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株式日記と経済展望
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「私は事務系」 「どういう助言をしたか、覚えていない」発言したのは、原子力
安全・保安院の寺坂信昭前院長と原子力安全委員会の班目春樹委員長である。
2012年2月19日 日曜日
◆保安院・安全委 無責任発言にあきれる 2月17日 信濃毎日新聞
http://www.shinmai.co.jp/news/20120217/KT120216ETI090007000.html
原発の安全性を監視する組織のトップ2人が、国会が設けた原発事故調査委員会で当時の状況を語った。
「私は事務系」「どういう助言をしたか、覚えていない」など当事者とは思えない釈明だった。
安全性への信頼が地に落ちたまま、定期検査中の原発を再稼働させれば将来に大きな禍根を残す―。そんな疑問が一段と募る答弁である。
事故調は原子力行政のうみを徹底的に洗い出してもらいたい。
発言したのは、経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭前院長と原子力安全委員会の班目春樹委員長である。
保安院は安全審査や定期検査など電力会社をチェックする実務を担う。一方、専門家からなる安全委は内閣府に置かれ、保安院を監督したり、指針を整備したりする。このダブルチェック態勢で安全性が保たれる仕組みだった。
だが、昨年3月の原発事故で、いずれも十分に機能していなかったことが明らかになった。国会の事故調が、両氏に当時の状況をただしたのは当然だ。
寺坂氏は昨年3月の原子力緊急事態宣言後に、それまで詰めていた官邸をあとにし、保安院で対応に当たったという。「私は事務系なので、理系の次長が官邸に残った方がいいと判断した」。これが、氏の言い分である。
「緊急事態に対応できる人材がいたかというと否定的にならざるを得ない。専門性、知見、習熟度は米国やフランスと比べて弱かった」とも述べている。
班目氏は「事故当時、1週間以上ほとんど寝ておらず、記憶は飛んでいる」と発言した。「国際安全基準に全く追いついていない。30年前の技術で安全審査をしている。早急に直さないといけない」などとも語っている。
保安院が人材不足だと分かっていたなら、寺坂氏はなぜ補強に全力を注がなかったのか。安全基準が遅れていたと言うなら、班目氏はなぜ一日も早く改善することに力を尽くさなかったのか。
両氏の発言からは、安全性の要を担う立場にありながら、強い自覚と責任感が伝わってこない。大事故を人ごとのように振り返る言い方には違和感が残る。
2人の発言を聞くと、安全性を担う人材の乏しさが気になってくる。原子力規制庁が新設されるからといって、監視態勢が整うと考えるのは早計だろう。
原発事故が提起した問題の根は深いとみるべきだ。
◆東京電力福島原子力発電所事故調査委員会第4回委員会報告 2月15日
http://www.naiic.jp/wp-content/uploads/2012/02/ik04.pdf
1)
原子力安全委員会の班目委員長自身が安全指針そのものに瑕疵があったことを認め、謝罪された。とくに昭和39年の原子炉立地審査指針という、時代に沿わない指針をもとに設置が許可されていること、今回の事故では、同指針に規定する「仮想事故」(「重大事故を越えるような技術的には起こることは考えられない事故」)よりも、はるかに多くの放射能が放出され、現状の発電所の安全性に大きな問題があることが明らかになった。また、(原子力発電所を)建てられない日本に、建てられるように基準を作っており、全面的にその改訂が必要であるとの認識も示された。
2)
それぞれの組織とも原子力の安全を担う使命を持っているものの、緊急時の備えが出来ていなかった。また、そこには事故はないであろうという前提で推進されてきた原子力の根本的な問題を含んでいると思う。それぞれの組織が住民あるいは国民の安全を守るという意識が欠如しているということも判明した。
3)
組織としての専門性のなさ、組織の長としての専門性のなさによる問題も浮き彫りにされた。独立性の高い、科学的根拠に基づいた勧告や提言の行える制度や組織の重要性が改めてクローズアップされたのではないだろうか。
今後、原発事故を引き起こした日本としては国際的な信頼に足る安全基準をつくる責
務があることの必要性も浮き彫りになった。
このあと記者会見ではメディアとの質疑に移りました。
いくつかの質問のうち、あるメディアは、「班目委員長が、SPEEDIは機能していない
ということを認めたが、当事者意識のない発言であり責任感がないとしかいいようがない。どう考えるか」という質問がありました。
これについて、黒川委員長は「SPEEDIそのものは、被災者向けに役立つためにつくったはずなのに、(ああいった発言があることは)理解できない」と述べました。
また、別のメディアは「きょうの参考人聴取で、班目委員長が、原発事故に関しては事業者(の東京電力)に責任がある、事業者の責任をもっと強めるべきだ、と述べたが、黒川委員長としては、原発の安全責任が国にあるのか、あるいは事業者にあると思うか」という質問に対して、黒川委員長は「原子力安全・保安院が(監督官庁として)原発の安全確保のためのルールやガイドラインをどうやって決めていたのか、と思う」と述べました。
また、国会事故調が黒川委員長名で、2月2日に、4月に政府が発足させる予定の原子力規制庁に関して、国会事故調が事故原因調査を踏まえて、行政組織の在り方も提言する予定でいるのに、その前に閣議決定するのは問題だ、と声明を出した問題が、メディアから取り上げられ「原子力規制庁そのものについて、別途、声明を出す考えがあるのか」という質問がありました。
