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ロイター記事より
[東京 20日 ロイター] 関西電力(9503.T: 株価, ニュース, レポート)高浜原子力発電所(福井県高浜町)3号機が20日、定期検査のため運転を停止したことで、国内の原発54基のうち稼動は2基となった。停止中の他の原発の再稼動がない場合、4月末までに国内の原発が全て停止する前代未聞の事態に陥る。
再稼動には立地自治体の同意が焦点になるが、前提となる政府の取り組みに対する批判が強いため実現は不透明だ。原発の大半が停止した場合、政府は必要な電力が不足すると想定する一方で、需給ギャップ解消のめどはついていない。
<ストレステストへの根強い批判>
現在稼働中の原発2基のうち東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市)6号機は3月26日に、北海道電力(9509.T: 株価, ニュース, レポート)泊原発(北海道泊村)3号機は4月末にそれぞれ停止し、この間、停止中の原発が再稼動しないと全国の全54基(廃炉決定の東電福島第1原発1─4号機含む)が停止する。国内の原発は1970年代から数が増え始めたが、「70年代前半の黎明期を除くと、全国で全基停止したことはない」(業界関係者)という。
原発は国内総発電量の約3割を担う基幹電源だが、最大需要期の夏場に向けて停止中の原発が再稼動するかどうかは現時点では不透明だ。福島事故を受けて菅直人前首相の政権が再稼動に向けて定めた手続きは、各プラントが地震や津波にどの程度まで耐えられるのかをコンピューターでシミュレーションするストレステスト(耐性検査)を各電力が実施し、その内容を国が審査、その上で首相と経済産業相など関係閣僚が政治判断するが、それらに加えて立地自治体や議会の容認が不可欠な要素となる。しかし、福井県や新潟県といった原発が数多く立地する自治体の首長からはストレステストを批判する声が上がっており、再稼動は予断を許さない状況だ。
今月8日には経済産業省原子力安全・保安院が関電大飯原発(福井県おおい町)3・4号機のストレステストの内容は「妥当」とする判断を示したが、県内に13基の商業炉を抱える福井県の西川一誠知事は同じ日に、「国が東電・福島原発事故の知見を反映した暫定的な安全基準を示すことが大前提」との談話を発表、ストレステストでは不十分との認識を示している。柏ア刈羽の7基が立地する新潟県の泉田裕彦知事も8日の会見で、「福島原発は適切な対応をすれば(事故が)防げたものか、不可避なものだったのかという議論が全くされていない。福島での事故の検証をまずやることが必要だ」と指摘した上で、ストレステストは「気休め」と批判する。
<需給ギャップを埋める手段とは>
政府の「エネルギー・環境会議」が昨年11月に示した需給予想によると、今年夏に原発の稼動がゼロで一昨年夏並みの猛暑となった場合、火力発電の積み増しやガスタービンなど緊急に設置できる設備を最大限上積みしても7%の供給不足が生じる。ただ、枝野幸男経済産業相は1月27日の会見で、「もし全ての原発が(夏に)利用できないと電力需給は相当厳しいと予想されており、節電のお願いはしないといけないが、(大口電力利用を強制的に抑制する)電力使用制限令によらずに乗り切れる可能性は十分にある」と強調した。
とはいえ、乗り切れるとする根拠について枝野経産相は「数字も含めて検討している」としながらも、具体的には示していない。経産省の担当者は、「需要ピーク時に電気を使用しなかったら料金を安くするといったメニューの拡充を電力会社に促すなどの対応策を検討している」と話すが、需給ギャップを埋めるだけの対策は固まっていないという。政府による8月の需給予想で約2割の供給力不足見通しの関電は「広域停電や計画停電だけは絶対に起こしたくない」(関係者)と危機感を募らせている。藤村修官房長官は20日の会見で、電力需給見通しについて「春に一度レビューを行う予定だ」と述べた。
<再稼動、世論の動向に左右されるか>
日本エネルギー経済研究所は、今年夏に全ての原発が稼動しなかった場合、LNG(液化天然ガス)など代替火力燃料費は2010年度に比べ3兆3000億円増えると予想する。また、大和総研は「仮に我が国の原発が全て停止した場合、実質GDP(国内総生産)に対しては1%以上の低下圧力がかかる可能性がある」(1月20日付リポート)と試算するなど、国内経済への悪影響を懸念する見方も広がっている。与党民主党のある国会議員からは「政府は需要に見合う供給態勢を確立する責任を負っている」といった、再稼動は必要とする声も聞かれる。
再稼動の判断に加わる枝野経産相はこの夏の原発再稼動の見通しについて、「安全・安心という(需給とは)全く別次元で結論が出るので、どうなるかわからない状況だ」(1月27日の会見)と述べ、再稼動は需給動向やその経済的な影響に縛られずに判断すべきとの認識を示している。今年は総選挙が行われる可能性が指摘されており、原発に対する世論の動向が再稼動に向けた政治判断に影響する可能性も否定できない。ある経産省幹部は「現政権は選挙前に再稼動の判断をしたくないのでは」と指摘している。
(ロイターニュース、浜田健太郎;編集 橋本浩)
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