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“4畳半生活”福島第一原発の激務 院卒インテリが「値札付け替え」詐欺に手を出したワケは…
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120212/trl12021218010000-n1.htm
2012.2.12 18:00 産経新聞
未曾有の事故処理に格闘する同僚と、すぐそばにいた妻の存在が頭をよぎることはなかったのだろうか。バーゲンセール会場で洋服の値札を付け替え商品をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた東京電力福島第一原発副長の男性被告(45)の公判。東日本大震災後の重責を担う大学院卒のインテリが“奇行”に及んだ経緯が、法廷で明かされた。(時吉達也)
起訴状と検察側の冒頭陳述などによると、被告は大学院を卒業後、東京電力に就職。東京・芝浦の高級タワーマンションに妻を残して単身赴任した福島第一原発で、昨年3月の震災に遭い、その後の事故処理にあたっていた。
値札に手を伸ばしたのは、休日で帰京した昨年11月の週末、有名ブランドのバーゲンセール会場だった。一緒に訪れた妻と離れて商品を見て回るなか、1万円のジーンズに別の商品の5千円の値札を付け替えて購入することに成功すると、さらに6万6千円のコートに7千円の値札を付けるなど犯行をエスカレートさせる。計10万2500円相当の商品4点に1万6千円を支払いだまし取ったが、警備員が値札の付け替えを確認しており、その場で現行犯逮捕された。
「内容につきまして、間違っているところはございません」。1月31日に東京地裁で開かれた初公判の冒頭、東電の記者会見さながらのいんぎんな言葉遣いで起訴内容を認めた被告。被告人質問で、犯行までの経緯を振り返っていく。
弁護人「過去にもこうしたセールに来場したことがあるんですよね」
被告「5、6回と記憶しております」
弁護人「今回のように値札の付け替えをしたことはありますか」
被告「ありませんが、値札が落ちているのを見て『簡単に外れるんだな、別の値札で購入できるんじゃないか』と考えたことはございました」
弁護人「そのときはなぜ付け替えをしなかったんですか」
被告「もちろん、やってはいけない行為だからです」
弁護人「なぜ今回は自制が効かなかったんですか」
被告「震災後、職場がかなり厳しい状況にありました。日々のストレスがたまっていたものと思います。華やかな会場に気分が高揚し、判断が甘くなったと思っております」
震災直後は残業が月100時間を超え、その後も周囲に娯楽施設一つない環境で過ごす生活だったことを説明する。被告はうなだれたまま続けた。
「トイレも共同で、備え付けのベッド以外に座る場所さえない4畳半の宿舎と、職場を往復する毎日でした。いつの間にかストレスがたまり、冷静な判断ができなくなっておりました」
「皆さまにご迷惑、ご心配をかけたことを実感し、二度と犯罪行為を行わないと決意を新たにした次第です」という“会見答弁”に傍聴席も慣れたころ、にわかに被告が感情をあらわにする。現行犯逮捕された夫の姿を目の当たりにした、妻の存在について問われた時だった。
被告人質問に先立って行われた証人尋問では、被告の姉が妻について「事件についてインターネットでひどい書き込みをされ、かなりナーバスになっているため、代わりに出廷しました」と説明していた。
「色々と…嫌な思いもした…だろう…。完全には…整理がついていないところもあると思います。…妻の信頼回復に努力していきます、妻の心が健常に戻るよう…」。裏返った声で言葉を継ぎ、ハンカチで涙をぬぐった。
裁判官は今月7日の判決公判で「ストレスは理解できるが、福島第一原発で必死に働いている人々のことを考えれば、犯行の理由にはならない」として、懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。
現在自宅謹慎中の被告は法廷で、「かなうならば失った信頼の回復を図りたい」と東京電力での勤務継続を希望した。原発事故処理には、今後も数十年の時間を要するとされる。職場や家族の信用を取り戻す被告個人の戦いにも長い道のりが待つ。
被告の姉は公判で、被告の甥にあたる小学生の子供に言及し、訴えた。「息子は以前から、『仕事も遊びも一生懸命な、弟のような人になりたい』と話していた。今回の事件で、弟を悪く思ったりはしていない。子供の見本になれるような生活を取り戻してほしい」
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