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東京電力の「値上げの原因は燃料高」は嘘 ひた隠す「埋蔵金」週刊朝日2012/02/24号
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11165016971.html
週刊朝日 2012/02/24号 :平和ボケの産物の大友涼介です。
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東京電力の「値上げの原因は燃料高」は嘘 ひた隠す「埋蔵金」週刊朝日2012/02/24号
「値上げは権利だ」。昨年末、東京電力の西沢俊夫社長の言葉に、あなたも怒りを覚えたことだろう。東電は4月に企業向けの電気料金を一律17%値上げし、家庭用の値上げも申請する方針だ。値上げの具体的な根拠も、納得できる経営合理化策も示さないまま、利用者の首を締めるのか。本誌は東電の「埋蔵金」を徹底追及する。
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東電の「暴走」に対し、東京都の猪瀬直樹副知事は、いち早くファイティングポーズをとった。
都は年に83万キロワットの電力を東電から買っている大口需要者であると同時に、東電の株式を2・7%保有する第三位の株主だ。猪瀬氏は値上げの動きが出た昨年十二月、何度も東電に資産売却計画などの開示を求めた。だが、出てこない。業を煮やし、都職員に東電の子会社の現状を調べさせた。
有価証券報告書に記載された子会社のうち、住所記載のあるのは四十社(うち一社は昨年七月に精算、別の三社は二社に統合)。そして一覧表の下に「他128社」とある。子会社168社のうち、会社名を公表したのは40社のみということだ。これだけでも同社の情報開示への意欲の低さが見て取れる。
■子会社の移転とビル売却で100億
猪瀬氏に指示を受けた都職員は、都内にある24社について、登記簿などで不動産情報を調べ、現地にも足を運んで想定賃料を割り出した。17社が都心の千代田、中央、港、渋谷区にあり、24社の年間賃料の合計は34億円。都の試算では、都心の17社を品川区へ移転し、整理・統合で20億円が削減できる。加えて自社ビル2棟と所有権を持つビル1棟を売却すれば78億円で、合計100億円が捻出できるという。
さらに、「トンデモ子会社」の存在もわかった。「東電の福利厚生部門だけを担当する『東京リビングサービス』という会社が六本木の一等地にあって、従業員が1千人もいる。東電が尾瀬に所有する土地や山林を管理する『尾瀬林業』もなぜか、日暮里の高層ビルに入っているのです」(猪瀬氏)
本誌はいくつかの子会社を「アポなし」で訪ねた。尾瀬林業では40代と見られる男性が応対し、
「東電管内の発電所の緑化事業などを行っており、都内での工事も多いため、こちらにオフィスを構えています。賃料は申し上げられませんが、普通ですよ」と話した。
化石燃料を売買する東電フュエルでは、担当者が
「弊社は定款で所在地を港区と定めております。港区内で安い物件を探した結果、このビルの1フロアに決まりました」
と言った。20階で眺めもよく、都の想定賃料は月額621万円だ。実際額はわからないが、「安い」の表現には違和感を禁じえない。
東電が企業向けの値上げを公表した9日後の1月26日、猪瀬氏はこの調査結果を公表し、東電などへ「緊急要望」を提出した。同氏が怒りを押し殺して語る。
「東電が自ら現状を開示し、『われわれも身を削る努力をしているので、値上げをさせてください』と言うならわかるけどね。値上げの根拠になっている燃料費増加の内訳も示されていないし、一律に値上げすれば中小企業は苦しくなる」
2月3日には東電の返答を突き返し、子会社の全容を明らかにするよう、改めて求めた。
「政府は公的資金を注入しなきゃいけない。原子力損害賠償支援機構から賠償支援のカネを入れて、それを東電を通じて被災者に払う形になっている。それで政府はある程度、値上げを前提とせざるを得ない。だから東電は開き直ってるの。今のままでは到底、都としても(大口需要者としての)契約なんてできないよ」(猪瀬氏)
