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(要約です)
今回は、福島原発事故第1日に起きたことについて興味深い情報を共有したい。
福島原発は世界でも最大級の原発だが、数日で数千億円の資産が数十兆円の負債になった。
一つの事故としては産業史上最大である。
津波の後、爆発の前に何が起きたか注目。歴史の記録から得られる重要な情報がある。
まず基本的知識から。原子炉は格納容器の中にある。
写真はブラウンズ・フェリー原発である。上蓋はたくさんのボルトでとめてある。
お茶の浸出器で説明すると、中に原子炉があり、上蓋がねじこまれている状態。
事故がおきて格納容器内部の配管が破断すると、論理的には汚染ガスは格納容器内に留まる。
マークI型原子炉は格納容器が小さすぎるため、80年代にNRCはベントを追加した。
設計時にはわからなかったが、事故が起きると水素が内部に溜まることがその理由。
これはまさに福島で起きたことだ。原子炉が冷却できず燃料が過熱し、水から水素が発生する。
事故第1日のデータは非常に込み入っているが解明しよう。
この表の第1列は日時。第4列は圧力で単位はパスカル。
わかりやすいように以下ポンド/平方インチに変換する。
表の最後は、事故前で圧力は0.1すなわち14.5ポンド/平方インチで大気圧と同じ。
津波が到来し電源喪失したので機器が動作せず、次のデータは8時間後のもの。
午前2時に格納容器内圧力は約9倍、125ポンド/平方インチにもなった。設計上限を超えている。
午前9時半に圧力は下がり始め、その次の7時間は午前2時と比べてかなり下がった。
なぜか。この間、炉内では劇的な化学反応で水素が盛んに発生していたのにだ。
圧力低下の理由としては格納容器のベント開放が考えられるが、それはまだ起きていない。
では理由は何か。
それは40年前にノース・キャロライナのブルンスウィック・プラントで起きたことからわかる。
米国原子力産業、IAEA、そして日本はこれを知っているが無視し、なかったことにしている。
40年前、ブルンスウィックでは圧力が100ポンドになると予期しないことが起きた。
ボルト締めされている格納容器上蓋が持ち上がり隙間からガスが漏れ始めたのだ。
内部でガスが発生し続けても圧力は100ポンドに留まっていた。
これは事故ではなく実験だった。
ブルンスウィックの格納容器は100ポンド/平方インチで漏れ始めたのだ。
福島事故のデータ表に戻る。福島でも100ポンド/平方インチで圧力は安定した。
格納容器上蓋が押し上げられ、ガスが漏れて建屋に充満したのだろう。
ベント開放の前にである。
爆発前のこの写真は、格納容器ベント開放を示している。
煙突から蒸気と高濃度の放射性ガスが放出されている。
つまり爆発前にベント開放は成功していたのだ。
日本政府はベントは成功したが、何らかの理由で水素ガスが建屋に充満して
爆発したと言っている。
これを裏付けるデータはない。むしろデータが裏付けているのはブルンスウィックのテストだ。
8時間以上も格納容器上蓋が持ち上げられガスが漏れていた。
だから内部圧力が100ポンド/平方インチ以上に上がらなかったのだ。
長時間に渡り漏れた水素ガスは建屋に充満し引火して爆発した。
原子力産業、NRC、日本政府はベント強化で事故は起こらなくなると言っているが、
圧力容器上蓋が持ち上げられガスが漏れるならベントは無関係だ。
マークI型格納容器の設計には、ベントで解決できない欠陥がある。
福島の問題は全世界の沸騰水型原子炉の抱える難題でもある。
次週も新情報についてお知らせする予定。
=====(ここまで。以下コメント)=======
原子力業界は、原発が危険であることを示すデータを多々持っていながら、
カネ儲けのために、それらに目をつぶってきた。なかったことにした。
彼らが確信犯であることを示す一例だと思います。
昔の実験データを検証すると、こういった事実がどんどん出てくるでしょう。
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