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「原発ゼロ」備える自治体 ガス・雪…「地の利」生かす
http://digital.asahi.com/articles/TKY201202170683.html?ref=comtop_middle_open
2012年2月18日03時00分 朝日新聞デジタル
今月20日に関西電力高浜3号機が定期検査で止まると、全国54基の原発のうち、動いているのは東京電力柏崎刈羽6号機と北海道電力泊3号機の2基だけになる。事故への不安から再稼働へのハードルが高くなるなか、近づいてくる「原発稼働ゼロ」の瞬間。各地の自治体では、原発依存からの脱却に向けた取り組みが進んでいる。
地域の特徴を生かし原発以外のエネルギー活用を模索する動きが、原発の立地・周辺自治体で広がる。
東京電力柏崎刈羽原発から近いところで10キロほどの新潟県長岡市は昨年10月、「ガスタウン構想」を打ち出した。市内で年間約13億5千万立方メートルが生産され、全国生産量の約4割を占める天然ガスを生かし、「原発に代わる安定した電力供給の道筋をつくりたい」(森民夫市長)という狙いだ。
構想では、市消防本部庁舎と4月オープンの新市庁舎に、天然ガス発電機を導入。発電で生じた廃熱も利用する「コージェネレーションシステム」を組み入れ、屋根の雪を溶かしたり冷暖房・給湯に使ったりする。市は新年度予算案に、天然ガス発電所を建てられるかどうかの調査費を盛り込んだ。
東電福島第一、第二原発から約80キロの福島県猪苗代町は、外気に比べて夏場は低く、冬場は高い地熱の特性を利用する。役場の駐車場から冷気や熱を取り出して冷暖房に活用し、重油と電気の使用量を減らし、冷暖房費を年約200万円減らせると見込む。同県喜多方市にある県喜多方合同庁舎では今夏から、雪を使って冷風を生み出す「雪冷房」が稼働。雪の貯蔵庫で雪解け水を作り、庁舎内を循環する空調水を冷やすという。
静岡県は、中部電力浜岡原発(同県御前崎市)の運転再開のめどが立たないなか、自然エネルギーの県内導入率を2020年度までに10%以上にする計画の前倒し実施を決めた。日照時間全国3位、温泉数全国4位の「地の利」を生かし、1万1千戸を対象に、住宅用の太陽光発電パネル設置に最大10万円を助成する。
小水力に使える河川の水資源量(包蔵水力)が全国1位という岐阜県は、農業用水の活用に力を入れ、売電収入による用水の維持管理費の軽減や農山村の活性化をめざす。福島第一原発の事故以降、候補地選定を前倒しして普及啓発費も増額した。
日本原子力発電東海第二原発がある茨城県東海村は庁舎内の電力使用量15%削減を目標として設定し、16の村立施設に置かれる清涼飲料などの自動販売機33台を撤去した。村は、「不便さを受け入れる」生活スタイルへの転換を理念として提示。電力会社による料金値上げの動きもあり、電力使用量を抑えようという取り組みも各地で広がっている。
■停止中でも課税 「福井方式」の検討相次ぐ
立地自治体の大きな課題となっているのが、原発停止による税収への影響だ。
原子炉に核燃料を入れるたびに課税してきた核燃料税は、稼働停止で徴収が難しくなっていたが、全国最多の原発を抱える福井県が昨年7月、稼働していなくても課税できるよう条例を改正した。
この全国初の「福井方式」について、新潟県の泉田裕彦知事も「検討に値する」と評価する。ただ同県は条例で2014年11月まで、原子炉に挿入された核燃料の価格に14.5%を課税すると規定。県税務課の担当者は「課税方法を変えるとしたら、この期限が切れてからだろう」と話す。
定期検査に入った原子炉はストレステストも受けるため、課税できない状態が長く続く。このため、税収は減少。同県の今年度の核燃料税の収入は、当初見込みより8億円以上少ない14億1千万円にとどまる見通しだ。今後の状況が見通せないため、新年度当初予算案には核燃料税を計上しなかった。
茨城県も、運転再開のめどが立たない東海第二原発の核燃料挿入分については、新年度当初予算案への計上を見送ることを決定。全4基が停止中の九州電力玄海原発を抱える佐賀県も、新年度当初予算案への計上を見送った。計上見送りは初めてで、稼働停止中でも徴収できないかを含めて、課税のあり方を検討している。
固定資産税や電源立地地域対策交付金などの原発財源が一般会計予算の7割以上を占める同県玄海町は昨夏から、1〜4号機の廃炉を想定した財政シミュレーションを開始した。だが、各自治体とも当面をしのぐ一方、長期の原発停止や廃炉を見越した税源確保を検討しているが、具体的な対策づくりはこれからだ。
影響は税収だけにとどまらない。九電川内原発が立地する鹿児島県薩摩川内市は昨年9月、川内原発の3号機増設に伴う九電からの協力金(寄付)などを財源に、中心市街地の複合拠点施設の建設計画(総事業費約40億円)を立てていたが、3号機の増設は見通しが立たず、建設計画も断念した。
原発が停止していても、安全対策は欠かせない。新潟県では、福島第一原発事故をきっかけに県内の全30市町村長が「原子力安全研究会」をつくり、政府や東電、県に原発事故・放射性物質対策を働きかけている。今月9日には、柏崎刈羽原発で深刻なトラブルがあったときに東電から28市町村へ報告する「通報連絡協定」を結んだ。
浜岡原発を抱える静岡県では、市長会(23市長)が原発について知識を深める勉強会を新年度にも実施する。発案した牧之原市の西原茂樹市長は「現在の浜岡原発には、100%の安全は不可能だ。稼働に賛成派も反対派も知見を持って勉強することが大事」としている。
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