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新潟県環境分析センター(新潟市)は水や食品、土壌などに含まれる放射性物質の検査対象にストロンチウム90を追加した。ベータ線しか出さない放 射性ストロンチウム90の分析は手間と時間がかかるため、測定できる民間検査機関は限られていた。事故を起こした福島第1原子力発電所の周辺自治体を中心 に、検査を求める民間企業などの幅広いニーズに応えたい考えだ。
原発事故を受け、センターは昨年10月から放射性ヨウ素131、放射性セシウム134、セシウム137を分析している。今回、分析対象にストロン チウム90を加えたのは半減期が29年近く、体内に摂取されると、骨に蓄積されて深刻な内部被曝(ひばく)を引き起こす危険性が指摘されているため。
原子炉内の核分裂反応ではセシウム137とほぼ同じ割合のストロンチウム90が生成される。セシウムと違いストロンチウムは原発事故によってあまり飛散しないといわれるが、ストロンチウムはカルシウムと化学的性質が似ており大部分が骨に取り込まれるという。
センターは新潟県の委託を受けて年間数十検体の放射性ストロンチウムを分析してきた。今回、民間企業など新潟県以外からの依頼も受けられるようにするため、約3000万円かけて自前の分析設備を整備した。
センターは国際的にも通用する放射性ストロンチウムの分析方法を採用した。簡易法と違って、天然でベータ線を出すラジウムや鉛などが含まれている ことが多い土壌などの正確な検査にも使える。分析料金は1検体20万〜25万円。センターでは「月に最大15件の試料を検査できる」(猪俣勝一理事長)と いう。
放射性ストロンチウムの分析日数は1カ月半〜2カ月。ガンマ線の放出を基に約1時間で測定できる放射性セシウムと違って、すぐに結果は出ない。例えば海水の検査では、5月ごろに始めないと7月の海水浴シーズンに間に合わないほど日数がかかる。
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