今回の値上げに際して東電は2012年度に1934億円の経営合理化策を発表したが、子会社の整理は含まれていない。本誌の取材に対し、同社広報部は、
「子会社の賃料などは、もともと電気料金に含まれていなかったためです」
と説明するが、値上げするしないにかかわらず、真っ先に手をつけなければならない部門に違いない。
猪瀬氏は言う。
「氷山の一角だけで100億円出てくるとわかった。まだまだ『埋蔵金』は出てくるに違いない」
本誌の取材に、東電は、東京都の調査で判明した他に、少なくとも都内に子会社が44社あることを明らかにした。ここにも「埋蔵金」がある可能性がある。東電は子会社の全容を明らかにし、整理を進めるべきだろう。
猪瀬氏は2月10日には神奈川、埼玉県などの首都圏の自治体とつくる「九都県市首脳会議」の代表として経産省・資源エネルギー庁の高原一郎長官と面会し、値上げの根拠の詳細を情報開示するように要望した。「反値上げ」の動きは、首都圏全体に広がっている。
■「ゼロキロワット35円」翌月に合算せず
東電の”高コスト体質”は、こんなところにも見える。「原発事故から1年も経とうとしているのに、東電は経費削減をやってないんだなあと実感しましたよ」
茨城県の主婦(47)が呆れ顔で言った。
大学生の長男が1月24日から千葉県野田市で一人暮らしを始めた。すると約1週間後、引越し準備に訪れていた1月21〜23日の電気料金の請求書が送られてきた。「使用電力量ゼロキロワット、料金35円」だった。
「息子から聞いて、呆れましたね。転居するときの精算ならわかるけど、入居したてですよ。来月に合算すれば請求は一度で済むじゃないですか。35円の請求にいくらかけてるのでしょうか?以前、電話料金は合算して払ったのを思い出しました。こんなことをしていて、値上げなんてとんでもない話ですよ」
東電は過程での利用分も10%程度の値上げをもくろんでいるが、こんなことで理解は得られないだろう。
4月からの値上げで大きな打撃を被るのが、電力消費の多い中小企業だ。
東京と葛飾区のめっき加工「ヒキフネ」は今回の値上げで、少なくとも年間400万円は電気料金が上がるという。
2005年からコスト削減のために契約電力量を下げ、使用量が契約電力量を超えそうになると、警報が鳴るシステムを導入した。
同社の幹部が語る。
「警報が鳴ると、どんなに寒くても暖房を切る。従業員は辛い思いに耐えながら節電してきたんです。少しでも暖房効率を良くするために、ボイラーの熱や断熱材も活用しました。これ以上、何をやれというのでしょう。東電が値上げすると聞いてから、太陽光発電や自家発電装置の設置も検討はしましたが、投資をしっかり回収できるかがはっきりしないんです」
焦りと憤りが、ひしひしと伝わってくる。
東電と縁を切りたい企業や個人は多いだろう。その”救いの神”となってくれそうなのが、電力事業に新規参入した特定規模電気事業者(PPS)だ。
PPSは、東京都立川市の見事なコストカットで一躍有名になった。同市は10年度、電力契約に入札制度を導入し、PPSへ契約を切り替え、約3割の電力料金削減に結び付けた。
立川市行政経営課は、
「11年度は小中学校など53施設にも導入し、3千万円の節減を見込んでいる」と説明する。
最近では世田谷区などが同様の「脱東電」の動きを見せ、PPSには企業や自治体からの問い合わせが殺到しているという。
国に登録しているPPSは約50社あるが、実際に販売しているのは30社。販売量は年々増えているとはいえ、昨年11月時点で自由化の対象電力のわずか3・4%にとどまる。
実はPPSにとって、中小企業は「できればかかわりたくない相手」だという。あるPPSの幹部が声を潜めて語る。
「PPSは発電量が少ないので、すでに需要過剰で余裕がなく新たな契約を結べないんです。それと、仮に電力が余っていたとしても、工場や炉を持つ中小企業のように契約電力ギリギリまで電気を使うお客様より、あまり使わないお客様の方が、PPSにとっては『おいしい』。売り手市場になった今、中小を門前払いするPPSが多いのです」
