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食品被曝の規制値について・・・お母さんが安全に買える規制値とは?
http://takedanet.com/2012/02/post_b256.html
平成24年2月21日 武田邦彦(中部大学)
原発事故以来、主に食品の専門家を中心に今までの「健康を第一とする食品規制」を変更し、「食糧を確保するためには、被曝も認める」という考え方に変えた学者が目立ちました。マスコミはそれに追従して、「牛肉が汚染されたが、毎日**グラムしか食べないので、1年間食べ続けても・・・」という報道をしたので、多くの人が本当にそのように考えるのだと思ってしまったのです。
「知」というのは理論もあるが、今までの「経験の知」を活かして少しずつ前進し、人間の知という財産を殖やしていくものです。その点では、あれだけ中国の食材に苦情を言えるぐらい、これまで築き上げてきた日本の食品の安全性が大きく後退したことは残念です。
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まず、素人的に考えてみます。あるお母さんがスーパーに買い物に行って、「普通に食べても規制値に達しないほうれん草」を買ったとします。そのほうれん草には、「普通の人が普通に食べても、規制値の5分の1(0.2)にしかならない「十分に安全な量」の農薬が含まれていました。
そのお母さんの家族は特にほうれん草が好きで、厚生労働省が「日本の家庭の平均的なほうれん草の摂取量」の3倍を買いました。もともと、「平均的なこと」を計算するときには{(ほうれん草の販売量)÷(日本人の数)}で計算しますが、この「日本人の数」には「ほうれん草を食べない人」も入っています。
本当は{(ほうれん草の販売量)÷(ほうれん草を食べた人)}で計算するのが正しいのですが、「ほうれん草を食べた人」の数はわからないので、「日本人の数」で割ることになります。だから、どうしても統計で示された「1日で食べる量」というのは小さめにでます。
次に、そのお母さんはリンゴを買ったとします。そのリンゴにも農薬が含まれていて、「普通にリンゴを食べる量」では規制値の5分の1(0.2倍)でしたが、そのうちはミカンやバナナなどはあまり食べず、リンゴが好きだったので、ここでも厚生労働省の摂食量の3倍を買いました。
そうすると、そのお母さんが買った食品の中に含まれる農薬は、ほうれん草から0.2×3=0.6と、リンゴからの0.2×3=0.6の合計、1.2の農薬を家族がとることになって合計では規制値を超える。
このほかに、お母さんは牛肉を買い、そこには紅い色をつける添加剤が入っていて、それはほうれん草やリンゴの農薬と反応して、弱いけれど毒物を発生することという論文が出ていました。でもお母さんは牛肉にそういう表示もしてないし、研究論文を読んでいるわけではないので、牛肉を買ってしまい、その結果、家族はさらに有害物を口にすることになります。
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このことで判るように、特定の食品の安全性は、その食品を「平均的に口にする人」だけを考え、さらに「その食品だけに毒物が入っている」としてはいけないということがわかります。あくまでも「添加側」の論理ではなく、「被害を受ける側」に経たなければならない、それは当然です。
そうなると、食品中の毒物の規制はどのようにしたらよいのだろうか? 家庭によって食べる量は違うし、何種類の食材を買うのかわかりません。でも、お母さんがそんなことを考えずに、家族が楽しく食卓を囲むように、「これも食べさせたい、あの子はあれが好きだから」ということだけを考えて食材を選ぶことができないのでしょうか?
そこで、これまでのさまざまな経験を活かして、動物実験などで「無毒量」を決め、その「100分の1」を規制値にするという原則を使っています。無毒量は「これまでの実験結果から、信頼できる結果を取り出し、そのうち、もっとも厳しい(低い)値を採用するということになっています。
また、100分の1とは、「数や学問的な誤差も入れて10分の1」、「個人差を入れて10分の1」ということで、多く食べる人、小さいお子さん、病気がちの人なども安心できるように「規制値の100分の1」で管理すればよいというのが経験的な知なのです。
http://takedanet.blogzine.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2012/02/21/bandicam_20120221_090447100.jpg
この図は健康を守るのに重要なものなので、ネットからお借りしましたが、このように一般的によく使われている考え方なのです。
この原理原則を放射性物質による食材汚染に適応した場合、1年1ミリが「無毒量」とするとその100分の1が限度になり、1年100ミリが「無毒量」とするとその100分の1の1年1ミリが限度となります。しかし、農薬などと違い、外部からの被曝も受けますので、食材を0.4ミリとすると、1年0.4ミリとなり、これはおおよそ1キロあたり(1日の食材量が1キロとして)40ベクレルが限度になるということです。
つまり、これまでの食品安全の知見との関係では、1年40ベクレルを超える食材が出回ったら、専門家もマスコミも大騒ぎしなければならないということです。それなのに、このような考え方を捨てて「牛肉は1日に**グラム食べるし、毎日、食べるわけではないから大丈夫」などという計算値をまともに出すのですから、政府や専門家が一貫性が無いことが判るとおもいます。
文句を言っていてもダメなので、1キロ40ベクレルを基準にして生活をすることでしょう。また、「牛肉は一日に**グラムしか食べないから・・・」などという自治体があったら直ちに具体的に間違いを直さなければなりません。
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