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ザ・特集:福島第1原発事故11カ月 「死の灰」の教訓、どこへ 大石又七さんに聞く (毎日新聞) 
http://www.asyura2.com/12/genpatu21/msg/174.html
投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 2 月 17 日 01:51:23: igsppGRN/E9PQ
 

ザ・特集:福島第1原発事故11カ月 「死の灰」の教訓、どこへ 大石又七さんに聞く
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120216ddm013040033000c.html
毎日新聞 2012年2月16日 東京朝刊


 ◇ビキニ環礁水爆実験で被ばく、第五福竜丸乗組員

 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故から、11カ月が過ぎた。広くまき散らされた放射性物質の影響が懸念される中、58年前の被ばく経験を語り続ける人に会いたくなった。米国が太平洋のマーシャル諸島ビキニ環礁で実施した水爆実験で、放射能を含む「死の灰」を浴びた第五福竜丸の乗組員の一人、大石又七さん(78)。今、何を思い、何を訴えるのか。【宍戸護】

 ◇国の対応や差別、偏見…何も変わっていない

 「広島、長崎の原爆では多くの人が爆風や熱線を浴びましたが、私たちは空から落ちてきた白い粉に放射線が含まれていて、内部被ばくしたのです」。11日、西東京市であった市民団体と市共催の学習会で、大石さんは約60人の聴衆に自らの経験を語った。東京都内で長年営んでいたクリーニング店は10年末に閉じた。がっちりとした体格に海の男の面影が残る。

 「これまで自分の体験を言葉や文章にしてきたが、元漁師の洗濯屋が言うことには振り向いてもらえなかった。しかし、福島の事故が起こってからは『他人の哀れな話』ではなくなったのです……」。「他人の哀れな話」。日本の反核運動のきっかけともなった壮絶な体験をそう表現するところに、歩んできた道のりの険しさがにじむ。

 第五福竜丸の母港がある静岡県焼津市の隣、吉田町に6人きょうだいの長男として生まれ、14歳でカツオ船に乗った。二十歳になったばかりの1954年1月、マグロはえ縄漁船の第五福竜丸で出港。3月1日の夜明け前、爆心地から約160キロの太平洋上で水爆実験に遭遇した。直後の模様を、自著「死の灰を背負って」に書いている。<閃光(せんこう)が見えてから2時間くらい、ふと気がつくと雨の中に白い粉のようなものがまじっている。(略)唇のまわりについた粉を、口に含んでかんでみるとジャリジャリして固い>

 この粉は後に、水爆で焼けたサンゴ礁が灰になって上空に飛び散ったものと分かる。「船のデッキの上に、足跡が残るくらい積もった。ただ、体に触れても熱くなく、臭いもないので怖さは感じなかったね」。コードネーム「ブラボー(万歳)」と呼ばれた水爆の威力は広島型原爆の1000倍と言われた。

 帰港するまでの2週間、食事や呼吸を通して内部被ばくを受けた。乗組員の正確な被ばく量は分かっていない。都立第五福竜丸展示館(東京都江東区)を運営する公益財団法人第五福竜丸平和協会によると、白血球減少などさまざまな状況から2000〜3000ミリシーベルトと推測される。一度に4000ミリシーベルトを浴びると半数が死に至ると言われている。乗組員23人のうち、最高齢の久保山愛吉さん(当時40歳)は急性放射能症で半年後に死亡。大石さんは頭髪が抜け、白血球も減少したが、1年2カ月の入院生活を経て退院できた。

 日米政府は55年、法律的な責任を伴わない「見舞金」7億2000万円を米国が日本に支払うことで合意。ビキニ事件は政治的には「完全決着」した。だが、帰郷した大石さんを待っていたのは、被ばく者への差別や偏見、受け取った見舞金190万円へのねたみのような感情だった。返済のあてのない借金の肩代わりを求められたりした。耐えきれず、その年に東京へ移住。クリーニング店で働き始めた。「被ばくの過去を知られていないところで、人混みに紛れて暮らしたいと思ったのです」

 やがて結婚。最初の子は死産だったが、子ども2人を授かった大石さんは、差別や偏見が家族に及ぶことを恐れ事件について沈黙を貫いた。だが−−「娘の結婚は2回破談になりました。世の中に女性はたくさんいるのに、何も……と。被ばく者やその家族というだけで、世間は『人間から外れたもの』と見た」。今も無念そうな表情を浮かべる。

 この間、仲間の乗組員らはがんなどで相次いで亡くなった。「このまま黙っていていいのか」。心が揺れ始めた大石さんは事故から29年後の83年、都内の中学生にビキニ事件について話したのをきっかけに、自らの体験を伝える覚悟を決めた。

 「悔しいじゃないですか。差別や偏見でこれだけつらい思いをしながら、多くの仲間は40代、50代で病死し、残された家族は苦労している。当事者である私がしゃべらなければ事件は闇の中に消えていく。声を上げるしかない。そう思ったのです」

 以後、全国各地で講演し、放射線や内部被ばくの恐ろしさを訴え続けてきた。

 「他人の哀れな話」は震災後、放射能の影響を受ける全ての人たちにとって「自らの深刻な話」となった。

 「ビキニ事件と今回の原発事故は、内部被ばくを引き起こすという意味で本質的には全く同じです。ただ、私が吸ったり浴びたりしたのは約2週間だが、福島の人たちはまだその中で生活している。とんでもない話だ。目には見えないし、古里を離れたくもない。でも、測定器を当てれば反応が出る……本当に戸惑っていると思います」

