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平和ボケの産物の大友涼介です。
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日隅一雄氏インタビュー〜「主権在官」打ち破れ 2012/02/05(東京新聞)
国民が知るべき情報を官僚が隠し、残さず、ときには操る。東日本大震災と福島第一原発事故以降、露わになったのは憲法の国民主権を骨抜きにする「主権在官」の構造だ。三年前の政権交代を経ても、その構造は生き延びている。末期がんと闘いながら、東京電力と政府の記者会見を監視してきた元新聞記者で、弁護士の日隅一雄さん(49)に日本の病巣を聞いた。(聞き手・小嶋麻友美記者)
※日隅一雄氏(ひずみかずお)第二東京弁護士会所属。元産経新聞記者。NHK番組改変訴訟、沖縄返還密約情報開示訴訟などに携わる一方、弁護士やジャーナリストらで設立したインターネット市民メディア「NPJ(News for the People in Japan)」編集長を務める。昨年5月、末期の胆のうがんと告知され、闘病中。今年1月、共著で「検証 福島原発事故・記者会見」を出版。近く「『主催者』は誰か 原発事故から考える」を刊行予定。
■情報隠し 震災後に表面化
小嶋麻友美記者:昨年三月の事故直後から、東電と政府の会見に通い続けたのはなぜですか。
日隅一雄氏:資料もろくに用意せず、記者の質問を意図的にはぐらかす。国民に必要な情報が出ていないと感じ、ならば自分で質そうと思ったからです。癌の治療で途中、約一ヶ月入院しましたが、延べ百回ほど足を運んだでしょうか。
とにかく情報を隠そうという姿勢でした。国民主権の理念などまったく感じられない。政治家、特に当時首相補佐官だった細野豪志さんは割りときちんと答えようとしていた。問題は「官」です。政治家は選挙もあり個人名で動くが、官僚は匿名。だから責任を取らない。彼らに有利な情報しか出さず、常にメディアコントロールしようとする。日本の民主主義は上っ面だけ。「主権在民」ではなく「主権在官」なのです。
小嶋麻友美記者:国民が必要な情報を得られない。問題の根っこは。
日隅一雄氏:制度です。隠す余地のある制度だから、彼らは隠そうとする。政府の原子力災害対策本部などで議事録を作っていなかった問題も、公文書管理法に反するかといえば難しい。会見で「文書に残してください」と何度も指摘してきたが、官僚は「法令上の作成義務はない」という姿勢です。法律で細く定め、解釈の余地をなくさなければいけない。
小嶋麻友美記者:制度を変えるためにも政治主導が期待されたはずですが。首相の交代もめまぐるしい。
日隅一雄氏:鳩山由紀夫さんは、沖縄の基地問題も含め頑張ったと思う。でも官僚の抵抗で潰れてしまった。菅直人さんも倒れ、野田佳彦さんになり、自民党時代と同じ官僚主導の政策決定になってしまった。結局、官僚は強いんです。
他国には民主主義の優れた制度がたくさんある。日本の小選挙区制は、少なくとも先進国では最悪です。小選挙区でも米国には予備選挙があり、有権者が候補者選びに関与できる。情報公開制度も、例えばニュージーランドでは、文書自体が残っていなくても行政は回答しなければいけない。官僚は各国の制度を研究しているはずなのに、変えようとしません。
小嶋麻友美記者:主権を国民の手に取り戻すにはどうすれば。
日隅一雄氏:情報の流通と共有がなによりも大事だと思います。海外の制度を知れば、日本ではいかに国民が主権者として扱われていないのか、よくわかる。かわれば「主権を行使しよう」という機運が高まり、政治家も変わり、国民に必要な政策が採用され・・・という具合に回っていくはずです。
政権交代で民主党がやるべきことは、民主主義を実のあるものにすることだった。国会内に民主主義を検討する委員会を作るべきです。根本の精度が変われば、個別の問題も変わりやすくなる。
国民が政治を支えることも必要です。現状は投票に行く以外、何もしていない。毎日、政治家の事務所に行って「無駄を削って」などと盛り上げていれば、民主党も市民の側についたでしょう。でもそれができず、「政」は「官」に擦り寄るしかなかった。なぜできなかったのか。主権を行使できない制度があるからです。がちがちに縛られた中で国民が声を上げ、医師を反映されるのは難しい。
小嶋麻友美記者:国民が官を疑い、主権者として考える兆しは出てきました。
日隅一雄氏:事故の犠牲が大きかった分、何か獲得しなければという意識は国民の間に高まっています。戦後と似た状況ですが、当時はマスメディアしかなかった。今はインターネットという道具がある。これで官僚お任せシステムを打ち破れるんじゃないか。マスメディアも変わらざるを得なくなる。
新聞記者に始まり、今、再び伝える活動に専念していることに因縁を感じます。病気にならなければ本業が忙しく、会見に通って本を書くこともできなかったでしょう。これが今、果たすべき役割なんだなと、自分を納得させています。
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審議会委員公募 透明性を確保 2012/02/05(東京新聞)
国民が主権を行使するには、
@判断に必要な情報を得る
A判断に基づいて国会議員らを選ぶ
B議員の政策決定に国民意思を反映させる
C行政をチェックする制度がある
D主催者としてのあり方
の五つの視点を日隅さんは提示する。
官僚が政策を操る一例が、再生可能エネルギーの買い取り価格を算定する有識者委員会の人事の問題だ。資源エネルギー庁が内々で決めた委員の多くが原発維持論者だとわかり、委員会の中立性が疑われている。
政府の審議会や委員会は本来、第三者の立場から政策に民意を反映させる役割を期待されている。だが実態は、事務局を務める行政当局が御用学者や官僚OBを委員に選び、事務局案の追認になりがちだ。
これに対し英国が採用しているのが、審議会や独立行政法人などの委員を実力本位で選ぶための「公職任命コミッショナー制度」だ。
日隅さんによると、採用基準を明らかにした上で公募し、任命するまでの手続きで透明性を確保。手続きが適正に行われたかどうかをチェックする監査人もいる。
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