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小出裕章氏:原子力村の再稼働への巻き返し、4号機の燃料プール倒壊時にどうなるか・・・@たね蒔きジャーナル
http://bochibochi-ikoka.doorblog.jp/archives/3268371.html
2012年02月01日23:32 ぼちぼちいこか。。。
※この記事は、
1月6日 原子炉法案:運転期間は原則40年も例外を認める・・・に関連しています。
http://bochibochi-ikoka.doorblog.jp/archives/3230564.html
20120201 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
http://www.youtube.com/watch?v=aYOMe5aloQY&feature=player_embedded
【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】
(水野氏)東京には近藤さんです。
まず、政府は原発の再稼働に向けた環境を次々と整えておりますね。原子力安全改革法案というところには、原発の寿命というものが書き込まれました。これは前からお伝えしておりますけれども、運転期間は原則40年、でも例外的に延長が1回20年認められる、つまり60年まではOKだという話。
これ、最初方針が出されたとき、だいぶ大きな反発があったと思うんですが、結局法案に書き込まれました。こういう状況っていうのは、小出先生はどういうふうにご覧になってるんですか?
(小出氏)原子力を進めようとしてきた人たちが、着々と反撃を始めて地ならしをしているということですね。
(水野氏)その中に、私は初めて知った言葉で『バックフィット制度』という話が出てきました。カタカナで『バックフィット』です。どういうことかなと思うと、これは既にある原発に最新の安全基準を満たしなさいと求めるということなんですって?
(小出氏)そうです。
(水野氏)そんなん当たり前と違うんですか?
(小出氏)当たり前ですね。昔からやっていました。
(水野氏)あ、昔からこれは求められてたんですか?
(小出氏)そうです。
(水野氏)なんか新しく加えられて、それで安全性をうたってるのかなと私は思っておりましたが、それは私の勘違いなんですね?
(小出氏)そうです。前からやってました。指針類というのは、時が経つに知れてマズかったということは出てくるわけで、改定されるわけですね。
例えば耐震設計審査指針というのも改定されました。すると要するに昔間違えていた指針でやっていたわけですから、改定された指針に則って本当に大丈夫かどうかを、昔のものももう一度考え直しなさいということをこれまでもずっとやってきているのです。
(水野氏)それを安全基準を満たさなかったら停止させてきたんですか?
(小出氏)『必ず満たせた』のです。
(水野氏)『必ず満たせる』って、だって昔の基準で・・・満たせるっておかしいじゃないですか?
(小出氏)そうですね。『必ず満たせる』とは語弊がありました。例えば、耐震設計審査指針というのが改定されて、例えば浜岡原子力発電所は、昔は東海地震なんて想定しないまま作られてしまったわけですが、東海地震を想定すればやはり耐震補強工事をしなければいけないということになって、結局中部電力は1号機と2号機に関しては、補強工事にお金が掛かりすぎるということで、廃炉にするという決定をしたのですね。
(水野氏)はぁ・・・。
(小出氏)ですから、そういうことはこれまでにもありましたし、これからもあり得ることだろうとは思います。
(水野氏)まぁ、バックフィット制度という言葉は私には新しかったですけど、別に目新しいことではなかったんですね。
(小出氏)はい。昔から私たちはバックフィットと呼んでこれまでも来ました。
(水野氏)はぁ・・・。じゃあとりわけ何らかの形で安全性が高まるような内容に法案が変わったということではないですか?
(小出氏)はい。特別新しいことではありませんが、科学的な新しく出てきた科学的知見を取り込みなさいという、当たり前のことを昔からやってきたし、これからもやろうとするというポーズをとろうとしてるのですね。
(水野氏)リスナーから時事川柳をくださいまして、
『原発を もっとまじめに議論しろ』
(小出氏)<笑>
(水野氏)これ、国会の様子を聞いてらして、
「原発を真正面から議論することに与党も野党も腰が引けているような気がする。非常に歯がゆくてなりません」
とくださったんです。
これはどうですかね?
(小出氏)誠にそのとおりだと思います。今、これまで原子力発電所は絶対安全だと言い続けてきた国と電力会社だったわけですけれども、それが残念ながら事故を起こす、大変悲惨な現実が目の前にあるわけで、その現実をきちっと見て、本当にこれまでのやり方が良かったのかどうかを考え直さなければいけないはずなのですが、結局考え直さないまま寿命が40年なんてことをまず言いだしたんですね。
ということは、40年経つまではこれまでどおり動かすと言っているわけですし、その言ったすぐ後に、今度は例外で20年延長を認めて60年までという、全く元に戻ってしまっているのですね。
本当に巻き返しというものがすごいものなんだなと、私は今は思っています。
(水野氏)近藤さん、このあたりどうですか?
