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・結局地元に瓦礫の処理場を大量に作らなければ何も問題は解決しないという話
http://hamstern.air-nifty.com/mogumogu/2012/02/post-7556.html
国は岩手・宮城の瓦礫を全国で処理させれば瓦礫問題は解決し、被災地が復興に向けて動き出せる・・・・という風にミスリードさせようとしていますが、まともな頭がついてる人なら「これでは問題は全然解決しない」というのに気づくでしょう。
瓦礫を全国で処理させる場合、「灰が8000ベクレル/kgを越えないようにする」と国は言っています。
瓦礫は燃やすと数十倍に濃縮されるため、灰が8000ベクレル/kgを越えないようにするには、瓦礫段階ではおそらく高くても400ベクレル/kgとかその程度の物までしか引き受けられない事になります。
引き受け先の自治体では、焼却処理や埋め立て処理場周辺の住民感情や県の農産物や沿岸部の海産物などへの売り上げ低下に配慮して、「引き受ける場合は100ベクレル/kg以上の瓦礫は絶対引き受けない」と言い出すところも出てきており、国よりさらに低いこの値を引き受けの基準値として設定するところも多く出てくるでしょう。
もし全国への瓦礫の搬出が始まった場合、実際に検査してみると、この100ベクレル/kgや400ベクレル/kgを越えている瓦礫は大量に見つかると思います。
特に宮城県は放射性物質が大量に降り注いだ地域がかなりあり、この基準値を余裕で越えた物が各所で見つかってしまうでしょう。
処理しないといけない瓦礫については試算では岩手県が440万トン、宮城県が1590万トンと、皮肉な事に放射性物質がより多く降り注いだ宮城の方が割合としては多いです。
昨年の汚染稲藁騒動の時のニュースを見てた人なら知っているでしょうが、宮城県のあちこちの農家の稲藁から数十万ベクレル/kgの放射性セシウムが検出されたという事がありました。
宮城県各所の農家の稲藁を調べると、数千ベクレル/kgと低めのところもあったものの、数万ベクレル/kgや数十万ベクレル/kgの稲藁が各所で大量に見つかったわけです。
稲藁は放射性物質をより吸着しやすかったという事を考慮しても、放射性物質が大量にばらまかれた昨年3月の12日〜15日あたりに稲藁と同じように宮城の各所で野ざらしになっていた瓦礫が、はたして100ベクレル/kgや400ベクレル/kgに納まっているものか?
よっぽどアホな人でも「そりゃ無理だろうな・・・・」と思うでしょう。
まともな頭がついてる人なら、「100や400ベクレル/kgにおさまる宮城の瓦礫はごく一部のみで、千〜数千ベクレル/kgのが大半。場合によっては1万ベクレル/kgを越えている瓦礫もあるだろう」と思うのが普通です。
実際に、以前紹介した「小さき花」さんという測定室が全国の食品やら土壌やらを大量に検査してくれていますが、その最近の検査結果を見ると、宮城県の最北部で1万ベクレル/kgを越える土壌が見つかっていたりします。
これらの数値を見ると、100ベクレル/kgや400ベクレル/kgの基準値では、結局運び出せる瓦礫はごく一部のみとなり、大半の瓦礫は地元で動かせないまま、処理も進まないという事になりそうです。
「全国で瓦礫を処理すれば問題は解決する」みたいに国は言っても、実際は「運び出せない瓦礫の割合が多すぎる(特に宮城県)ため、岩手・宮城のごく一部の瓦礫しか運び出せない」という事が後で発覚するでしょう。
この場合、どういう対応をするかというと・・・・
1・瓦礫運び出しの基準値を100ベクレル/kgや400ベクレル/kgと表向きは設定して周辺住民を納得させたものの、実際は計測値をごまかしたり、そもそも計測すらせずに運び出し(瓦礫処理を開始した当初のみ汚染が低い場所の瓦礫を計測して安心させる)、数千ベクレル/kgや場合によっては1万ベクレル/kg越えの瓦礫をいつの間にか全国でどんどん処理させる。
(燃やすと濃縮されるため、灰は数万や数十万ベクレル/kgになってしまう。灰もろくに検査されずにそのまま全国各地に埋めたてられる場合も・・・)
あるいは
2・「基準値を越えた瓦礫ばかり出てくるため、地元に瓦礫の処理場を大量に作らないといけない事がわかりました。」と国は発表し、後になってようやく地元に瓦礫の処理場を大量に作り始める。(それならもっと早く作っておけば復興も早くなるのに)
のどっちかです。
(「外側をコンクリで固めて地元に埋め立てた方がいい」というのを提案してる学者もいますが)
1のケースでごまかしてどんどん瓦礫を処理しようとする業者も出てくるでしょうが、結局市民団体などが独自に岩手、宮城の瓦礫集積場に行って瓦礫の汚染度を計測するところも出てきて、高い数値が各所で発見されるでしょう。
とてもじゃないが、100ベクレル/kgとかそんな生易しい数値ではない、と。
マスコミでも「ここもあそこも搬出の基準値を余裕で越えた瓦礫(しかも中には数千ベクレル/kgや1万ベクレル/kg越えのも)ばかりですが、一体この瓦礫はどうやって処理するつもりなのでしょうか?あれ?運び出してますね?」などと報道し、そのままごまかして公表している基準値より何倍、何十倍も汚染度が高いのを全国でこっそり処理し続けるというのは不可能になります。
1を選んでも、結局2の「岩手、宮城県内で瓦礫の処理場を大量に作る」という選択に最終的には移行せざるをえないのです。
数日前のニュースですが、「岩手に二箇所、宮城に二箇所瓦礫の処理場を作る事になりました。」というニュースをやっていました。
このニュースはあまり広く報道されていないようですが、これを見た人なら「地元に作れるならわざわざ全国に移動しなくてもいいだろう。」と思った人もいるのでは?
二県でたった4箇所では年間で20万トンの瓦礫しか処理できないようですが、岩手、宮城県各所にもっと数多くの瓦礫処理場を作れば、大量に瓦礫を処理できるようになるし、地元の雇用にもつながります。
(処理場の建設の際はもちろん、処理場稼動後も雇用が生まれる。)
新規の建設なら、「より放射性物質が漏れないようにフィルターを何重にもする」という設計もできます。
(全国の処理場では、フィルターの増設は難しいみたいです)
大阪などが瓦礫の受け入れを表明していますが、これによって数百億円が大阪に入り、被災地にはその分の金はいかないとの事。
国は毎年数千億円を瓦礫処理に用意していますが、全国各地で瓦礫処理してしまうと、この金が被災地にはほとんど落ちず、何故か被害を受けてない大阪や他の地域がごっそりいただくという阿呆な事になるとの事。
これのどこが「絆」とか「被災地のため」なのやら?
最初から地元に大量に瓦礫処理場を作れば、建設時の雇用、稼動後の継続的な雇用で被災地地元に大量に金が落ちる上、瓦礫の処理も早いでしょう。
放射性物質による汚染が無かったなら、全国へとっとと運び出してじゃんじゃか処理できたでしょうが、東電のせいで「運び出せない瓦礫」が大量に生まれたため、結局地元に大量に処理場を作って処理を急ぐしかないのです。
処理場を作るだけでなく、数万ベクレル/kgや数十万ベクレル/kgの灰についてどういう処理をするかをそろそろ国はまともに決めないといけないでしょう。
(ろくに国は決めずにいてますが)
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