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平和ボケの産物の大友涼介です。
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【こちら特報部】「政府の『脱原発』なぜ後退? 2012/02/04(東京新聞)
〜梶山恵司元国家戦略室員に聞く〜
「脱原発依存」が空文化しかねない状態だ。原発をめぐっては政府は有識者会議を数多く設け、原発批判派もメンバーに加えたが、その効果がなかなか見えない。「それは事務局を原子力ムラの官僚たちが握っているためだ」昨年10月まで2年間、内閣官房国家戦略室で民間任用の審議官を務めた梶山恵司氏(現・富士通総研主任研究員)はそう語る。民主党が掲げた政治主導がいかに色褪せたのか。梶山氏に聞いた。(小倉貞俊記者)
※デスクメモ 政治家の決意とともに、梶山さんは官僚に省益を優先させない制度改革が必要だと説いた。官僚が政策変更を嫌うのは、天下り先を損なう恐れがあるためだ。天下りは彼らの人生設計の一部になっている。しかし、役人の老後が政策の柱ではたまらない。梶山さんは公務員制度改革が不可欠だと訴える。(牧デスク)
■”事務局主導”で骨抜き
「民主党政権の掲げた政治主導が危機に晒されており、官僚主導に戻りつつある。脱原発の行方も危うい」梶山氏はこう切り出した。
梶山氏は約十年間、外務省職員を務め、民間へ転身。林業再生で意気投合した菅直人前首相(当時は国家戦略担当相)に請われ、二〇〇九年十一月から一一年十月まで戦略室に在籍した。
戦略室は「省益」の壁を越えて、政治主導を牽引するはずだった。だが、官僚の壁は厚かった。それは「脱原発依存」という民主党政権の看板が事実上、換骨奪胎されている現実に重なる。
梶山氏が官僚側の思惑を貫く装置として強調するのは、各種有識者会議の事務局の存在だ。「政府が意思決定をする過程で、最も注目すべきなのが会議体のあり方だ。一般には雑用係とみられがちな『事務局』にこそ権力の源泉がある」
裏方を官僚が仕切る限り、会議メンバーの人選や検討課題の設定を通じて、結論まで操られてしまうのだという。
脱原発をめぐる議論においても例外ではない。エネルギー政策を見直すため、政府が設けた三つの会議で見てみよう。
エネルギー基本計画を各省の壁を越えて見直すことが狙いだった「エネルギー・環境会議」。本来、原発の存廃という白紙状態から議論されるはずだったが、昨年七月末の中間報告では、脱原発への具体的な道筋は一切示されなかった。
七月の会議での「当面のエネルギー需給安定策(案)」という事務局作成の文書には「再起動も含め原子力安全対策を徹底するという国の姿勢を明示する」と記されており、事実上、原発の存続を明確にしている。
同会議の事務局は国家戦略室にあるが、十人ほどいる事務局のメンバーのうち、トップの内閣審議官以下、過半数が経済産業省からの出向組みだ。梶山氏は「いわば経産省の別働隊が会議の方向性を誘導した」とみる。
次に内閣府が所管する「原子力委員会」。原子力政策大綱の見直しなどを委員会内の新大綱策定会議で進めている。
ここには脱原発派の委員もいるが、昨年十月の会議では、事務局作成の「安全確保に関する議論のポイント」という資料に「日本としての原発の安全性を世界最高水準に高めていく首相方針は、どのようにして達成していくのか」と明記されていた。結論ありきだ。
事務局には現在は五人の経産省出向者が在籍。電力会社や原発メーカーからの出向組職員もおり、梶山氏は「福島原発事故などなかったかのごとくだ」と憤慨する。
経産省自体が運営する「総合資源エネルギー調査会基本問題委員会」はいわずもがなだ。野田佳彦首相の「可能な限り原発への依存を減らす」との方針に基づき、エネルギー政策の見直しを討議するのが狙いで、複数の原発批判派委員も選ばれている。しかし、「実際はただのガス抜きだ」と梶山氏は酷評する。
十二月の会議で配られた事務局作成の論点整理には「原子力発電への依存度をできる限り低減させること」で「概ね一致を得た」と書かれており、原発批判派委員から批判が噴出した。
とりまとめは廃止と維持の両論併記になる見込みだが、梶山氏は「時間切れを狙うのが官僚の常套手段、会議は事務局の設定する議題に沿って進められる。描いたシナリオ通りにもっていこうとするのが官僚のいつもの手口」と推測する。
黒子こそが黒幕であるという実態に梶山氏は「政治主導にならぬ”事務局主導”だ」と話す。これは原発関連の会議に限らない。最近では八ッ場ダム(群馬県)建設の是非を検証する各種有識者会議で、国土交通省が委員を建設推進派で固めたケースもあった。
こうした官僚主導を制御することは容易ではない。象徴的だったのは、長妻昭下厚生労働相だ。長妻氏は「役所文化を変える」と官僚に次々に指示を出し、猛反発を受けた。結局、信頼関係を築けずに、丸一年で省外へ去ることになった。
官僚に対抗し、政治主導を貫くにはどうしたらよいのか。梶山氏はチームを強調する。「首相や大臣が一人で対応するのは不可能。役所の内外から信頼できるスタッフを集めることが必要だ」
さらに「事務局主導」の手法に対しては、人事権の行使が欠かせないという。「大臣は自らの権限で、事務局トップに省益に固執しない人物を選ばねばならない。官僚は政治家が人事に介入することを恐れる。常に人事権を行使できることを示しておく必要がある」
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◆どの会議でも”暗躍”
梶山氏が挙げた三つの会議以外にも、政府内にはエネルギー政策や原発事故関連の組織が乱立している。仕切り役はいずれも経産官僚だ。
エネルギー政策では昨年十一月「電力改革及び東京電力に関する閣僚会合」が発足。事務局は内閣官房だが、検討課題の設定は経産省内の「電力システム改革に関するタスクフォース」が担当している。
ここが昨年十二月にまとめた論点整理をたたき台に、二日に初会合を開いた総合資源エネルギー調査会・電力システム改革専門委員会が、電力制度改革の具体策を詰める段取りだ。
高速増殖原型炉「もんじゅ」などがトラブル続きの核燃料サイクル政策、原子力委員会の小委員会がコストを再検証しているが、事務局が経産省の影響下にあることは梶山氏の指摘通りだ。
原発の再稼働をめぐっては、経産省内の「意見聴取会」がフル活用されている。再稼働に必要な安全評価(ストレステスト)の報告書を審査する聴取会には後藤政志芝浦工業大講師、井野博満東京大名誉教授の二人の脱原発派が名を連ねているが、圧倒的多数は推進派の学者。原子力業界から寄付を受けていた一部委員が批判されたが、同省は「利益相反には当たらない」とかばった。
唯一、なかなか主導権を握れないのが、再生可能エネルギーの買い取り価格を算定する第三者機関「調達価格等算定委員会」のようだ。
委員五人の人選には国会の同意が必要。だが、政府が、民主、自民、公明の三党の意見を踏まえて提示した人事案には、再生エネルギー促進に後ろ向きな経団連幹部が含まれていた。このため、他党が反発し、同意は得られていない。(佐藤圭記者)
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