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逝きし世の面影より
『典型的な人災事故』
原発が科学の偉大な成果であると勘違いして、福島第一原発で大失敗したからといって『今、手放すのは惜しい』として、『自動車は危険だが必要だ。原発は危険だが必要だ。』と主張する能天気な大槻義彦早稲田大学名誉教授。
これでは残念ながら『科学馬鹿』といわれて仕方ない大槻氏ですが、東電の事故対応に対しては科学的に冷静に観察している。
大槻義彦のページ
『原発事故は東電ぐるみの人災』
東電原発事故から10か月、ようやく事故の重大な側面が分かり始めています。
これまで私は東電の対応のまずさや設計の甘さを指摘しましたが、しかし、何が主要な原因であったかを断定的に判断することを避けてきました。
それは『事故調査委員会』の報告が出てから判断すべき、と思って慎重になっていたのです。
最近、事故調査委員会の中間報告が出たり、アメリカ側の見解などがマスコミに報道されて、私もそろそろその事故原因を判断すべき時が来たように思うのです。
巨大地震と巨大津波で福島原発は大打撃を受けました。またたくま間に、『全電源喪失』が起こりました。
もちろん非常用ディーゼルエンジンも自動的にスタートしました。
しかし、すぐ、津波でダウン。
しかし、これがダメでもバッテリー群がありました。
しかし、何と、これは地下に設置されており、津波は当然地下のバッテリー群を襲いました。
これもすぐダウン。つまり、全電源喪失です。
燃料棒はカラ焚きの状態でやがてメルトダウン。
もしこれでメルトダウンなら『原発は安全』などだれも言えなかったはずです。
自民党政権や電力会社は絶対安全だ、とは言えなかったはずです。
ところが原発には『全電源喪失でも安全に燃料棒を冷やせる』最後の安全装置がありました。
これは『非常用復水器=イソコン=ISO CONDENSER)というものです。
この冷却装置は電源なしで稼働するもので、その意味でも最後の決め手になるものです。
原発訴訟で、国や電力会社が『原発は安全』『全電源喪失でも事故は起こらない』『イソコンが不具合になる確率は100万分の1以下』と主張、反原発訴訟を勝訴にしてきたのです。
しかし、問題はこのイソコンです。
最後の安全装置、イソコンを福島原発の運転員は有効に作動させられなかったのです。
なんというおそまつさ!!
何と、運転員たちはこのイソコンのスイッチ(レバー)の入れ方をだれも知らなかったのです!(NHK特番2011年12月)
イソコンは全電源喪失では作動しなくなっており、レバーは『閉』となってしまう。
したがってこのイソコンを作動させるにはレバーを『開』にしなければならない。
これが彼らには分からなかったのです。
時間が経ち、イソコンが閉になっていることにきずいたのに、イソコンの上部から蒸気が出ていることを知った運転員は開にしたが、イソコンが壊れることを気づかい、ふたたび、三度と閉にしてしまったのです。
このようなぶざま運転の間にメルトダウン、メルトスルー。
そして水素爆発、放射能漏れ。
つまり、この事故の主な原因は人的原因であります。それも東電ぐるみの人的事故。
最後の安全装置の作動の仕方、マニュアルもなく、訓練も行われず、東電が会社ぐるみで犯した人的事故という結論です。
(2012年1月27日)
『東電ぐるみの人災!』
東電原発事故は人災だ、と言ってもこれは個人の運転員一人の人災だ、と言っているのではありません。
『東電ぐるみの人災』と言ったはずです。イソコンの運転の仕方を知らなかったのは、当時現場にいた10人規模の運転員全員でした。
また、運転をバックアップしていた指令室のだれも知らなかったし、知らないことに気づいてもいなかった。
運転員の訓練教育もなされていなかったのでしょう。
イソコンという最後のいのちずなの運転も訓練しなかった。
運転員のだれも正常な運転も出来なかった人災、運転員を教育、訓練もしなかった東電上層部の人災、東電原発の運営の戦略的、戦術的計画の指示、点検を怠った東電管理者の人災、もろもろの人災。
(2012年1月27日)
『国際NGOと東電』
国際NGOは世界の『無責任企業』を発表。原発事故の東京電力が堂々第2位に選ばれた。『情報公開が遅く、うそもあった。隠ぺい、改ざんの体質がる』との理由だった。
・・・東電の、悲劇的大事故の原因は国際NGOの言っている、情報公開の遅れ、などという企業によくある無責任体制などではない。
そうではなくて、東電が原子力発電というとてつもない巨大装置を正しく管理、運営できなかった企業体制の幼稚さにある。
サムスンは意図的に危険物を知らせなかったのだが、東電は意図的に運転員にイソコンの運用法を知らせなかったわけではない。
