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政府は9日、東京電力福島第1原発事故への対応を行った原子力災害対策本部の議事概要などを公表し、事故が発生した昨年3月11日午後7時すぎに開かれた第1回会議から炉心溶融(メルトダウン)の可能性が指摘されていたことが明らかになった。翌12日正午すぎからの第3回会議でも炉心溶融を懸念して避難範囲の見直しに言及した閣僚もおり、政府が早い段階から炉心溶融の可能性を認識していたことがうかがえる。
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第1回会議では、全電源が失われ、電池で動く原子炉冷却装置だけが動いていることが指摘され、この状態が「8時間を超え、炉心の温度があがるようなことになるとメルトダウンに至る可能性もあり」と報告された。ただし、この時点では放射性物質の外部放出が確認されていなかったことから「直ちに特別の行動は不要」との発言もあった。
第3回会議では、玄葉光一郎国家戦略担当相(当時)が「メルトダウンの可能性がある。避難地域(当時は半径10キロ圏内)を考え直す必要はないのか」と懸念を示し、菅直人首相(同)も「楽観はできない」と発言。その約3時間後に、1号機で最初の水素爆発が発生した。
その後、12日夜に開かれた第4回会議では、海江田万里経済産業相(同)が1号機の中央操作室や敷地境界で放射線量が大幅に上昇していることを報告。菅氏が「チェルノブイリ型(の水蒸気爆発)はあり得るのか。スリーマイルのようなメルトダウンがあり得るのか」と問いかける場面もあった。
一方、実際は原子炉圧力容器や格納容器が破損し、核燃料によって汚染された水が外部に漏れ出す事態に発展したにもかかわらず、13日午前10時すぎの第5回会議では、海江田氏が「1号機で爆発が起きたが、原子炉は頑丈な鋼鉄製の格納容器に納められており、深刻な破損はない旨報告を受けている」と話すなど、被害を過小に見積もっていたことを示す発言もみられる。
しかし、公開された議事概要は出席者の発言が箇条書きで羅列されているだけで、避難区域の設定などの重要な決定の過程はほとんど分からない。
政府が震災や原発事故に関して設置した15会議のうち10会議で議事録が作成されず、このうち原子力災害対策本部など3会議は議事概要もなかった。政府は批判を受けて、会議の出席者のメモや関係者への聴取などをもとに議事概要を作成した。3会議のうち残る緊急災害対策本部と被災者生活支援チームの議事概要も9日、公表する。【西川拓】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120309-00000040-mai-soci
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