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被災がれき、基準値以下 静岡県、安全性を強調(2/11 07:56)
島田市による岩手県山田町の被災がれき(災害廃棄物)の試験焼却(溶融)に向け、柱・角材の木材チップ約4トン(コンテナ2台分)が10日、山田町の仮置き場からトラックで搬出された。同町で予定されていた放射線量率など一連の測定結果はいずれも本県が定めた受け入れ基準をクリア。県は安全性をあらためて強調するとともに、各市町の試験焼却につながることを期待する。
残り約6トン(同3台分)についても11日に岩手県などが計測を行い、JR貨物の盛岡貨物ターミナル駅から静岡県内に運ぶ。
コンテナに積み込む前の遮蔽(しゃへい)線量率は、山積みされた木材チップの中から10カ所、計5リットルを抽出。鉄と鉛で覆われた箱に入れて測った測定値の平均は1台目、2台目とも毎時0・03マイクロシーベルトで、空の状態の0・03マイクロシーベルトを差し引くと、受け入れ限度の0・01マイクロシーベルトを下回り、担当者は「チップそのものからは線量は出ていない」と説明した。
積み込み後の空間線量率は、コンテナの側面から1メートル離れた平均値が1台目0・07マイクロシーベルト、2台目0・06マイクロシーベルト。コンテナ設置前の0・08マイクロシーベルトと比べて3倍未満の条件を満たした。
県くらし・環境部は「放射能濃度はほとんど低いレベル。市民や近隣にも(数値を)見ていただき、理解が進めば」としている。
木材チップは14日夜に静岡貨物駅(静岡市駿河区池田)に到着後、トラックで島田市の「田代環境プラザ」に搬入。16日から17日にかけて溶融する。
受け入れ難色発言が相次ぐ 県町村会
岩手県山田、大槌両町の被災がれき(災害廃棄物)の静岡県内受け入れ問題で10日、試験焼却実施に向けた処理計画策定を県に求めるとした県市長会と、共同歩調をとることを決めた県町村会(会長・遠藤日出夫長泉町長)。しかし、決定とは裏腹に、各町長からは、実施に否定的な意見ばかりが目立った。
各町長からは「試験焼却でさえ、処理能力がない」(吉田町)「市でも決断が難航しているのだから、町の規模ではなおさらだ」(南伊豆町)「町村会として、できないと断言してはどうか」(東伊豆町)などの発言が相次いだ。試験焼却実施を明言した町長はいなかった。
遠藤会長の“鶴の一声”で市長会との連携を保つことにはなったが、町長の一人は「どこの町も(処理)能力はない」と断言した。
市に比べ焼却施設の規模が小さいなど、町特有の事情もある。会議後、遠藤会長は取材に対し、「できない町が無理をしてやっても住民との争いになり、議会も通らない。大変な問題が起きる」と各町長の発言の背景を説明した。
http://www.at-s.com/news/detail/100098899.html
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