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農作物想定以上の汚染範囲 検査手引書 現実離れ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012030502000028.html
東京新聞 2012年3月5日 朝刊
原発事故が起きた際には、自治体は放射性物質による農作物の汚染を国が定めたマニュアルに沿って調べることになっている。しかし、東京電力福島第一原発の事故では、想定よりずっと広い範囲に汚染が広がり、マニュアルはまるで機能しなかった。自治体からは経験を踏まえたマニュアル改正を求める声があるが、厚生労働省は放置したままだ。
二〇〇二年につくられたマニュアルでは、検査する野菜などの品目や集める地域、農家まで事前に事細かく決めておくよう自治体に求めている。
福島県はマニュアルに従い、原発から十キロ圏内で検査サンプルの提供を受ける農家も選定していた。しかし、汚染範囲はもっと広く、十キロ圏外でサンプルを集めるのは非常に困難だった。
当初、厚労省は露地栽培のホウレンソウなど葉物野菜を調べるよう指示したが、収穫シーズンが異なるため、県全域からホウレンソウを集めるのは現実的ではなかった。
農作物は安定供給のため、同じ県内でも出荷時期がずれるよう作付けを調整している。会津地方ではネギや大根などが旬で、ホウレンソウなどに品目を限定されると、検査するものがない、という悪循環も起きた。
逆に原乳では、単一農家のサンプルと、複数農家の原乳が集まる集積所のサンプルが混在する事態が起きた。隣接する茨城、宮城両県では集積所で集めた原乳が検査されていた。
放射能汚染は必ずしも均一には広がらず、まだらに広がる場合がある。単一農家では当たり外れが大きく、集積所のものでは、濃度が低く出てしまう傾向がある。これでは同じ原乳のデータといっても、意味合いが違い、比較が難しくなってしまう。
実際の事故対応での反省を踏まえ、福島県の担当者は「作物の形状や作付け方法など大まかな検査ルールを定め、あとは作付けの状況など地域の実情に応じてサンプルを集め、検査するようにすべきだ」と話す。宮城、茨城両県の担当者からも同様の声が聞かれた。
だが、厚労省の担当者は取材に対し「マニュアルを変えるつもりはない」と回答した。
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福島第一原発事故では、事故に備えた対策を十分に講じていなかったことなど、さまざまな安全・防災面の不備が露呈した。どんな問題が浮かび、その後どうなっているのか。事故から浮かぶ「『福島』の教訓」を探り、随時掲載する。
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