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<脱原発の経済学/熊本 一規> を 読む
http://www.asyura2.com/12/genpatu20/msg/673.html
投稿者 愚民党 日時 2012 年 2 月 04 日 00:01:35: ogcGl0q1DMbpk
 


 

福島原発事故によって放射能が垂れ流され続け、人びとが放射線被害のモルモットになっているような事態は、人類史上初めてのことである。脱原発すべきか否か。脱原発を選ぶとしたら、それをいかに進めるのがよいか。この問いは、今やすべての人びとにとって差し迫った問題として問われている。
 本書は、原発の電気がいかに高く、いかに電力が余っているか、いかに地域社会を破壊してきたかを明らかにし、脱原発が必要かつ可能であることを経済学的観点から提言する。(2011.11)

■内容構成
はじめに

第1章 電力自由化と発送電分離は必要か
 1 地域独占の根拠とその崩壊
  ⑴ 日本の電気事業体制
  ⑵ 地域独占の根拠は「規模の経済」
  ⑶ 分散型電源が「規模の経済」を崩す
  ⑷ 電力自由化の制度改革
  ⑸ PPSの進展と電気料金の低下
 2 総括原価・レートベース方式は正すべきか
  ⑴ 電気料金決定の三原則
  ⑵ 総括原価とレートベース方式による事業報酬
  ⑶ 「原発をつくればつくるほど儲かるしくみ」は本当か
  ⑷ 広告費や研究費を電気料金に含めてよいのか
  ⑸ 総括原価方式に代わる方式はあるか
 3 発送電分離は必要か
  ⑴ 電力会社による負荷追随運転と託送料金
  ⑵ PPSに課されるインバランス料金
  ⑶ 自由化の進展を阻む託送料金とインバランス料金
  ⑷ 欧州における電力自由化と発送電分離
  ⑸ 託送料金・インバランス料金は改善されたか
   ⑸−1「在り方」及び「詳細設計」による改善策
   ⑸−2 託送料金・インバランス料金の推移
   ⑸−3 枠組み自体を問わない弥縫策
  ⑹ 発送電分離は必要であり可能である

第2章 「原発の電気が一番安い」は本当か
 1 発電費用のうちわけ
  ⑴ 減価償却費とは
  ⑵ 固定費と可変費
  ⑶ 各種電源の発電費用の特質
 2 電源のベストミックス論
  ⑴ 三種類の負荷
  ⑵ 各負荷に適した電源
 3 電源別発電原価のモデル試算のカラクリ
  ⑴ 発電原価関数とグラフ
  ⑵ 一九八四年モデル試算のカラクリ
  ⑶ 各電源の発電原価関数とベストミックス論
  ⑷ 算定方式の変更で「原発の電気が一番安い」を維持
  ⑸ バックエンド費用を割引率で小さくする
  ⑹ 二○○四年モデル試算のカラクリ
 結論

第3章 原発は地域社会を破壊する
 1 福島原発は地域を潤したか
  ⑴ 恒久的振興を訴えた福島県
  ⑵ 原発の立地効果は麻薬と同じ
 2 原発と漁民・住民
  ⑴ 電力会社に物をいえない
  ⑵ 原発と漁民
  ⑶ 原発と住民

第4章 脱原発社会を如何に創るか
 1 脱原発は必要かつ可能である
  ⑴ 「安全な原発」はあり得ない
  ⑵ 原発には差別が不可避
  ⑶ 原発がなくても電気は足りる
  ⑷ 原発は電気しか生まない
  ⑸ 原発では再生可能エネルギーを補えない
  ⑹ 原発保有国の状況が物語るもの
  ⑺ 温暖化二酸化炭素原因説は疑わしい
  ⑺ 脱原発は火力で可能
 2 再生可能エネルギーの何を如何に進めるか
  ⑴ 脱原発と再生可能エネルギー普及は別物
  ⑵ 固定価格買取制度は必要か
  ⑶ 太陽光と風力は有望か
  ⑷ 風土に合った再生可能エネルギーを
  ⑸ バイオエネルギーの重要性
  ⑹ 多様な電力利用を
  ⑺ 再生可能エネルギーの多様な利用を
  ⑺ 日本の低炭素社会づくりは間違っている
 3 再生可能エネルギーを誰が担うか
  ⑴ 福島原発敷地は堤一族のものだった
  ⑵ 広島・長崎、水俣、福島を貫くもの
  ⑶ デンマークから学ぶもの
  ⑷ 需要側が供給側の痛みを自覚する仕組みを
  ⑸ 再生可能エネルギーを地域が握る 付 論 水車が語る農村盛衰史


あとがき
索引



 

 

http://www.ryokufu.com/isbn978-4-8461-1118-2n.html

 

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「水車が語る農村盛哀史」には、驚嘆いたしました。

工業が農業から発達していった歴史を始めて教えられました。

非常に想像力を喚起いたしました。

失礼ですが、白土三平の「カムイ伝」や、有吉佐和子の小説「出雲の阿国」を

思い出しました。「出雲の阿国」の最終は阿国が産まれた「たたら」での踊りです。

 

わたしはこれまで中世でも近世でも、エネルギーをどうしていたのだ、という

問題意識は持ってたことがありませんでした。

熊本先生の「水車が語る農村盛哀史」を読んで、いかにこれまで

自分が日本の歴史を表層的にしか対象化できていなかったことを知りました。

その時代、人々が生活し生産していたという意識を欠落したまま、日本の

歴史をなぞっていたに過ぎなかったことを、教えられました。

 

「水車が語る農村盛哀史」には、非常に驚嘆いたしました。

小学生のころ、小学校への登校の道には水車小屋がありました。

それを思い出しながら読みました。

わたしは栃木県矢板市で育ったのですが、その記憶は

重要であることを教えられました。

小学3年までは山奥そして盆地という農村地帯で育ったので

その記憶をもう一度、掘り起こしていきたいと思っております。

 

今後、過去の作家の小説を読む場合でも「生活とエネルギー」という

視点を忘れないようにしたいと思います。

 

本編である「脱原発の経済学」には細部の検討による説得力を感じました。

 

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コメント
 
01. 2012年2月04日 01:13:46 : OeHGISpk1o
『脱原発の経済学』の東京新聞書評は次のブログに載っている。
http://heiheihei.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/18-8f75.html

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