東電自体もイソコンの正しい運転の仕方を知らなかったのだ。
運転の仕方も知らずアメリカから巨大な装置を導入し、危険きわまる運転をしていた、『企業の無責任ぶり』こそ東電の不面目な第2位になった理由なのだ。
むしろ、第1位にならなかったことが不思議である。この点、国際NGOのアンケートは幾分ちぐはぐで頼りない。
東電が原子力発電というとてつもない巨大装置を正しく管理、運営できなかった企業体制の幼稚さにある。
・・・東電は意図的に運転員にイソコンの運用法を知らせなかったわけではない。
東電自体もイソコンの正しい運転の仕方を知らなかったのだ。
運転の仕方も知らずアメリカから巨大な装置を導入し、危険きわまる運転をしていた、『企業の無責任ぶり』東電の不面目な第2位になった理由なのだ。むしろ、第1位にならなかったことが不思議である。・・・
(2012年1月29日)
『アメリカのGM製マーク1の構造的な欠陥』
2011年12月のNHK特番が指摘するように最後の安全装置である非常用復水器(イソコンISO CONDENSER)が自動的に、『全電源喪失では作動しなくなっており、レバーは『閉』となってしまう。』のであれば、東電や原発作業員の責任云々以前に、そのような不思議すぎる構造の安全装置を設置したGM製原発自体(メーカー責任)の問題点の方が大きい。
今回の事故原因は原発メーカーであるゼネラル・エレクトリック社の設計ミスなのか。?
最後の安全装置なのですから普通に考えれば、今とは反対に自動的に『イソコンが作動(レバーは開)』にしなければならない筈である。
事実、東電本社や福島第一原発の作業員は、全電源喪失当初に『最後の安全装置のイソコン』が自動作動していると、事実とは正反対に勘違いしていたのですよ。
この判断ミスが致命的だった。
それ以外の東電関連の指摘は『なるほど』と納得する内容である。
『大槻義彦のページ』ですが、此処まで原発の問題点を正しく理解していても、原発は最新科学の大事な成果なので『あくまで推進する』との立場なのですから、呆れはてて言葉も無い。
何とも勿体無い話である。
早いところ、この無責任で無能な連中から原発を取り上げないと二番目三番目の福島第一が日本中で起きるでしょう。
ただ、この大槻義彦説では地震での損傷が出てこないが、実は一番最初の地震の直撃で老朽化していた配管が破断して仕舞い、冷却水が大量漏洩していた可能性が高い。
軽水炉である日本の原子炉の冷却水喪失での空焚きで事故は、非常用復水器(イソコン)を知らなかった原発作業員の不手際以前の話であり、これではメルトダウンは避けれなかったとの説が一番有力です。
『人災中の人災、福島第一原発』
100年に1度は超巨大津波が予想される日本の原発は全部が例外なく何と一番危険な、その沿岸部に設置している。
対象的に地震や津波が少ないアメリカの原発ですが、殆どは安全な内陸部である。
海岸にもあるのですが原子炉の冷却水は日本式の海水ではなくて人造湖をわざわざ造ってまで淡水を利用している。
日本では海水を使うために、福島第一の敷地を元の30メートルから10メートルにまで20メートルもわざわざ削って危険性を増していた。
これは海水を汲み上げる手間を惜しんだ為らしいのですから情けない。
もっと情けないのは全電源喪失時の非常用ディーゼル発電機が水冷で、この冷却も海水に依存していて、しかも冷却水汲み上げポンプの設置場所が岸壁の一番低い位置で真っ先に破壊されている。
3・11から半年後の津波ビデオで公開された一番最初の破壊される燃料タンクとは、非常用発電機の燃料です。
もちろんこの非常用発電機自体も地下に設置していて水没しているのですが、これでは非常用電源が二重三重に動かない仕組みだったのですから開いた口がふさがらない。
福島第一の5〜6号基の冷温停止ですが、直前に設置した予備発電機がたまたま経費の安い空冷式だったからで、他と同じ水冷式なら福島第一の6基全部が暴走していたことになります。
『過ちては改むるに憚ること勿かれ』
今からでも遅くないから1日も早く、信じられないほど無責任で無能で破廉恥な幼児並の連中から危険極まりないオモチャで(原発)を取り上げないと、これからも二番目三番目の福島第一が日本中で起きるでしょう。
山の遭難での死亡事故では一般に信じられているような『人は簡単には死ぬ』ことはなくて、偶然の単独のミスでは発生することは通常は無いのである。
大槻義彦氏は人災の連続といっているが、信じられないような御粗末な『連続する重大ミス』の必然的な結果なのです。
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