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小出裕章氏:温度計(熱電対)とキセノンと再臨界、4号機の使用済燃料プールの状態について「まだ水があって少しホッとした」@たね蒔きJ【温度計41個中8個異常】
http://bochibochi-ikoka.doorblog.jp/archives/3286472.html
2012年02月14日23:37 ぼちぼちいこか。。。
20120214 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
http://www.youtube.com/watch?v=G8fnc3x7Epc&feature=player_embedded
【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】
(水野氏)今お伝えしたニュースなんですが、2号機の原子炉の中をちゃんと監視するための温度計、それが壊れているんだったらその代わりの手段を明日までに報告せよというふうに保安院が東電に言ったそうですけど、おんなじように小出さん言われたらどんな代わりの案をあげはりますか?
(小出氏)ありません。
(水野氏)ありません!!??ありませんか?それも明日までですって。どうしますかね。
(小出氏)はい。温度を測っていた計器は『熱電対』と呼ばれている計器なのですが・・・
(水野氏)ネツデンツイってどういうふうに字を書くんですか?
(小出氏)熱の、電気の相対するの対、対する・・・
(水野氏)熱の電気の対する・・・。
(小出氏)これは昔から使われていてほとんどこれならば故障がすることは無いという、かなり信頼性の高い測定器でして、今回の場合も熱電対そのものが壊れたのではなくて、それが送ってくるシグナルを外まで引き出してくる間のどこかのケーブルがやられたのだと私は思っているのですが、温度を測るという手段として、こういう過酷な条件のもとでは、多分熱電対以上に働く温度計は、私は無いと思います。
(水野氏)はぁ・・・。例えば、温度計を取り換えに行くことはできますか?ってリスナーが聞いてらっしゃいます。できません?
(小出氏)到底できません。
(水野氏)『到底できない』とはどういうことですか?
(小出氏)圧力容器というのは、原子炉の本体というかウランの燃料を入れていた容器なんですね。それはもう既に放射能でべたべたに汚れてしまっていますし、その外側に格納容器というさらに大きな容器があるのですが、その容器の中すらが猛烈な放射線環境下にあって、つい先日工業用のテレビカメラを入れてみたわけですけれども、放射線によって画像がドンドン傷を受けてしまうという、そんな環境ですし、中がもう蒸気が充満して雨のように水滴が落ちてくるという、そんな状況ですので、もちろん人間が入れるという状況ではありませんし、機械を入れることすらができません。
(平野氏)今回故障したのは1基で300℃、400℃って言われてますけど、他の温度計が逆に言うと正常に計測されているという保証が無いんですね。そういうことですよね。
(小出氏)そうですね。それすらが判らない。ただし、ほかの温度計が今のところはほとんど等しい温度を示しているから、「多分生きているのではないかな」くらいのことでやっているわけです。
(水野氏)問題となった温度計は、政府が昨年12月に冷温停止状態と言いましたが、あの冷温停止状態と判断するために使われた温度計の一つだったそうなんです。
(小出氏)そうですね。熱電対はあちこちに挿入されているわけですけど、全部で多分10とかもう少しあるのかもしれませんが、そのうちの一つが今回のように壊れてしまったということです。
(水野氏)ということは、冷温停止状態だということの根拠も益々危うくなってるわけですよね・・・。
(小出氏)まぁそうですけど、もともと『冷温停止状態』なんていう言葉自身が無いのに、政府が勝手に作った言葉なのですね。『冷温停止』という言葉はもちろん昔から私たちの間で使われてきた言葉ですけれども、それは圧力容器という鋼鉄製の圧力釜が健全で、水を溜められるという条件で使えるテクニカルタームだったわけですが、もう圧力容器に穴が開いちゃって水も溜まらないと言っているわけですから、『冷温停止状態』なんていう言葉自身が、まず無意味だったのです。
(水野氏)しかしながら、この『冷温停止状態』という言葉が今も続いているんだということを政府は言いたいようですよね。ここのところは全く一歩も引かないというような感じが感じられるんですけど。
(小出氏)はい。事故が収束に向かっているという印象を与えたいわけですね。そして、福島の今避難をしている方たちは、何とか自分のところに帰りたいとずっと思われてるはずですけれども、その人たちに向かって、
「いつか帰れるぞ」
というような幻想を与えようとしているのだと私は思います。
(水野氏)今回ですね、早い時期からこの話、たね蒔きジャーナルで先生に伺ってきましたけど、キセノンという物質が出ていないから再臨界はしていないだろうとお話でしたが、もしもですよ、今回は温度計の故障なんでしょうが、もしキセノンが出ていたとしたら、それは再臨界がもう起こっているという意味なんですか?
