http://www.asyura2.com/12/genpatu21/msg/292.html
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・「全国で瓦礫を積極的に受け入れないと復興が大幅に遅れてしまう」は正しくはないという話
http://hamstern.air-nifty.com/mogumogu/2012/02/post-befe.html
「今回の震災では岩手県と宮城県で2000万トンもの瓦礫が発生した。東京では一年で50万トン受け入れるとの事だが、一県あたり50万トン前後受け入れるとしたら、2000万トンもの瓦礫を処理するには、日本の大半の県で瓦礫を積極的に受け入れて処理しないと復興が大幅に遅れてしまう。」みたいな意見を最近よく見かけます。
この数字は色々間違っています。
確かに今回の震災では、推定で岩手県では440万トン、宮城県では1590万トンの瓦礫が発生したと言われています。(*この数字はニュースソースにより多少前後したりしますが、今回は以後この値で計算します)
岩手と宮城あわせると2000万トンほど瓦礫が発生した事になりますが、このうち県外で処理予定(『広域処理』対象)の瓦礫は岩手県では57万トン、宮城県では350万トン(当初は290万トンくらいだったが、最終的には350万トンほどに確定)です。
「2000万トンを(岩手・宮城でも処理しつつ)全国で処理する」ではありません。
正しく言えば、「発生した瓦礫のうち、岩手・宮城あわせて400万トンを県外で処理してもらう予定。そのうち、東京は1年で50万トンの処理を予定。」であり、「日本の大半の県で瓦礫を積極的に引き受けないと大幅に復興が遅れてしまう」は間違っており、「1県あたり年間50万トン前後処理できるとしたら、日本の一部の県が瓦礫を受け入れるだけで1,2年で広域処理対象の400万トンの瓦礫の処理は終了できる。」が正しいです。
日本全国でこぞって瓦礫を積極的に受け入れる必要は全然ないのです。
参考
http://3coco.org/a/modules/d3pipes/index.php?page=clipping&clipping_id=1144
(上記リンク先以外でも「広域処理対象 瓦礫 400万トン」などで検索してみてください。)
環境省が新聞広告で「岩手・宮城それぞれ11年・19年分もの瓦礫が発生しました。全国で処理しないと・・・・」みたいに言ってますが、これも色々おかしい。
先に書いたように、岩手県では440万トンのうち57万トンを県外で、宮城県では1590万トンのうち350万トンを県外で処理してもらう予定となっています。
じゃあ残りの瓦礫は岩手が383万トン、宮城は1240万トンあり、それらは各々の県内で処理予定という事になります。
環境省は、「岩手・宮城の瓦礫は2014年3月までに瓦礫の処理を終了する」と告知しています。
つまり岩手は383万トンを三年ほどで、宮城は1240万トンを三年ほどで県内で処理する予定との事です。
「岩手・宮城それぞれ11年・19年分もの瓦礫が発生した」と、「発生した瓦礫のうち8〜9割ほどは県内で処理予定だが、三年で処理を終える」はずいぶん矛盾してるように思いませんか?
この矛盾は何故発生してるかというと、
1・震災直後は一部の焼却場・処理場なども被害を受けて稼動を停止してて、「11年分」や「19年分」はその処理能力が落ちた上での数字(という話もある)
2・そもそも焼却場・処理場はいつもフル稼働してるわけではなく、震災などが起きた際は処理を進めるために稼働率を高めて処理能力を大幅に上昇させる。
3・阪神大震災の時もそうだったが、被災エリアに新規に仮設の焼却場・処理場をいろいろ増設し、瓦礫処理を大幅にスピードアップさせる。
というわけで、県外では1割前後しか瓦礫を処理してもらわないのに、「たった三年で瓦礫を処理できる」と環境省は言っているのです。
もし全国での瓦礫受け入れが進まなくても、それによって瓦礫の処理が何年も引き伸ばされるわけではありません。
せいぜい三年の処理が一〜三ヶ月ほど延びる程度です。
「一割だけでなくもっと多くの瓦礫を県外で処理しないのは何故?その方が早く瓦礫処理は終わるでしょ?」と思うかもしれませんが、復興の際の瓦礫処理では一時的ではあれ多くの雇用が発生します。
瓦礫の多くを県外で処理してしまうと、地元の雇用につながらず、復興の妨げとなってしまうのです。
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