distribution_map_around_FukushimaNPP/5600_201203131000_press.pdf
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