これについて、黒川委員長は「国民の安全に関わる極めて大きな問題であり、また世界も注目している問題であるので、国民の代表である国会の場で十分にこの問題は議論してほしい。新たな原発規制機関は、透明性や専門性を高めるようにすることが大事だ。安全に対して厳しい規制を求める世界の情勢に対応できるのかという問題意識を持っている。規制機関は権限と同時に、責任をしっかり持つことが大事だ」と述べました。
また、別のメディアからは「事故当時、首相だった菅直人氏を、今回のように参考人聴取の形で、委員会に招致する考えはあるのか」という質問がありました。
これに対して、黒川委員長は「どういうタイミングで、どうやるか、まだ決めていない」と述べました。
最後に、国会事故調側から、次回の第5回委員会は、2月下旬に行う予定だ、との発表があり、記者会見を終えました。
◆2.15第4回国会東京電力福島原子力発電所事故調査委員会 3時間11分
(私のコメント)
福島第一原発の事故は、国会の事故調査委員会における二人の責任者たちの発言から分かるように、起こるべくして起きたのだろう。専門家であるはずの斑目委員長は、事故が起きた一週間は寝ていなくてないを言ったか覚えていないそうです。保安院の院長であった寺坂氏は事故直後からいるべき現場から離れてしまった。
これでは、福島原発事故の処理を何をどうしていくかわからなくなるのは当然だ。運転の当事者である東京電力の勝俣会長は中国にマスコミ要人を連れて旅行に行っていたし、清水社長は大阪に出張していた。これでは廃炉も覚悟した重要決定が出来るはずもなく、現場は上からの指示もなく右往左往してしまった。
大事故は24時間以内の措置によって大きく変わりますが、廃炉を覚悟して最初から海水を注入するしか他に方法はなかったのだろう。緊急冷却装置も弁が閉まってしまうことを誰も知らなかった。もし稼動していれば水素爆発は防げたのかもしれない。ベントなども手動で開ける操作はマニュアルもなく一号機は水素爆発を起こしてしまった。非常事態における操作訓練が出来ていなかったことがわかる。
原子力行政は、事故が絶対に起きないという前提ですべてが成り立っており、事故が起きた場合の対策を考えると原発を設置する場所の理解が得られなくなってしまうから、原発事故は絶対に起きないと言うことが一人歩きをしてしまった。事故の危険性を指摘するものは原子力行政から外されてしまった。
事故は起きないと言う前提条件がひっくり返ってしまったのだから、当事者が何も出来なくなる事は当然であり、専門家たちも適切な指示が出せなくなり、現場は何をどうしていいのか分からなくなってしまった。外部電源も自家発電機も破壊されるようなことはテロなどを考えれば十分あるにも拘らず対策が考えていないと言うのは、学者バカと無責任官僚のせいなのだろう。
現在ある原子力発電所も、送電線を破壊して自家発電機の配電盤を爆破してしまえば、使用済み燃料棒も含めて大爆発をする事が分かってしまった。最悪の場合は東京も3000万人が避難しなければならないような状況もありえた。原発本体は安全でも使用済み燃料棒が、あのような危険な場所に原発建屋のなかに保管されていると言うのは、どう考えても危険だ。
原子力発電所は、いったん大事故が起きれば半径数十キロが人が住めなくなるのだから、安全対策は十分に行われていなければならなかったのですが、地震や津波なども対策らしい対策が出来ていなかった。本体は大丈夫でも配管が30年も経てば劣化して全部交換しなければならなくなる。ビルやマンションなどの上下水の配管も30年経てば腐食して交換しなければならないのと同じだ。
結論的に言えば原発は30年経ったら廃炉にすべきであり、どのように原発を解体するかも想定した設計がなされるべきですが、現在でも解体するのにどれくらいの期間と費用がかかるのかも計算されていない。火力発電所なら数億円で1ヶ月で解体することが出来る。しかし原発を解体するには数兆円かかるかもしれない。
「株式日記」では原子力発電所は国営にせよと主張してきましたが、民間の電力会社では、斑目委員長が言っていたように一番低い安全基準でいいいように引きずられてしまう。電力会社は資金力で原子力保安院や原子力安全員会を骨抜きにしてしまう。その結果が福島第一原発の事故につながった。アメリカでは実質的には軍が管理しているし、フランスでは国が管理している。いったん大事故が起きれば電力会社では対処できないからだ。
電力会社には原子力の専門家がいるわけではなく、単なるオペレーターがいるだけだ。しかも弁の操作も出来ないようなオペレーターでは意味が無いのであり、現場における人材の質もかなり低下していたのだろう。私自身もビルの管理をしているわけですが、停電事故が起きても事故原因がどこにあるかを見つけなければなりませんが、電気の専門家でなければ分からない。
私のビルでも一階のテナントから停電で大元のブレーカーが落ちるのですが、水で掃除する時にコンセントに水をかけていたり、自動ドアの配線が擦れて漏電したりと、その度に私のところにクレームが来るが、私自身が電気工事士であり、すぐに原因が分かった。原子力発電所にはこのように専門家がいなければなりませんが、素人の集まりに近くて適切な手が打たれなかったことが大事故になったのだろう。
国の政治でも同じであり、素人同然の国会議員が大臣になっているから官僚に実権が移ってしまう。しかし官僚も専門家ではないから専門的なことが分からない。日銀もようやくインフレターゲット政策を受け入れたようですが、私は元銀行員であり、零細な不動産経営者だから、金融も経済の事も財務省のバカ官僚よりかは現場の事が分かる。そうでなければとっくに私の会社は倒産しているだろう。
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