これではまさに、八方塞ではないか。中小企業が密集することで知られる東京都大田区。大田工業連合会の舟久保利明会長は、怒りを隠さない。
「いまだに東電の社員は高い給与をもらっている。しかも子会社の整理なんかにも、ほとんど手をつけてないって言うじゃないですか。それでいて値上げするなんて・・・。われわれとしては絶対に認められません」
■PPSもそっぽ 路頭に迷う中小企業
都内の経営コンサルタントは、最悪のケースまでも想定する。
「自殺に追い込まれたり、コスト削減をうたった悪徳業者にだまされたりする中小企業が出てくるだろう」
東電の想定外から始まった”人災”は、これまた想定外の不幸まで生み出してしまう恐れもある。
旧通産省時代に資源エネルギー庁にも在籍した岸博幸氏、
「おかしいのは、原子力損害賠償支援機構と共同で作る東電の最終的な再生計画(『総合特別事業計画』)が出る前に値上げを言い出していること。順番が違うって話です。まずは情報を公開して、とことんリストラが実行されたか、東電が不当に利益を上げる仕組みになっていないか、をチェックする必要があります。その上で国民に値上げのお願いをすべきです。今後の被災者補償や廃炉費用などを考えると、値上げは今回だけで終わるはずがない。だから、東電は絶対に全体像を示さないといけない」
と強く訴える。
猪瀬氏も、こう語る。
「ズルズル値上げを許せば、家庭用の値上げまでいってしまう。最初が肝心だ。利用者の代表として、東京都がケジメをつけさせる」
本誌も、東電の「暴走」は決して許さない。
(本誌:國府田英之・田中博康・篠原大輔記者)
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東電はもはやゾンビである 金子勝慶応大学教授
東電の値上げは燃料費の上昇が理由ではなく、債務超過でどうにもならないというのが本当のところです。
東電は資産が14兆円ほどあるといいますが、有利子負債も約9兆円ある。福島第一原発事故までは、借金を返済しながら社債を発行してやりくりしていた。ところ事故以降、銀行がカネを貸さなくなり、社債も発行できない。つまり、借金ができなくなったのです。
しかも原発は造るときに1基あたり、3千億〜5千億円ほど設備と投資がかかる。この借金(=設備投資)は、原発を稼働して返済していた。今は原発を動かせないのに、借金は返さないといけない。維持管理費もかかる。つまり、稼働できない原発は、とんでもない不良債権なのです。
だから、東電はなんとしても原発を動かしたい。古い原発ほど、「借金」はすでに返済済みだから利幅も大きい。だからこそ、運転期間を40年以上に延長しようとしているのです。
今、東電は、借金の返済と原発コストで自己資本を食い潰し始めています。その上、原発事故の事故処理費用、被災者への賠償費用、放射能の除染費用がかぶさってくる。賠償が進まないのは、申請書類が煩雑なのが理由しゃない。東電に払える金がないからです。
ではどうすればいいか。
90年代の不良債権処理と同じです。不良債権を精査し、収益性のある債権のみを残すのです。具体的には、事故の調査結果を受けて、まず新しい安全基準を作る。40年以上の老朽原発や、活断層の上に建っている浜岡原発みたいなところは廃炉にして、相対的に安全だと思われる原発を、新しい安全基準でテストする。もちろん、チェックするのは「原子力ムラ」以外の第三者。それらをクリアした原発だけが稼働できるようにする。
事故処理費用と除染費用は、公的資金と国の原子力予算を組み替えれば、どうにか工面できるでしょう。でも賠償費用は、東電を解体して民間に売却することで賄うしかない。
東電はもはやゾンビ状態。「身を切る」なんてことでどうにかなるレベルではありません。
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