(小出氏)そうですね。寿命の短い核分裂生成物というものは、キセノンもその一つですけれども、そういうものが検出されるということになれば、まだ原子炉の中でウランの核分裂連鎖反応が続いていると疑うべきだと思います。
(水野氏)もしもですよ、じゃあ、周辺の方々が逃げなきゃいけないというようなことになることがあったら困るわけですけど、「キセノンが出た」→「じゃあ逃げよう」というので間に合うんですか?
(小出氏)原子炉の中で再臨界が起きたからといって、すぐに逃げなければいけない事態では私は無いと思います。
(水野氏)はい。
(小出氏)再臨界が起きたからといって、原子炉が爆発するかいうことではなくて、原子炉のどこかにおいて核分裂の連鎖反応が続いているということは、短寿命の放射性核種が検出されたのであれば、そういうことになるはずなのですが、それは爆発的な現象ではなくて、むしろ消し炭がぶつぶつと燃えるという、そういうイメージだと思っていただいたらいいと思います。
(水野氏)はぁ・・・。
(平野氏)すぐに拡散するということではない?
(小出氏)放射能がすぐに外部に大量に出てくる状況ではありません。
(平野氏)よくホウ酸を入れてやってますけど、これはやっぱり念のためということで・・・
(小出氏)核分裂の連鎖反応が続くなんていうこと自身はもちろん好ましくないので、何としても核分裂の連鎖反応は押さえたいのですね。そのためにホウ酸という薬品が必要なわけで、それを入れることはもちろんいいことだと私は思います。
(水野氏)うーん。じゃあ、4号機の使用済核燃料プールの場合は、覆うものがありませんよね。そしてたくさんの燃料が沈んでますよね。
(小出氏)そうです。それは大変危機だと思います。
(水野氏)はぁ・・・。
(小出氏)ですから、基本・・・
(水野氏)例えばここの温度計とか、今回2号機の温度計が問題になりましたけど、4号機でも例えば温度計がつぶれていたとしたらですね、中の状況が判りにくいって、そういうことはあるんですか?
(小出氏)もちろんそうですね。ただ、恐らく今4号機の使用済燃料プールの温度計は生きてると思います。何℃だということは多分東京電力は把握してるはずですし、つい先日は何かのカメラで撮った4号機の使用済燃料プールの映像までが新聞で出てきたと思います。
(水野氏)そうですね。カラーで出ておりましたね。これもですね、リスナーの方が
「この4号機のプールの中の映像を素人が見てもよく判らないんですけど、小出先生がご覧になった印象をお聞かせください」
とくださいました。
(小出氏)使用済燃料プールの底の方に集合体らしきものが見えるのですね。その上にでも瓦礫のようなものが散乱しているという、そういう状況でした。でも、私としてはとにかくまだ水があって瓦礫に埋もれてはいるけれども、使用済燃料プールがまだ水の中に浸かっているということで少しホッとしました。
(平野氏)いわゆる冷却が進んでいるという・・・。
(小出氏)そうです。水の中にある限りは冷却できるということになりますので、まだ助かってるなと思いました。
もしあのプールの水が抜けてしまって、使用済燃料が自ら顔を出してしまうようなことになると、あとは溶けるしかありませんので、全く放射能の拡散を防護する手段のない場所で放射能が次から次へと出てきてしまうということになりますので、この「4号機の使用済燃料プールが何時まで健全で水を貯えられているか」ということは、とてつもなく大切なことで、これから皆さんも十分に注意をしておいていただかなければならないことです。
(水野氏)『とてつもなく大切なこと』。これはとりわけ、燃料の量が多いとおっしゃいましたよね。
(小出氏)そうです。たまたま4号機は定期検査中だったのですが、もともと原子炉の炉心の中にあった燃料も、全て抜き出して使用済燃料プールの中に入れてありましたので、通常原子炉の中にある量の、多分3倍くらいの燃料が使用済燃料プールの中にあったと思います。
(水野氏)なるほど・・・。じゃあ水があるということを確認するためのああいう映像が非常に意味を持っていると。
(小出氏)そうです。
(水野氏)はい。ありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】
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