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【こちら特報部】「核燃基地六ヶ所村 B」2012/02/10(東京新聞)
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2012/02/10(東京新聞) :平和ボケの産物の大友涼介です。
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原子力政策を続けていく中で最も悩ましいのが、放射性廃棄物をどうやって処分するかという問題だ。放射能を無害化するのに要する時間は低レベル廃棄物で三百年、高レベルになると数十万年ともいわれ、原発が”トイレのないマンション”に例えられる理由もここにある。青森県六ヶ所村の核燃料サイクル基地で、日本が向き合わなければならない放射性廃棄物の現実を見た。(上田千秋記者)
核燃基地の北部にある低レベル放射性廃棄物埋設センター。再処理工場から約二キロ離れ、雪に覆われた一角の地表を十数メートル掘り下げた場所に、十二メートル四方の埋設設備がいくつも立ち並んでいた。
標高三十〜六十メートルの高台にあり、事業者の日本原燃の会社案内には「十分な強度を有する岩盤で透水性も小さく、埋設設備を設置する地盤としての条件を十分備えています」と書かれていた。
放射性廃棄物は、使用済み核燃料を処理する際に出る廃液を指す「高レベル」と、それ以外の「低レベル」とに分けられる。同センターは、低レベル廃棄物の国内唯一の最終処分場として一九九二年十二月に操業を始めた。現在、二百リットルのドラム缶計二十四万本が置かれている。
低レベル廃棄物とは、原発で使われた水や金属、プラスチック、布、紙などだ。作業員が着た防護服やマスクも含まれる。これらは各原発で液体と固体に分別。液体は蒸発させて濃縮し、固体は焼却や切断、溶融などの工程を経てそれぞれセメントなどで固め、黄色いドラム缶に詰めて原発敷地内の施設で保管する。
ドラム缶は、放射性廃棄物の専用輸送船が各原発近くの港で回収して回る。そして月に一回程度、六ヶ所村のむつ小川原港に帰港し、同センターに運搬。缶の中身によって1号地(濃縮廃液や焼却灰など)と2号地(金属類やプラスチック類など)に分けられる。
ここでの処分の工程は細かく決められている。まず、埋設設備の中にドラム缶を横に並べて置き、隙間にセメントを注入。埋設設備がいっぱいになると、漏出対策のため設備全体をコンクリートや水を通し難い粘土質の土などで覆い、さらに四〜九メートルの厚さに土をかぶせて、更地の状態にする。
その時点から、放射線量の調査や周辺の巡視といった管理が約三百年にわたって続く。日本原燃の赤坂猛広報部長(57)は「低レベル廃棄物の主要な核種は、半減期が五年のコバルト60.半減期の十倍の期間で放射能はほぼなくなり、三百年経てば自然界と同じになる」と説明する。
最終的にはドラム缶三百万本を収容できるよう、核燃基地の敷地全体の四割に当たる三百ヘクタールを確保している。一年間に全国の原発から出る低レベル廃棄物はドラム缶約三万本分なので、およそ百年はもつ計算だ。
福島第一原発では、事故後に出た大量の放射性廃棄物の行き先が問題となるが、六ヶ所村に持ち込まれることはないという。「通常運転の原発から出た廃棄物しか搬入できない規定になっている。福島の廃棄物をここで処分するという議論はまったく起きていない」
低レベルに比べ、処分に圧倒的な手間と時間がかかるのが高レベル廃棄物だ。
使用済み核燃料再処理工場に隣接する高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターの中に入ると、整然と並んだ百個以上のオレンジ色の円い蓋が目に飛び込んでくる。蓋の下に保管されているのは、高レベル廃液にガラスを混ぜた「ガラス固化体」が入った円筒形のステンレス容器(キャニスター)。九本のキャニスターが縦に並んでおり、計約千四百本が貯蔵されている。
これらは、英国とフランスから返還されたものだ。電力会社は一九九〇年以降、計約七千百トンの使用済み核燃料の再処理を両国の工場に委託。ウランとプルトニウムを抽出してできる混合酸化物燃料(MOX燃料)は各原発に直接運ばれ、キャニスターだけが六ヶ所村に持ち込まれている。
別の部屋には、英国から到着して間もない長さ六・六メートル、直径二・四メートルの巨大な円筒形の輸送容器が置かれていた。一基に二十八本のキャニスターが入っており、到着するとまず、遠隔操作で中身が漏れていないかや放射線量などをチェック。問題がなければ貯蔵建屋の地下に収め、厚さ一・九メートルのコンクリートで覆って蓋をする。
「本来なら厚さ一・二メートルで十分なところ、余裕を持って設計している。真上に立っても何の問題もないですよ」と赤坂部長。実際に何人もの社員が、マスクなど特別な装備なしで、蓋の上を歩き回っていた。
フランスの分は、二〇〇七年三月に千三百十本すべての輸送が完了。英国からはすでに約百本が戻り、二〇年までに残りの八百本弱を受け取る。同センターには両国からの輸送分用の他、三千本を貯蔵できるスペースがあり、さらに五千本分を増設中。いずれ六箇所の再処理工場が本格稼働し、多くのキャニスターが出ることを想定しての措置だ。
キャニスターはここで三十年から五十年間、貯蔵。搬入当初は二〇〇度あるガラス固化体の表面温度を自然の空気で一〇〇度以下にまで冷やした上で、最終処分場へ搬出することになっている。
だが、厄介なのはむしろこの後。高レベル廃棄物は、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」により、地下三百メートルより深い場所に埋めるように決められている。事業を担うのは、経済産業省所管の認可法人「原子力発電環境整備機構(NUMO=ニューモ)」。全国の市町村に呼び掛け、公募を基本に処分場の設置場所を決める方針で、平成四十年代後半の操業開始を目指している。
ところが、基本的な調査を受けるだけでも六年間に最大九十億円の電源三法交付金が支払われるにもかかわらず、これまでに応募したのは二〇〇七年の高知県東洋町が唯一。同町も住民の猛反対を受け、三ヵ月後に撤回している。
NUMOは調査に二十年、着工から完成まで十年かかると試算。「技術が進んで工期が縮まる可能性もある。操業開始の目標は変えない」(広報部)とはいうものの、スケジュール通りに事業を進めるのは困難な情勢になっている。
このままいけば近い将来、沖縄の米軍基地のような出口の見えない状態に陥りかねない。青森県原子力立地対策課の担当者は「福島の事故の前も後も、青森を最終処分場にしないという方針に変わりはない。最終処分場の選定は、止まっていていい話しではない」と力を込めた。
※デスクメモ 今から三百年前、日本は江戸時代。江戸市中に大量の灰を降らせた富士山の「宝永噴火」から五年後、大岡裁きで知られる大岡忠相あが南町奉行となる五年前だ。当時、低レベル廃棄物処理を始めたとして、ようやくそれが無害になる計算。私たちはそれほど根気のいる仕事を子孫に託そうとしている。(木デスク)
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