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福島第二原発 内部公開で「復旧」強調/再稼働の疑い晴れず/廃炉示さぬ東電「県民を軽視」
東京新聞 2012.02.10 朝刊 「こちら特報部」
東日本大震災で被災した東京電力福島第二原発(福島県富岡町、楢葉町)の“復旧作業”が進められている。東電は「冷温停止の維持が目的」と説明するが、県などが求める廃炉への道筋がはっきりしないだけに、地元には「再稼働に向けた動きではないか」といぷかる声もある。 (佐藤圭)
(写真)津波で浸水した福島第二原発の4号機海水熱交換器建屋を視察する福島県などの調査団=8日、同県富岡町で
東電は八日、県の立ち入り調査に伴い、第二原発の内部を震災後初めて報道陣に公開した。震災時、原子炉全四基が運転中だったが、いずれも自動停止した。しかし海側にある海水熱交換器建屋が浸水するなどして1、2、4号機では冷却機能が失われ、圧力抑制プールの温度や圧力が上昇。四基とも100度以下の冷温停止状態となるまでに四日近くかかった。
いまも非常用発電機などに震災の爪痕が残る。増田尚宏所長は報道陣に「(炉心溶融した第一原発の状況と)紙一重だった」と振り返った。
第二原発は昨年十二月、震災後に出された「原子力緊急事態宣言」が解除された。これを受けて東電は先月末、経済産業省原子力安全・保安院の指示に基づく復旧計画書を策定。「損傷した設備や仮設設備について(恒久的な)本設設備へ復旧する」ことなどが盛り込まれている。事故への対応は続いているが、この計画で一連のエ程を整理した形で、ニ〇一二年度中の完了を目指す。
東電の広報担当者は「冷温停止維持にかかわる設備の復旧だ」と強調する。福島県も「冷温停止を維持するための措置という認識だ」(須藤浩・光エネルギー課長)と、東電の説明を額面通りに受け止めている。
だが、県民の間には疑心暗鬼が広がる。東電は福島第一原発1〜4号機(大熊町)の廃炉は明言したものの、停止中の第一の5、6号機(双葉町)、第二の1〜4号機については方針を示していない。
全十基の廃炉を求める県は、東電や政府に再三決断を促しているものの、両者とも煮えきらない態度に終始している。
「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の佐藤章子代表は「県内では以前から『第二原発は再稼働するのではないか』とうわさされている。廃炉を明言しなければ、いつまでたっても県民の疑いは晴れない。福島の全原発の廃炉は当然なのに、なぜ結論を先延ばしするのか」と憤る。
専門家はどう見るか。
元原発エンジニアの渡辺敦雄・沼津高専特任教授は「津波の影響で電気系統がやられたのは分かるが、第一原発と同様、地震で何が壊れたのかがはっきりしない。どこを、どのような理由で直したかを明らかにさせることが大切だ」と指摘する。
NPO法人「原子力資料情報室」の伴英幸・共同代表は「現在、安定した冷却が続いているのは東電の説明通りかもしれないが、震災直後は危機的な状況だっただけに、十分にチェックしていく必要がある」とした上で、廃炉開題を放置する東電を厳しく批判する。
「県が廃炉を求めている以上、運転再開はできない。東電もそれは十分分かっているのに廃炉を明言しないのは、地元を軽視しているからだ。電力会社の横暴な体質は事故後も変わっていない」
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【関連記事】
炉心溶融「紙一重だった」…福島第二も総力戦(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20120208-OYT1T00979.htm
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