(近藤氏)いや、僕は『冷温停止状態』という言葉と一緒に前に進んできた。だけど私病気をした時に、かなり長い間に集中治療室というところにおったんですが、言ってみればあの原発全体が、私のイメージでは集中治療室にあるんだろうと思うんですよ。
(水野氏)今ずっとね。
(近藤氏)本来、だから患者さんがちゃんとなった状態でベッドの上におかれているというところまでいってないんだろうと思うんですね。
そうするとね、その例えばですよ?今、本当に僕は地震があるたびに「福島どうなんだろう」とすごく気になるんですけど、あの周辺で結構大きな地震があったときに、先生ね、今の状態のまま、本当に地震があってグラグラっときて、本当に建物が更に崩壊するっていうような事態になったときに、今の政府の方針でOKできるわけないですよね?
(小出氏)はい。ありません。
ですから、野田さんは、『収束宣言』というものを出したわけですけれども、世界から見ると物笑いになっているだろうと私には見えます。
(近藤氏)IAEAなんかも「非常に疑問だ」というふうに言ってますよね。
(小出氏)はい。まぁIAEA自身は原子力を進める世界的な原子力村の総本山ですから、なんとかこれからやりたいという、そういう思惑で動いている組織ですけれども、そこから見ても尚且つまだ日本のやり方がオカシイと言葉を残して帰るという、そういう状態なのですね。
(近藤氏)だから、今本当にこの後、地震とか何もないという前提で考えても、僕は不安なんですけど、こういう災害列島の中で本当にいついかなる大きい地震があるかもわからない状態の中でね、この原発の議論だけが止まってるっていうこと自体、僕、異常だと思うんですよ。
(小出氏)そう思います。近藤さんは東京にお住まいですよね。今、東日本大震災が起きて、ものすごい広範囲の岩盤がくずれているわけで、これからまた余震というものは必ず起きるだろうと思いますし、既に崩れてしまった福島原子力発電所が大きな余震でまた崩れるという可能性も私はかなり高いだろうと思いますし。
(近藤氏)そのことを心配するにつけ、うーん、何をやってんだ?って、そっちのほうがすべての政治課題より先だろうと思うんですけども。
(小出氏)そうですね。のんきな国会だなと私は思います。
(水野氏)小出先生、リスナーから今くださったメールなんですね。
「今後も地震などによって、福島第一原発の4号機のプール、(これは非常に注目しておかなければいけないことだと、前から小出先生はおっしゃっていたとこだと思うんですが、福島原発4号機の使用済核燃料が入ってるプール、)これが倒壊したり大きな亀裂が入って冷却水が失われる恐れはあると私は思うんです。その時、どれくらいの放射性物質が放出されるんですか?」
というふうにご質問なんですが。
(小出氏)私もそれを恐れているわけで、実際どれだけの事故になるかということは、壊れ方によるわけですけれども、4号機の使用済燃料プールの中には、4号機という一つの原子炉に含まれていた燃料の約3倍くらいの燃料がプールの中にあったはずだと思います。
(水野氏)プールの中には、4号機の燃料だけじゃない、他の燃料も・・・
(小出氏)4号機の使用済燃料プール・・・
(水野氏)あ、今までのが溜まってるわけですね。
(小出氏)そうです。3回分くらいのものが溜まっていたはずだと思いますので、それがいわゆる格納容器という放射能を閉じ込める防壁の外側にあるわけで・・・
(水野氏)防壁は無いってことですね?
(小出氏)何もないまま出てきてしまうということになるのです。そうすると、これまで出てきた放射性物質の最大の場合には、ケタでおおい放射性物質が噴出してくると思います。
(水野氏)ケタでおおいということは、10倍を超えるということですね?
(小出氏)10倍を超えるということです。
(水野氏)そうか、原子炉3基分の放射性物質がそこにあり、またそれを防御する壁が何もない状態に4号機のプールはある。
(小出氏)そうです。
(水野氏)これが崩れてしまうとケタ違い、10倍以上の放射性物質が放出されてしまう恐れがある。これ、緊急に何かしなきゃいけないんでしょうけど・・・。
(小出氏)ですから、東京電力は、もちろん今私が聞いていただいたようなことを彼らも知っているわけで、真っ先に耐震補強工事というのをやったのですね。使用済燃料プールを壊さないようにということで。
ただし、その現場が猛烈な被曝環境ですので、ゆっくりきちっとした工事をするという状況にはなかったはずだと私は思うし、どこまでしっかりとした補強工事ができたかということがネックなのですね。
私としては不安だし、なんとか大きな地震が来ないでほしいと、今はずっと思い続けています。
(水野氏)はい。ありがとうございました。
【以上】
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