 そして、語気を強めてこう語った。「放射線、原発をどうするか。国際競争で負けたくない指導者たちには、被ばくの健康影響を重く見ることに抵抗するから任せられない。一般の人たちがもっとレベルを上げて考えないと、この問題はいつまでたっても解決しませんよ」

 「狭心症や心筋梗塞(こうそく)などの症状を改善」「ぜんそく発作を予防」「感染症を治療」……。都内にある大石さんの自宅。たくさんの薬が入った袋を見せてくれた。1日に約30種類の薬を飲む。「正直、薬で体が持っているところがある。これがなければもうダメです」

 92年には肝臓がんが見つかり摘出手術をした。今は肺に腫瘍を抱え、ぜんそくのようなせきは薬がないと止まらない。不整脈、白内障もある。いずれも被ばくとの因果関係は明らかではないが、自著「矛盾」で<これらは持病ではない。アメリカの核実験によって加えられた病気>と書いている。

 被ばくの後遺症を気にした大石さんは、ビキニ事件をきっかけに57年に設立された放射線医学総合研究所(千葉市稲毛区、放医研)で年1回、健康診断を受け続けた。しかし、それも92年を最後にやめた。結果を問い合わせても、詳細なデータを示してくれないからだという。「肝臓がんも他の病院で見つけた。放医研にとって私たちは研究材料に過ぎないのではないかと感じたのです。福島の人たちに対する国の対応の鈍さを見聞きすると、変わっていないという印象を受ける。過去の被ばく者から得た教訓を生かそうとしない限り、私たちが歩んできた苦難の道が繰り返されるのではないか」

 乗組員23人のうち既に14人が亡くなった。だが国は、久保山さんを除き、被ばくと病気の因果関係についての判断を示していない。被爆者健康手帳も交付されず、大石さんは今も通常の健康保険で治療を受けている。


 

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コメント
 
01. 2012年2月17日 02:32:29 : 0KOmNWzZDE
なんというお粗末な国だったんだろう…。
やっとの思いで子供を育て上げ、改めて見回し、愕然とした。
赤ん坊が大好きな私も、孫に恵まれないことがむしろ幸せかもしれないと思うこの頃だ。

02. 2012年2月17日 03:56:04 : HFxMBJfXhc
アメリカは、いまだに水爆被ばとの因果関係認めてないよね。

03. 2012年2月17日 07:29:12 : ynSQvzTlvk

食べて応援学生大使の窓口になってる編集社のTVガイドなど雑誌一覧と、国民の健康をキャリアの踏み台にしているメンバーについて
( http://portirland.blogspot.com/2012/02/blog-post_303.html )

いまだにこんなアホな事やってる。

このメンバー達、内部被曝はこれからのハズなのに、既に脳神経をやられているらしい。


04. 2012年2月17日 07:43:39 : FS2Dvw8z4Q
03さん、見ました。

これから子供を産むかもしれないのに、内部被爆しまくりですな。
福島・茨城・宮城の毒野菜を食べて応援とは、農水省による狂気の手を貸してはいけません(嗤)。農家を移住させる費用、野菜を買い上げる費用を節約するために、国民を総被爆させる方針ですから。

国民を皆殺しにする政府って、初めてです。


05. 2012年2月17日 11:20:56 : bb4bHvEHo2

これは必見です。ビキニ水爆実験。水爆マグロ。日本本土の放射能汚染。

http://www.dailymotion.com/video/xo5uvc_20120129-yyyyyyyyyy-yyyyyyy-yyy_news


06. 2012年2月17日 17:35:01 : u8T2aRIP9Y
被曝量が桁違いのものを比較するのはどうかと思うが。

07. 2012年2月17日 21:25:55 : w4HoOzJj4E
誰も放射能が原因で死亡していないし、これからもないだろう。
よって死の灰の教訓を発揮する場面もないのである。

08. 2012年2月17日 23:06:31 : FWCgww7lwk
07>福島原発で働いてください。
お願いします。

09. 2012年2月17日 23:53:25 : IZHMHMgjrQ
池田信夫みたいなこと言ってるバカがいるな。

放医研が調査結果を教えてくれないというのは重大なことだ。
そしてこれからの福島で繰り広げられることでもある。
放医研から福島へやってきた山下教授は、着任直後、県内の医療機関に対し、県民の甲状腺検査を自粛するよう通達。
隣県へも同様の要請がなされてたらしく、隣県の医療機関の検査を希望した福島県民が、担当した医師からそのように伝えられたと語っている。
「検査の必要がないことを察し対応してください」
という文書が山下教授の署名で配布されている。
福島の医療を牛耳られているのである。
やはり今度もデータだけが欲しいのだろう。

国策であろうが、このような者を受け入れた県は、県民を人体実験に差し出したも同然。
福島の人々の健康をまもるには、この悪魔のような人物を排除しなければならない。
検査しても、がんの兆候が見られてもその事実は隠され、挙句の果てには「いい薬」(新薬)の臨床患者に供されるのが落ちである。
検査は県外で行うのが身のため。


10. 2012年2月18日 03:47:29 : NLsuSXVHu2

>「いい薬」(新薬)の臨床患者に供される

ドイツでは、新薬の臨床試験をする人には、相当の報酬を払う。さらに、将来の
副作用などの保証もしている。

ひるがえって日本では、かって患者には、承諾も説明もなしで臨床試験をしてきた。
しかも、検査費用は患者持ちだ。がんで死のうが1円もでない。


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