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やっぱりこの人も推進派なんですね。
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河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり
(転写開始)
震災がれきの受け入れに賛成する
2012年02月03日
2011年12月20日に、神奈川県の黒岩知事がいわゆる震災がれきの受け入れを表明されました。私は、この知事の対応を評価すると同時に、賛同したいと思います。
ええーっ、と思う方もいらっしゃるかもしれません。なぜ、私が黒岩知事の決断を支持するのか、ご説明します。
まず、どんなに放射線量が少なくとも、放射性物質を動かすことに反対するという反対意見があることは承知しています。
しかし、神奈川県は、すでに県内各自治体で発生したゴミの焼却灰を一部、県外で埋め立て等の処理をしていただいています。
また、下水処理場の汚泥の焼却灰を、現在は処理場の敷地内で保管していますが、いずれ敷地内では保管しきれなくなります。その時に、どんなに放射線量が少なくとも放射性物質は動かせないといえば、下水の処理をすることができなくなります。
ですから、放射性物質は何でも動かすなという意見は現実的ではありません。
さて、黒岩知事が受け入れを表明した震災がれきの発生地の岩手県宮古市は、福島第一原発から260km離れています。川崎市や横浜市は、むしろ宮古市よりも原発事故地に近いぐらいです。
福島第一原発からの距離を比べてみると、
宮古市 260km
横浜市 253km
川崎市 242km
相模原市 254km
横須賀市 267km
そして、2012年1月28日の空間放射線量率の最大値は
宮古市 0.052マイクロシーベルト/時間
茅ヶ崎市 0.047マイクロシーベルト/時間
つまり、宮古市は、福島第一原発の事故の影響を神奈川県よりも強く受けたわけでもありませんし、現在の放射能濃度は神奈川県とほぼ同じレベルです。
さらに、神奈川県が受け入れるがれきの放射能濃度は、1kgあたり100ベクレル以下のものに限られます。この1kgあたり100ベクレル以下の物質は、定義上も通常の廃棄物であり、通常は、放射性物質としては取り扱われません。
やはりがれきの受け入れを表明している東京都が、実際に宮古市からがれきを持ってきて、東京都内の施設で選別・破砕した可燃物の放射性物質濃度を測定したデータがあります。
データは三つのケースに分かれていて、
A 都内のゴミと完全に分け、確実に震災がれきだけの状態で処理して放射性物質濃度を測った場合
B 一つのラインで、時間帯を分けて都内のゴミと震災がれきを流した場合(つまり若干都内のゴミが混ざった状態)
C 都内のゴミと震災がれきが混ざった状態で流した場合
Aは検出限界(40ベクレル/kg)以下、Bは60ベクレル/kgと95ベクレル/kg、Cは111ベクレル/kg。このデータを見ると、論理的に考えて、都内のゴミの放射性物質濃度のほうが宮古市のがれきよりも高いことになります。
2011年9月14日に宮古市清掃センターの焼却灰の放射性物質濃度を宮古市が測定したデータは、133ベクレル/kgでした。
私の地元の相模川流域下水道右岸処理場の汚泥の焼却灰の放射性物質濃度は、2012年1月16日の測定で、1024ベクレル/kgでした。つまり、宮古市のがれきの焼却灰は、実際には、神奈川県の下水処理場の汚泥の焼却灰よりも放射性物質濃度が低いことになります。
それでも理論的には、最大で100ベクレル/kgの放射性物質濃度のがれきが来る可能性があります。このがれきを焼却すると、セシウムが濃縮され、放射性物質濃度は1600ベクレル/kgから3300ベクレル/kgになる可能性があります。
これらがどれぐらいの放射能かというと、
もし100ベクレル/kgのセシウムを含む食べ物を、1kg食べると、セシウムが、有効半減期約89日で減少しながら体内に留まる間の内部被曝の総量は0.0013ミリシーベルトになります。
もし3300ベクレル/kgのセシウムを含む食べ物を1kg食べた場合、内部被曝の総量は0.043ミリシーベルトになります。
これは、東京とニューヨークを飛行機で往復した時の被曝量0.2ミリシーベルトと比較しても非常に小さい値です。
そして、神奈川県の管理型最終処分場の地元のご了解を頂ければ、このがれきの焼却灰を防水性のあるフレコンバッグに入れて、管理型の最終処分場に運搬して、フレコンバッグのまま埋め立てます。
神奈川県内の管理型の最終処分場の底は、こうなっています。
上
保護砂 50cm
保護マット 不織布
熱可塑性ポリウレタンシート
漏水検知センサー
中間保護層 不織布
熱可塑性ポリウレタンシート
ベントナイト混合土 20cm
底面部コンクリート 10cm
下
万が一、シートが破損してもセンサーがそれを検知できるようになっています。
この上に、既存の廃棄物層があり、その上に50cmの土を盛ったうえでフレコンバッグに入った状態で焼却灰を埋め立てて、上から3m覆土します。
神奈川県の下水道公社が実際に測定した結果では、一般環境の空間放射線量率が0.05マイクロシーベルト/時間の時、1060ベクレル/kgの焼却灰を10cmの厚さで土で覆うと放射線量は0.10マイクロシーベルト/時間になり、20cmで0.08マイクロシーベルト/時間、30cmで0.06マイクロシーベルト/時間、50cmの土で覆った時に0.05マイクロシーベルト/時間と一般環境と同じレベルになりました。
ですから3mの土で覆えば、放射線量は全く影響がなくなります。
さらに、埋め立て後も空間線量率および地下水などの放射性物質の測定を行いますので、きちんとモニターすることができます。
これだけのことをしていますから、極めて安全だと思います。
現在も、神奈川県内の各自治体では、ゴミや汚泥を焼却していますが、バグフィルターが放射性物質の99.9%以上をその排ガスから取り除いています。
黒岩知事の呼びかけに答えて、神奈川県の管理型最終処分場の地元のご了解を頂けるようでしたら、横浜市、川崎市、相模原市ががれきの焼却に協力してくれるようです。この三市以外の自治体でも、ぜひ、一度、がれきの焼却の受け入れを市議会などで検討してみていただきたいと思います。
がれきの処理なくして、東北の震災復興はありません。お手伝いできるところは、ぜひ協力していこうではありませんか。
(転写終了)
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