「ストレステスト」の保安院の審議は法律違反
http://takedanet.com/2012/02/post_3b50.html
平成24年2月8日　　武田邦彦（中部大学）

大飯原発３号機と４号機の再開のために経産省の原子力保安院というところが、「ストレステスト」をして「安全を審議した」とニュースは伝えています。伝える方も問題だが、政府も政府です。

日本は原子力基本法の成立と原子力政策を作るときに、「日本は被爆国であり、原子力の安全を保つために、原発を推進する方が安全を審査してはいけない」としている。つまり、原発推進は原子力委員会と経産省が行い、それとまったく違う組織（原子力安全委員会）で安全を審査することになっています。

安全の審査を独立の機関でしないと安全は保てない・・・これは原子力というものを日本でやるときに政府が国民に約束したことです。でも、現実的には保安院というのが経産省にでき、約束を実質的に反故にしてその結果として福島原発事故がおこったにも関わらず、またそれを繰り返しています。

それに加えて、ストレステストというテストは地震も津波もなく、ほとんどの原発が内陸の川で冷却しているというヨーロッパで使用されているもので、その点でも日本で無批判に使えるようなものではありません。

でも、もっと基本的なこと、原子力の安全を保つためには、原子力を現実にやっている人が絶対に安全を審査してはいけないという基本方針がこれほど無視されていても、それを政府も、専門家も、報道もなにも言わない社会は気持ちが悪いほどです。

音声
【153】 「ストレステスト」の保安院の審議は法律違反 / 武田 邦彦
http://www.youtube.com/watch?v=sDinDk3HxWY

コメント
01. 2012年2月09日 01:51:40 : ZDb31ZNxEo ＞…基本方針がこれほど無視されていても、それを政府も、専門家も、報道もなにも ＞言わない社会は気持ちが悪いほどです。 便利ではあるが、危険でもある現代文明の産物を利用する、近代国家の国民として、 日本人は不適合ではないかとおもいます。それを、武田教授は「気持ちが悪い ほどです」とおっしゃったのだと思います。
02. 2012年2月09日 17:46:55 : xpqRhr8Lm2 賛同いたします。
03. 2012年2月10日 01:53:53 : Uzzt27smXI 賛同いたします。 僕は弱小プロダクションのメディアの人間です。原発について現状をあらゆる角度から分析している海外の専門家を紹介する内容でNHKの番組に対して提案を述べたとき、反原発の立場にある人物はゲストに考えていないと数回に渡り複数の番組プロデューサーから言及され、怒りが込み上げ、「ほな辞めたるわ」と言い放った僕は今も仕事が枯渇しています。 政財界から利権をもらい原発報道の真実を差し控えている全マスコミの情報垂れ流しを嫌悪します。 既成概念をひっくり返しすべてシャッフルして、キレイな空気と自然と人の愛と笑顔に満ちたやさしくて賢くてクールな日本に変えたい。。。

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